第39話 深淵地獄長との戦い
藤彦の言葉で立ち上がり覚悟を決めた肉浩はさっきまでとは別人のような気迫で鬼獄長を震え上がらせた。
(さ……さっきまで優勢だったオニ。なのにこの威圧感。恐怖感は一体何なんだオニ!?)
鬼獄長は内心ビビりながらも勇敢に肉浩に礫の攻撃を仕掛ける。
「……………!」
その場から一歩も動かずモロに礫の攻撃を喰らうも悲鳴一つ上げず鋭い眼光で鬼獄長を睨みつける。
そんな肉浩を見て鬼獄長は不気味に思った。
「どうした鬼獄長!!これで終わりか!?こんなもんでオイラがくたばると本気で思っているのか!!」
凄まじい気迫に恐怖を覚える鬼獄長。
瀕死の人間一人の放つ気迫に気圧されるなど鬼獄長になって長いがこんな事は初めてであった。
(こ、こんなボロボロの人間一人にこのオイラが恐怖を……ありえん……あり得るはずがないオニ!!)
鬼獄長は獄長としての誇りを思い出し自らを奮い立て肉浩に向かって走る。
「喰らえええええええええええええ!!」
鬼獄長は肉浩にパンチをお見舞いする。肉浩もパンチで受け止め両者の拳がぶつかり合う。
ピキッ
「…………ッ!!」
肉浩の腕から嫌な音が響いた。肉浩が腕を押さえて悶絶する。
「ワッハッハッ骨に罅が入ったようオニな。しかしお前のその気迫には驚かされたオニ。しかしその気迫も只のハリボテだったようオニな。喰らえ!!」
鬼獄長はパンチを繰り出す。後ろに跳んで攻撃を躱す。
「どうした?避けてばかりではオイラは倒せないオニよ。」
この戦い負ける訳にはいかない。ここで負ければ皆の努力が全て無駄になってしまう。そう言い聞かせて自分自身を奮い立たせる。
「う……うおああああああああああ!!!」
肉浩は真っ直ぐ鬼獄長に向かっていった。
「どんな手で来るかと思えばオニ……オイラを相手に近接戦闘を選ぶオニとは……いい度胸だオニ!」
向かって来た肉浩にパンチをお見舞いする。
(右ストレート。予想通りだぜ!)
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
鬼獄長のパンチを紙一重で躱し懐に入って全力のパンチをお見舞いする。
「ぐわあああああああああああああああああ」
鬼獄長はパンチをモロに喰らい悲鳴を上げて後ろに吹っ飛ぶ。
「くそ、うっ」
直ぐに体制を立て直すもあまりのダメージによろけて膝をつく鬼獄長。
(ただの……人間のパンチでこんなに消耗するなんてオニ……)
「さぁ立て、満身創痍なのはお互い様なんだよ。オイラには時間がないんだ。次の一撃に全てを掛ける。」
「いい度胸だオニ……だが勝つのはオイラだオニ。」




