第3話 審判の時間
小屋の中に入ると閻魔様と思しき人が座っていた。
「座りなさい。」
言われた通り椅子に座る。
「名前は鈴木肉浩、歳は15歳、間違いないね?」
「間違いないです。それより閻魔様一ついいですか?」
「どうぞ。」
「オイラの前にマイコーという人が来たと思うんですがあの人は?」
小屋の中からあんな声が聞こえてくれば心配してしまうのが人の性とゆうものである。
「あーごめんねぇ、うちも守秘義務があるからそうゆう情報言っちゃうわけにいかないのよ。」
「守秘義務……」
まさか霊界に来てまでそんな言葉を聞くことになるとは思わず少し動揺してしまった。
「じゃあ早速本題に入っちゃう訳なんだけど、自分でも心当たりあると思うから省略するけど、荒れた青春送ってたみたいねぇ。喧嘩三昧にパパと大喧嘩、周りの大人達をとっても困らせたでしょ。」
「……間違いないです……」
「素直でよろしい。本来であれば地獄に行ってもらうんだけど、君15歳だからセカンドチャンスの対象なんだよね。あっ、セカンドチャンス知らないよね。」
「簡単に説明すると15〜30歳の間に亡くなっちゃった人に生き返って貰ってもう一度人生やり直しちゃえって制度なのよ。」
その言葉を聞いて衝撃を受けた。自分の人生を振り返っても後悔しかない人生だった彼にとってこの提案は嬉しいものだった。
生き返ったらどうしよう。ちゃんと学校に通って勉強しよう、父と仲直りしよう、親孝行しよう、やりたいことは沢山ある。この話に乗ろうと申し出る。
「もちろん生き返ります。生き返ってパパに謝りたい。迷惑かけてごめんなさいって言いたい。生前はパパにたくさん迷惑かけて、怒られても噛み付いて、死んで始めて自分のバカさ加減に気がついたんだ。馬鹿は死ななきゃ治らないって言葉は本当だった。もう一度パパに謝るチャンスを下さい!!」
肉浩の申し出に閻魔はバツが悪そうに頭をポリポリ掻いて答えた。
「あーごめんねぇ、生き返るって言っても元の世界じゃないのよ。全く別の世界で生き返って貰うわけよ。簡単に言えば異世界転生って奴。知ってるでしょ?地球だと君くらいの年頃の子はこういうの大好きっていう子が多いからねぇ。」
「い…異世界…?」
「あら知らないの?珍しい。君くらいの年頃の子は説明しなくてもすぐ理解するんだけど。」
小学生時代は本を読んで過ごしていたが読んでいたのは学校にあった文庫本でラノベは置いていなかったのでそうゆう話の知識は0であった。
「元いた世界では君は死んじゃったから死んだ人が生き返ったらみんなびっくりするでしょ?だから元いた世界には返してあげられないの。パパと仲直りしたかったようだけどこればっかりはどうしようもないわねぇ。」
「それでどうするの?生き返るの?生き返らないの?」
元の世界で生き返れないことを知り肩を落とす。生き返っても父に会えないと思うと生き返る気が失せてしまった。
「やめときます。父に会えないなら生き返りたく無い。」
「行かない?珍しい、君くらいの年頃の子はこの話にすぐ食いつくんだけど。」
「このまま地獄へ送ってください。」
地獄へ行くことに恐怖も躊躇も無かった。父と会えないならば地獄で己の罪と向き合おう。心の中でそう決心した。
「分かった、ならば地獄で苦しむがいい!!」
机の上のチャンネルを手に取り肉浩に向けてボタンを押した。すると肉浩の足元が突然開きそのまま下へ落下していった。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
この日、肉浩は地獄へ落とされた。




