第75話 兄弟の絆
鬼獄長との戦いを終えた脱出メンバーはその後特に大きな山場も無く順調に灼熱地獄を進んでいた。
灼熱地獄の暑さは藤彦の作る氷で凌いで襲いかかる下鬼は協力して倒す。
「気持ち悪い位順調に進みますね。」
「いいじゃないか。順調に進むに越したことはない。それにもう鬼獄長は倒したんだ。これ以上山場があってたまるか。」
「でもなんかもうひと悶着何かありそうな予感が」
「おいやめろ縁起でもないことゆうな。そうゆうことゆうとマジでもうひと悶着起こるから。」
他愛もない話をしながら灼熱地獄を進んでゆく。
自転車のお陰で歩くより早く進みいつの間にか出口に到達しようとしていた。
「皆、あれ出口じゃないか?」
藤彦が指差した先に見えるのは出口の扉だった。
「もう着いたのか?えらく早いなぁ。」
「早いに越したことはない。こんな暑い所、さっさと抜けちまおうぜ。もう氷も溶けそうだしな。」
脱出メンバーは扉を開けようとしたその時
「あぐっ」
カタン
藤彦が頭から血を流して倒れた。
「なッ」
「この投石はまさか……」
脱出メンバーは困惑しているとどこに潜んでいたのか大勢の下鬼が脱出メンバーを取り囲む。
「やっぱり、そう簡単に脱出させてはくれねぇか……」
脱出メンバーは覚悟を決め戦闘態勢を取る。
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「よし、まずは氷使いを無力化出来たオニ。」
脱獄囚捕獲作戦の第一段階が無事成功し安堵する。
しかし作戦はまだ終わりではない。
「チンタラしてる暇は無いオニ。早く脱獄囚の所へ行かねばならんオニ。」
脱獄囚は警戒しており二度目の投石は通用しないと判断した鬼獄長は脱獄囚の元へ向かう。
鬼獄長は脱獄囚捕獲作戦の第二段階に移行する。
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その頃脱出メンバーは向かって来る下鬼達と戦っていた。数は100にも満たなかったが藤彦の氷が完全に溶けきり暑さで実力を出しきれずにいた。
「もう一度、水を出してやる!」
世助は怨力で水を作り出し脱出メンバー全員にかける。
(水を被って体温を下げる。この距離じゃ阻止するのは不可能オニ。だが体温を下げることも計算の内だオニ。)
体温が下がって元気を取り戻した脱出メンバーは残りの鬼を全て倒した。
用意した鬼が全滅したところで鬼獄長の兄が脱出メンバーの所まで辿り着いた。
「そこまでだオニ脱獄囚共!この灼熱地獄からは絶対に出さんオニ!」
「鬼獄長!?いや違う。一体何者だ!」
「オレ様はこの灼熱地獄の鬼獄長だオニ。貴様らが前に倒した鬼はオレ様の弟だオニ。そうオレ様達は二人で鬼獄長なんだよオニ。」
「な、なんだって!?鬼獄長は一つの地獄につき一人だけの筈だろ!?」
「よくもこのオレ様の可愛い弟をあんな酷い目に合わせやがったなオニ!貴様ら絶対に許さんオニ!弟が味わった苦しみと絶望を万倍にして返してやるからなオニ!!!」
鬼獄長は瞳に涙を浮かべていた。凄まじい怒気に脱出メンバーは気圧される。
「来るぞ!皆構えろ!!」
鬼獄長との戦いが幕を開ける。




