第77話 灼熱地獄長との戦い その4
その後は戦いと呼べるような物ではなかった。暑さで弱っている脱出メンバーを一方的に嬲る拷問の時間だった。
勿論脱出メンバーも抵抗を試みたが暑さのあまり実力が発揮できず鬼獄長には全く攻撃が通用しなかった。
「さて、まずは誰から痛い目にあって貰おうかオニ。」
鬼獄長は手始めに森田の髪を乱暴に掴み
「まずはお前からだオニ。オレ様は見ていたぞオニ。お前が弟に致命傷を与えたオニな?」
鬼獄長は森田の顔面にパンチをぶちかます。
「ぶげっ「おっとこの程度でくたばってくれるなよオニ。弟が味わった苦痛はまだまだこんなものでは無いオニよ?」
鬼獄長は森田を殺さない程度に痛めつける、とゆってももう既に死んでいるが。森田の顔面は腫れ上がり体中の骨が折れ青くなっていた。
最初の内は悲鳴を上げていた森田だったが次第に悲鳴を上げる気力さえ無くなっていきどれだけ嬲ろうと何も声を上げなくなった。
「おいおい、もうダウンしたのかオニ?まだまだ早いオニが他にも脱獄囚がいるからなオニ。貴様はここでおしまいだオニ。」
鬼獄長は止めを刺そうと森田の頭に右足を乗せそのまま少しづつ体重を掛ける。
ある程度体重を掛けるとピキッと嫌な音が森田の頭から聞こえた。
「おっと頭蓋骨に罅が入ったようだオニ。このまま踏み砕いてやるオニ。」
鬼獄長はどんどん右足に体重をかけてゆく。森田の頭蓋骨が踏み砕かれるのも時間の問題だった。
「やっ……止めろ!!」
意識が朦朧とする中肉浩が立ち上がった。鬼獄長は森田から足をどけて後ろを振り向く。
「驚いたオニ。まだ立てる奴がいたオニか。」
肉浩はゆっくりと一歩ずつ鬼獄長に近づいてゆく。
肉浩は鬼獄長にパンチをお見舞いする。
ペチン
パチン
肉浩自身も限界が近くパンチに全く力が入らなかった。それでも肉浩は諦めなかった。
ペチン
ピチン
ドサッ
とうとう立つことすらままならなくなり膝をついた。
「………麗しい友情オニな。これが脱獄囚でなければオレ様感動して泣いちゃってたかもしれないオニ。本当、脱獄囚でなければなオニ。」
そう言うと鬼獄長は肉浩を蹴り飛ばした。
「ま……まだだ!!」
肉浩は再び立ちあがる。しかし直ぐに膝をつく。そのまま四つん這いで鬼獄長に近づいてゆく。
「貴様らがどんな感動ドラマを繰り広げようと所詮貴様らは脱獄囚オニ!それも無限地獄に落とされる程の大悪党オニ!そんな奴らの友情エピソードなんて見せられて一体誰が感動するオニか?ただただ胸糞悪いだけだオニ!!」
鬼獄長は肉浩の頭を踏みつけた。じわじわとゆっくり体重をかけてゆく。
「そうだな。所詮オイラは悪い子だ。」
「中学に上がってから喧嘩に明け暮れパパや先生に迷惑と心配ばっかりかけて自分の青春と人生を棒に振ったんだ。オイラ自身はどうしようもない大馬鹿野郎だよ。他でもないオイラ自身が一番分かってる。」
鬼獄長はまだ体重を掛ける。ピキッと嫌な音が響いた。
「だけどよ、そんなオイラにだって貫くべき信念ってモンがあんだよ!皆で必ずこの地獄から脱出するって誓ったんだ!てめぇの同情なんざハナから誘ってねぇんだよ!」
肉浩は鬼獄長の足を掴み持ち上げる。さっきまでまるで力が入らなかったのが嘘のように鬼獄長の思い足を持ち上げそのまま投げ飛ばした。
「バカな!まだそんな力が残っていたオニか!?」
「始めようぜ鬼獄長。こっからは第二ラウンドだ。」
鬼獄長と肉浩の戦いが始まった。




