第49話 ダブル鬼ごっこ その2
ダブル鬼ごっこが始まって暫く経った。未だ鬼獄長は見つからないが下鬼とは何度か遭遇していた。しかし仲間に引き入れた下鬼の索敵でそこまで苦労せず鬼を退けていた。
暫く探し回ったが鬼獄長は見つからない。ただでさえ広い地獄に全く先の見えない暗闇が相まって脱出メンバーは鬼獄長を探すのに苦労していた。
「森田さんの索敵にも映りませんか?」
「オイラの索敵は半径10kmが限界だ。この広い地獄で10km以内に近づくのは難しいぞ……」
全く見つからないまま鬼達の就寝の時間がやって来た。
ジリリリリリリリリリリリリリリ
けたたましい音が鳴り響いた。
「鬼達が寝る時間か……緊急事態中でも鬼は寝るのか?」
「緊急事態発令中は半分はいつも通り寝てもう半分は緊急事態に対応する事になってるオニよ。時間が来れば交代するのを問題解決するまで繰り返すオニ。」
「成る程、つまりこの鬼ごっこが終わるまで就寝時間でも鬼達が襲ってくるのか……」
改めて一瞬たりとも気が抜けない状況にいるんだということを再確認した肉浩。一刻も早く鬼獄長を倒さなくてはならない。
「鬼獄長は…寝るのか?」
「一人しかいない以上は寝ると思うオニが……寝てる間に攻撃されるかもなんてことは分かっているから何かしらの対策があると思うオニ。例えば誰にも見つからない場所に隠れるオニとか……起きてる鬼に見張りをさせるオニとか……」
「成る程……分かった、ありがとう。」
分かったとは言ったが対処法は何一つ分からないままである。
(虱潰しに探していくしか無いのか……………?)
この広い地獄を虱潰しに探すのは骨が折れるがそれ以外に方法が思いつかないので皆に作戦を伝える。
「皆、ここは地道に虱潰しに探していこうと思う。かなりキツイけどこれ以外思いつかない。」
この広い地獄を虱潰しに探すなど見つけるまで何年掛かるか分からない途方もない作業であるがそれ以外に方法が見つからない。
「異論は無いみたいだな。それじゃあ行くぞ。」
脱出メンバーは鬼獄長を探しに歩き始めた。
鬼獄長を探し歩いて時間が経つが見つからない。仲間に引き入れた鬼達を解放し別の鬼を引き入れ進み続けていると
ジリリリリリリリリリリリリリリ
けたたましい音が鳴り響いた。
「起床のベルがなっちまったな。早いこと見つけねーと。」
地道に探す作業にうんざりしていた脱出メンバーだったがここで森田の索敵に反応があった。
「来た、9時の方向に9.7km先に鬼獄長の反応がある。寝ているのかは分からないが止まっている。」
「本当か。近くに身を隠せそうな障害物はあるか?」
「鬼獄長の回りは茂みになっている。身を隠すには十分だ。」
森田の言葉を聞いて違和感を覚えた。鬼獄長は何故そんな茂みの近くで止まっているのか。見通しが悪いとあっという間に距離を詰められる。此方を甘く見ているのか、絶対に逃げられるという確証を持っているのか、分からないが今はとにかく近づくしかない。
「分かった。行こう。」
脱出メンバーは鬼獄長がいる場所へ向かった。




