第78話 灼熱地獄長との戦い その5
鬼獄長と肉浩の戦いは拮抗していた。
肉浩は暑さで立つことすらままならなかったさっきまでとは違い地獄の暑さをものともせず戦っていた。
「貴様!さっきまで立つことが精一杯だったオニ何故こんなに動けるオニか!?」
肉浩には最早鬼獄長の言葉は届いていない。
ただ一切の思考を棄て目の前にいる敵を倒す為にその身を動かしている。
肉浩と鬼獄長の拳と拳がぶつかり合い周囲に凄まじい衝撃波を発生させる。
鬼獄長も相手が怨力使いとはゆえ自身と互角に渡り合える人間がいる事に驚いていた。
(何故人間がオレ様と互角に渡り合えるんだオニ?明らかに人間のパワーを逸脱してるオニ!)
人間の力とゆうのは個人差はあれど鬼獄長は勿論の事、下鬼にだって力で敵う事はない。
しかし目の前にいる人間は信じられない事に鬼獄長である自身とパワーが拮抗してるではないか。
その上ここは灼熱地獄、サウナの如し暑さの中
である。
当然ここが職場である灼熱地獄長はこの程度の暑さはなんて事ないが人間にはそうはゆかない。どれだけ強い人間とゆえどこれ程の温度の中戦えば本来の力は出せない筈である。
しかし肉浩はこの灼熱をものともせずに戦っているではないか。
こんなもの鬼獄長からすれば脅威以外の何物でもない。
「ええい鬱陶しいオニ!人間の分際でさっさとくたばらんかオニ!」
鬼獄長は棍棒を構えて肉浩に襲いかかった。肉浩に棍棒を思い切り振り下ろす。
ゴシャァァァァァン
肉浩の頭に当たった瞬間棍棒が砕け散った。
「バカな!貴様の頭蓋骨は鋼で出来てるオニか!?」
人間の頭蓋骨に棍棒が負けた事実に驚きを隠せない鬼獄長。驚いている隙を付き鳩尾に膝蹴りをぶちかました。
「ぶぉえッ!」
攻撃が急所に入って思わず膝をついた。
「くそ、調子に乗るなオニ!」
鬼獄長は右ストレートを肉浩にかます。肉浩は鬼獄長の攻撃を躱しそのまま背負投げで投げ飛ばした。
「うおわああああ」
投げ飛ばされた鬼獄長は直ぐに起き上がり体制を整える。
(何故だ……何故瀕死の囚人一人に遊ばれてるオニか?オレ様は鬼獄長だぞオニ。負けるはずがない……そうだ!負けるはずがないんだオニ!!)
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
鬼獄長は怒りで我を忘れ肉浩に襲いかかった。肉浩は冷静に鬼獄長の攻撃を躱して鳩尾に肘打ちをお見舞いする。
「ぐおおぉぉぉぉ」
またしても鳩尾に攻撃を喰らった鬼獄長はお腹を抑えて蹲る。
そんな鬼獄長に対して肉浩は容赦なく止めを刺そうと拳を握りしめ鬼獄長目掛けて振り下ろした。
パシッ
ググググググググググググ
肉浩の拳を掴んでそのまま上へと持ち上げた。
「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!」
そのまま肉浩を思い切りぶん投げた。
肉浩はそのままふっ飛ばされ岩場に叩きつけられめり込んだ。
鬼獄長はその隙を逃さず岩場にめり込んだ肉浩に近づきパンチをお見舞いする。
肉浩は間一髪岩場から抜け出し事なきを得た。
お互い限界も近い中、二人の最終ラウンドが幕を開けた。




