第74話 灼熱地獄長との戦い その2
鬼獄長の参戦で脱出メンバーは苦しい戦いを強いられていた。
藤彦が倒れたことにより体温が下げられず意識が朦朧としてくる。このまま全員倒れるのは時間の問題だった。
その上鬼獄長も参戦してきたので戦いが激しくなり余計に体温が上がるスピードが早くなる。
(ダメだ……このままだと全員倒れてしまう。何とかして体温を下げないと……)
世助は体温を下げる方法を考える。しかしあまりの暑さに頭が回らない。
(み……水を……水浴びを……そうだ!)
世助は力を振り絞り大量の水を作り出した。
ザパーーーン
脱出メンバーがずぶ濡れになった。
「おうわっ」
「うわっ冷たっ」
「一体何なんだ!?」
脱出メンバーは突然降ってきた水に困惑する。しかし水を被って体温が下がり頭が回るようになった。
体温が下がって元気を取り戻した脱出メンバー。防戦一方だった戦いが一転し一気に攻め立てる。
「くそ、氷使いさえ倒せば奴らは体温を下げられず楽に仕留められると思ったオニがとんだ計算違いだったオニ。こんなことも出来るやつがいるオニか。」
鬼獄長は世助を狙って攻撃する。しかし世助を守るように妨害が入る。
「やらせると思うか?」
「鬱陶しいオニ!」
ズゴーン
鬼獄長は地面を蹴り上げて礫を飛ばした。礫が脱出メンバーに襲いかかる。
「うわあっ」
鬼獄長の礫攻撃をモロに喰らう脱出メンバー。礫攻撃がかなり効いたのを見た鬼獄長は続けて撃とうと右足を上げる。
パシーン
「ごぶぇっ」
鬼獄長が血を吐いて倒れた。鬼獄長の後ろに森田が立っていた。
「き……貴様いつの間に後ろに……」
「まだ意識を保っているのか。鬼獄長は本当に丈夫だな。」
パシーン
森田は止めと言わんばかりにもう一度音波のゼロ距離衝撃音波を喰らわせる。鬼獄長は動かなくなった。
「終わったな。」
脱出メンバーは戦いが終わって安心して脱力する。
戦いが終わって暫く経ち脱出メンバーが全員回復し先へ進む。
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脱出メンバーが先へ進んで暫く経った頃、鬼獄長の側に一人の鬼がやって来た。
「おぉ可哀相に脱獄囚にやられてしまったオニか。」
鬼獄長兄は鬼獄長弟を抱えて宿舎を目指して歩き始めた。
「脱獄囚め………このオレ様の可愛い弟をこんな酷い目に合わせた落とし前は必ずつけさせてやるオニ!」
そういった鬼の目には涙が浮かんでいた。
暫く歩くと宿舎に到着した。獄長室のベッドに鬼獄長弟を寝かせる。
鬼は望遠鏡で戦いを全て見ており対策を考える。
「脱獄囚は氷使いさえ何とかすれば此方の勝利と思っていたオニが武器職人の脱獄囚も水で体を冷やせるオニか……」
「この二人をまず何とかする必要があるオニな。」
鬼は机に向かって作戦を考え始めた。
「……よし、この作戦でいくオニ。」
鬼獄長兄は獄長室を後にした。




