第55話 極限地獄長の苦悩
鬼獄長は雪が積もる道をものともせず走っていた。
「待ってろオニ脱獄囚共!この極限地獄長が直々に無限地獄に送り返してやるオニ!!」
鬼獄長はこの一大時を楽しんでいた。囚人を拷問する毎日。他の鬼達は嬉々として拷問する中鬼獄長は拷問に嫌気が差していた。
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『オラ!もっと叫べオニ!』
バチィン
『ああああああああああああああああ』
『この極悪人が!反省しろオニ!』
ビチィィィン
『きゃああああああああああ』
(毎日毎日拷問の日々。あいつら飽きないのかオニ………?)
鬼獄長は拷問する日々に退屈していた。聞きたくもない囚人の悲鳴、飛び散る返り血、拷問道具の後片付け。仕事だと割り切って考えてもストレスは貯まっていく。
『オイラ鬼獄長向いてないオニなぁ……』
鬼獄長の仕事内容には暴れ回る囚人の鎮圧があったので血の気の多い鬼獄長は自分に向いてると思い鬼獄長になったものの、基本的に囚人は大人しく拷問を受けており暴れ回る囚人など滅多にいない。
偶に暴れ回る囚人がいるがそれは来たばかりで力関係が分かっていない新入りが殆どで基本的に下鬼で何とかなるレベルであり、力で分からせるとそれ以降反乱を起こすことはない。
要するに、完全に就職先を間違えたのである。
そんな感じで不完全燃焼でイライラしていた頃、閻魔から脱獄囚の連絡が入った。しかもその脱獄囚は三人の鬼獄長を倒し今この極限地獄に来ていると言う。鬼獄長はその連絡を聞いた途端テンションが上がって居ても立っても居られなくなった。
そして現在に至る。
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「とうとう見つけたオニよ脱獄囚。精々楽しませてくれよオニ?」
脱獄囚を探して入口へ向かって走る鬼獄長。入口の近くまで進むと人影が見える。間違いない、脱獄囚だと鬼獄長は確信した。
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一方脱出メンバーは鬼獄長がすぐ近くまで来ていることに困惑を隠せなかった。
しかし慌ててる余裕はない。すぐに戦闘態勢に入る脱出メンバー。
世助が沢山の武器を作り出し足元に武器が散乱する。中には自転車やタオル、食器など関係ないものも混ざっていた。
各々が戦闘準備を整え終わった頃、鬼獄長が歩みを止めた。
「さあ、始めようオニか脱獄囚共!無限地獄に送り返してやるオニ!」
鬼獄長との戦いが始まった。




