第81話 閻魔の苦悩 その5
パチッパチッ
肉浩が目を覚ますと担架の上であった。
覚醒したばかりで頭が回らず状況を飲み込むのに時間が掛かった。
(………そうだ!鬼獄長を倒して灼熱地獄を抜けて……そこで気絶したのか……)
「目を覚ましたか肉浩。」
藤彦が肉浩に話しかけた。
「!!藤彦さん!そうだ!皆は」
肉浩は辺りを見渡すと脱出メンバー全員揃っていた。肉浩はホッとして胸をなでおろす。
「良かった、全員無事だったんですね。」
「ああ、君が某を灼熱地獄の外まで運んでくれたおかげだよ。」
藤彦は自分が目を覚ました後の事を話し始めた。
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藤彦が目を覚ますと灼熱地獄の外にいた。
すぐ近くに肉浩が倒れていた。
至る所から血を流し骨が突き出ていた。体中の骨が折れ今まで見てきた怪我の中で最も酷いとゆっても過言ではなかった。
『そうだ!他の皆は!?』
藤彦は灼熱地獄に戻ると他の脱出メンバー五名と鬼獄長が倒れていた。
『よかった。全員いる。』
藤彦は脱出メンバー全員を灼熱地獄の外まで連れてゆき目を冷ますのを待った。
暫くすると肉浩以外の五人が目を覚ましたので状況を説明する。
『………という訳だ。よほど激戦だったのか肉浩はまだ起きそうにない。とはいえ起きるのを待っているのも時間が惜しい。とはいえあの怪我だ。変に動かすのは良くない。そこで世助、担架を出してくれ。』
藤彦の言葉で世助は担架を作り出した。肉浩を担架に乗せて担架を押して次の地獄に進んだ。
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「………と、ゆう訳でもうここは次の地獄だ。目を覚ましたのだからこの地獄を攻略するぞ。」
「あっ、皆待ってくださいよ!」
脱出メンバーは早速進み始めた。
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一方その頃、閻魔は
「えー貴方は生前殺人強盗詐欺と数えられない罪を犯していますね。地獄行きです。」
そう言うと閻魔は机の上のチャンネルを目の前の魂に向けてボタンを押した。
「あ〜れ〜」
魂の足元が突然開きそのまま重力に従い落下する。
「ハァ……疲れた。」
仕事の愚痴をこぼしつつ次の魂を呼ぼうとしたその時
ウーウーウーウー
緊急事態を知らせるサイレンが鳴り響いた。
「まさか……またなのか!?」
閻魔はモニターの映像を確認する。
そこには灼熱地獄長が倒れた姿が映っていた。
「脱獄囚め………またしても………」
閻魔は映像を巻き戻し鬼獄長と脱獄囚の戦いをしっかりと観察する。
脱獄囚の戦いを一頻り見終わった後、無線機を取り出し幻影地獄長に掛けた。
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プルルルルル
プルルルルルル
プルルルルルルル
通信機が鳴り響いた。
ガチャリ
「はいもしもし、此方幻影地獄長ですオニ。」
『幻影地獄長か、閻魔だ。』
突然閻魔からの通信が入り驚きを隠せない鬼獄長。
「え、閻魔様!?お疲れ様ですオニ。本日はどういったご要件でしょうかオニ。」
『無限地獄で脱獄囚が七名出た。今は幻影地獄にいるはずだ。見つけて捕まえてくれ。』
閻魔の連絡を聞きさらに驚く鬼獄長。
「だ、脱獄囚ですってオニ!?しかも七人もいるのですかオニ!?」
『そうだ。これまで通ってきた地獄の鬼獄長を全て倒してきている。油断するなよ。』
閻魔は脱獄囚の情報を全て幻影地獄長に伝えた。
『………ということだ。健闘を祈る。』
「あっ、ちょっ、閻魔様!?』
ツーツーツー
通信は途切れた。
「ハァ〜脱獄囚が出たオニか。話を聞く限り厄介そうだオニなぁ。」
鬼獄長は気だるそうにため息をつく。
「しかしここは幻影地獄。地の利は此方にあるオニ。さぁ待っていろオニ脱獄囚共。貴様らはこの幻影地獄長が捕まえてやるオニ!!」
鬼獄長は早速獄長室を出て脱獄囚確保へと動き出した。




