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第45話 漆黒地獄 その4

「お前は無限地獄の脱獄囚について何か聞いていないか?」

最初に案内させた下鬼はどうやら新人だったようなので聞かされてないだけかもしれないと思い今支配している下鬼からも情報を聞く。



「いや?何も聞いてないオニよ。無限地獄から脱獄囚が出たオニか?」



「そうか……分かった。」

肉浩は腑に落ちなかった。何故脱獄囚のことが知られていないのか。やはり深淵地獄長が処分を恐れて報告しなかったのだろうか?もしそうだとしたらこの地獄は簡単に抜けられるのだが……藤彦は嫌な考えが頭をよぎっていた。



暫く歩いていると下鬼が急に立ち止まる。



「皆、この先同胞たちが囚人を拷問しているオニよ。迂回して進むオニか?」



「本当か。なら迂回しよう。無駄な戦闘は避けるに越したことはないからな。」

下鬼の提案を飲み脱出メンバーは迂回して遠回りをする。



暫く進んでいると突然



グウゥゥゥゥゥゥ〜



という音が聞こえてきた。

脱出メンバーは何の音かと疑問に思っていると



「は………腹減った……オニ……」

下鬼のお腹が鳴った音だった。



「そういえばずっと休み無しで歩かせてるからなぁ………」



「どーする?そろそろ解放してあげてもええんちゃう?」



「そうだな……もう帰っていいぞ。」

肉浩の言葉を受け帰っていった下鬼。



「まぁ、また下鬼見つけて案内させたらいいか。森田さん、近くに人の反応はあるかい?」



「一番近くだと4時の方向、3.2km先に幾つか反応がある。恐らく囚人に拷問してる。」

森田の索敵に反応があったようだ。



「よし、ならまずそこに向かおう。案内してくれ。」

森田の案内の元脱出メンバーは反応があった場所まで向かう。



反応があった場所まで辿り着くと鬼を一人仲間に引き入れ疲れて動けなくなったら解放し、また新しく仲間に引き入れる。これを何度も何度も繰り返し脱出メンバーはとうとう出口まで辿り着いた。



「……辿り着いたオニよ。漆黒地獄の出口オニ。」



「ありがとう。もう帰っていいよ。」

肉浩の言葉を受け下鬼は帰っていった。



漆黒地獄の出口。鬼獄長に出会うこともなく大した戦闘も無く前二つの地獄に比べるとあっさりと出口に辿り着いた。砕が怨力で辺りを照らす。



「やけに……あっさりと抜けられたな……」

藤彦がここまで来るのにまともに戦闘が無かった。せいぜい下鬼に案内させるために周りにいる鬼を不意打ちで倒した程度である。

案内させた鬼に脱獄囚の話を聞くも誰一人話を聞いている者は居なかった。

その事実に藤彦はゆいようのない違和感を覚えていた。



「これが漆黒地獄の出口か。」

長いこと手入れがされていなかったのか、出口の扉は蔓で覆われていた。

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