第98話 閻魔の苦悩 その6
肉浩が目を覚ますとそこは担架の上だった。
「おっ、目を覚ましたみたいだな。」
目を覚ましてすぐ藤彦が話しかけてきた。
「安心しろ。幻影地獄は既に脱出した。」
肉浩は何があったのか頭を整理する。
「そうだ!皆は?皆は無事なんですか!?」
肉浩の質問に藤彦は笑って答えた。
「おいおいおいそんなに迫るな、びっくりするじゃないか。心配しなくてもみんな無事だよ。」
藤彦の言葉を聞き胸をなでおろして安心した肉浩。それと同時に疑問が浮かぶ。何故鬼獄長は止めを刺さなかったのか。轍の一件のけじめだろうか。考えても分からないのでもう考えないようにした。
「君が一番重症だったんだぞ。目を覚ましたとはいえまだ痛むところはあるかい?」
「まだ顔がちょっと痛い……位ですかね?」
鬼獄長に殴られた顔を擦りながら思い出す鬼獄長の最後の攻撃。鬼獄長自身満身創痍で限界を超えているにも関わらず今までのどの攻撃よりも強いパンチだった。
「まぁでも多少痛むだけなんで大丈夫です。今いるこの地獄はどんな所ですか?」
「そうだな。この地獄は………」
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一方その頃、閻魔は………
「やれやれ。片さないといけない書類が多くて大変だ。」
閻魔は書類仕事をしていた。
無論、書類は全て審判を受ける死者のカルテである。
ウーウーウーウー
サイレンが鳴り響いた。
サイレンの音で全てを察した閻魔はもう何もゆわずモニター画面を確認する。
モニターには倒れた鬼獄長が映っていた。
閻魔はモニターを巻き戻し脱獄囚との戦闘を見る。
「……………これで幻影地獄も突破か……残る地獄は後3つ、残りの地獄で何としても喰い止めねばならないが………」
「クソッ、私が出向けばあの脱獄囚共を全員無限地獄へと送り返すとゆうのにッ!」
そうゆって閻魔は机の上の書類の山に視線を移した。
まだまだやるべき仕事は多くここを離れる訳にはゆかなかった。
閻魔は無線機を取り出し操作した。
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プルルルルル
プルルルルルル
プルルルルルルル
通信機が鳴り響いた。
ガチャリ
「もしもし、此方蟲喰地獄長でございますオニ。」
『蟲喰地獄長か?此方閻魔だ。』
「え、閻魔様ですかオニ!?お疲れ様ですオニ。本日はどういったご要件でしょうかオニ。」
突然の閻魔からの通信に驚きを隠せない鬼獄長。そんな鬼獄長を予措に本題に入った。
『無限地獄から脱獄囚が出た。今は蟲喰地獄にいる筈だ。何としても捕えて送り返せ。』
「だ、脱獄囚ですかオニ!?しかもこの蟲喰地獄にいるって一体どうゆうことですかオニ!?」
『脱獄囚達はここに来るまでの全ての鬼獄長を倒してきている。全部で七名。全員を捕えて送り返してくれ。』
閻魔は脱獄囚の詳細な情報を鬼獄長に伝え通信を切った。
「脱獄囚……まさかそんな大変なことが起きていたとはオニ……」
「しかし、この蟲喰地獄は絶対に越えさせないオニ!何とかして捕えて送り返さねばオニ!」
鬼獄長は獄長室を飛び出し脱獄囚捕獲のための準備を始めた。




