第31話 脱獄囚捕獲作戦 その4
「藤彦さん。本当にもうすぐ出口なんですか?終わりが見えないのですけど。」
出口が近いとゆわれてから暫く経つが一向に終わりが見えず不安になる肉浩。
「大丈夫だ。もうすぐ着く、距離にしてあと一里って所かな。」
そうゆうと藤彦は突然立ち止まった。
「どうした藤彦さん。突然立ち止まって。」
「世助、双眼鏡出してくれ。」
「双眼鏡?分かった。」
世助は怨力で双眼鏡を作り出して藤彦に渡した。藤彦は渡された双眼鏡を覗き込んだ。
双眼鏡から目を離して皆に質問する。
「いい知らせと悪い知らせ。どっちから聞きたい?」
藤彦の質問を受け全員が全てを察した。それでも聞かずにはいられなかった。
「じゃあ、いい知らせから。」
「双眼鏡で出口が見えた。」
「じゃあ、悪い知らせは……」
「出口に大量の鬼が待ち構えている。」
全員の悪い予感は的中した。今まで鬼が襲ってこなかったのは脱出メンバーを捕らえるための準備をしていたからであり、出口に集められるだけの戦力を集結させていたのだ。出口を押さえておけば待っているだけで囚人が自分からやって来る。
勿論脱出メンバーもそう来る事は分かってはいたが、出口に向かわなくては深淵地獄を脱出できない上に大軍で来られると分かっていても対策出来ない。
突破するには全ての軍勢を蹴散らすしか方法はないのか、作戦を考えていると鬼達に動きがあった。
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一方その頃、鬼達はというと………
「おい、脱獄囚はまだ来ないのかオニ?」
下鬼が双眼鏡で脱獄囚を探していた。
「奴らの進む速度を考えたらそろそろここに辿り着く頃だオニ。見つけたらすぐオイラに知らせろオニ。」
「わ、分かりましたオニ。」
そう言うと下鬼は気合を入れて脱獄囚を探す。暫くするとやって来た脱獄囚を見つけた下鬼が鬼獄長に報告する。
「獄長!脱獄囚が見えましたオニ。七名全員いますオニ。」
「おぉそうかオニ。全員戦闘態勢に入れオニ!」
「獄長!囚人の一人が双眼鏡を持ってますオニ。恐らく此方に気付いていますオニ。」
「よし、ならば全員で掛れえええええええ!!」
「「「オオオオオオオオオオ!!!」」」
鬼獄長の号令で下鬼達の士気が上がる。
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「これはまずいな。鬼達が此方に気付いてこっちに向かって来ているぞ。」
双眼鏡で様子を見ていた藤彦が状況を皆に伝える。
「数はざっと見る限り無限地獄の時より遥かに多いぞ。少なく見積もっても5000はいるな。」
「いや冷静に分析してる場合じゃないでしょ。どうすんですかこれ?無限地獄の時ですらしんどかったのにその時より多いって完全に詰んでますよね!?何とか出来るんですか!?」
肉浩は完全に取り乱していた。
「落ち着け。前も言ったが全部ねじ伏せるしかない。覚悟を決めろ!」
そう言うと藤彦は氷で足場を作り出した。
鬼達との戦いが始まった。




