第42話 漆黒地獄
深淵地獄を出た脱出メンバーは次なる地獄へ辿り着いた。
「着いたぞ皆。ここが地獄の第七層、漆黒地獄だ。」
漆黒地獄と呼ばれたこの場所は漆黒の名の通り、あたり一面真っ暗闇だった。何も見えない暗闇が広がっていた。
「な……何も見えない。本当に真っ暗闇だ。」
何も見えない中手探りで進まなくてはいけないのかと考えると不安になる。
「………そうだ!世助さん懐中電灯だ。懐中電灯出して下さいよ!」
肉浩は世助に懐中電灯を要求する。しかし
「無駄だ。ここの地獄は懐中電灯でどうにかなる暗さじゃない。」
そうゆいつつも世助は注文通り懐中電灯を作り出し肉浩に渡した。
「懐中電灯でどうにかなる暗さじゃないってどうゆう意味ですか?」
肉浩は懐中電灯のスイッチを入れる。しかし
「あれ?明かりがつかない。何でだ?」
懐中電灯のスイッチをカチカチとつけたり消したりするも一向に明かりが点かない。
「世助さんこのライト壊れてますよ、ちゃんとしたのを出して下さいよ。」
「その懐中電灯はオイラの怨力でたった今作り出した物だ。どうしてたった今作ったものが壊れるんだ?」
確かにそうだ。今さっき作り出したばかりの物が壊れる筈がない。しかし現に何度スイッチを入れてもライトは点かない。
「確かに……じゃあ何でライト点かないんだ?」
肉浩が疑問に思っていると周囲が明るくなる。
「これで、よう見えるやろ。」
砕が怨力を使って辺りを照らす。
「あ、そっか。砕さんの怨力をすっかり忘れてたよ。そうだった。光で辺りを照らしてくれるんだったな。」
砕の怨力で辺りが明るくなり見通しが良くなった。肉浩は辺りを見渡す。
「無限地獄と違って結構障害物多いなぁ。皆気を付けて下さいよ。」
デコボコした道は無限地獄と同じだが、大きな岩や木がまばらに存在していた。
「これ暗い中進んだら間違いなくぶつかるなぁ。ってあれ?」
辺りを見渡していると突然暗くなった。砕が怨力を解除したようだ。
「ちょ、ちょっと砕さん。何で明かり消したんですか。」
「すまん……あんま長時間光うてられへんね。めっちゃパワー消耗するから……」
「深淵地獄であんなに眩しい光出してた人が何ゆってんですか、冗談はよいですからもっかい照らして下さいよ。」
「この漆黒地獄は生半可な光は闇に吸い込まれてしまう。砕が全力で光ってもこれが限界なんだ。」
藤彦が漆黒地獄の説明をする。
「つまりこの漆黒地獄では一寸先も見えない中、手探りで出口を目指さなくてはいけない。深淵地獄も中々キツかったがここもかなりキツいぞ。」
「そして何よりここの地獄の鬼達はこの暗闇の中でも見える特別な目を持っている。つまり此方は何も見えないが敵は見えるということだ。」
「何ですかそれ、ちょっとそれずるくないですか?」
深淵地獄の時もそうだったが、翼の生えた鬼がいたり、暗闇を見通せる目を持った鬼がいたりとその地獄の特徴にあった鬼達が獄卒を務めている事に理不尽さを感じずにはいられない肉浩であった。
「砕の光は消耗が激しいから消耗の少ない森田の音波で索敵しながら進んで行くのが作戦だ。森田、頼めるか?」
「分かった、任せてくれ。」
「森田の索敵で鬼が近くに居たらその時は砕、お前の怨力で辺りを照らしてくれ。」
「分かった。任しちょき。」
「とりあえずはこれで進んでいこう。何か質問はあるかな?」
質問はなかった。全員作戦を理解したようだ。
「無いみたいだな。じゃあ出発するぞ。」
脱出メンバーは出口を目指して歩き始めた。




