表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/806

第29話 脱獄囚捕獲作戦 その2

「獄長!只今戻りましたオニ!」

偵察を終えて鬼獄長に報告をする下鬼。



「おぉ、脱獄囚の居場所は分かったオニか。ってあれ?お前とバディを組んでいた下鬼はどうしたオニ?」

一人しかいないことに気がついた鬼獄長は帰ってきた下鬼に尋ねる。



「アイツは………脱獄囚にやられてしまいましたオニ。」

下鬼は偵察で起こったことを鬼獄長に説明した。囚人の一人が氷を飛ばして同僚の翼を切断したこと、別の囚人の攻撃を自分も喰らい未だに頭がガンガンすること、それを聞いた鬼獄長は



「そうか……それは辛かっただろうオニ。お前だけでもよく生きて帰って来たオニ。お前が持ち帰った情報は必ず役にたてるオニ。お前は暫く休暇をとるオニ。気持ちの整理がつくまでしっかり療養するオニよ。」



「はい………ありがとうございますオニ………」

下鬼は獄長室を後にした。

下鬼が去った獄長室で鬼獄長は作戦を考える。



「さてどうしたものかなオニ。分かっていることを文字にして書いていくオニ。」

そう言うと鬼獄長はペンと紙を取り出し下鬼が持ち帰った情報を箇条書きにして纏める。

・脱獄囚は七名

・居場所は序盤の辺り

・脱獄囚の内少なくとも二人は怨力使い

・一人は氷、もう一人は音波の怨力使い

・ロープを体に巻き付け落ちないようにしている

・氷で足場を作れる

・足場を渡って進んでいる



「怨力使いが少なくとも二人いるオニ。無限地獄長を倒したことを考えると全員怨力使いと考えたほうが良さそうオニな。」

脱獄囚全員が怨力使いであると予想する鬼獄長。



「やれやれ、閻魔様も敵の情報をもうちょっと詳しく教えてくれてもいいと思うオニ。しかし空を飛べるような怨力使いは居なさそうオニな。もし居るならもっと進んでいる筈だオニ。」



「足場を落ちぬよう進むとなると相当時間が掛かる筈だオニ。出口に辿り着くには不眠不休で進んでもかなりの日数は掛かる筈だオニ。」

持ち帰った情報を冷静に分析し対策を練る。



「よし、この作戦で行くオニ。単純だが一番効果的な作戦オニ。そうと決まれば早速準備に取り掛かるオニよ。」

そうゆって獄長室を後にした。





____________________





一方その頃脱出メンバーはと言うと………

「うぉあっ」

肉浩が足を滑らせ穴に落ちる。

しかし巻きつけたロープのお陰で宙づりになっていた。



「危ない危ない。ロープがあって良かったぜ。」

体制を立て直し足場に戻る肉浩。



「気をつけろよ。こんなところで躓いてる暇は無いからな。」

鬼に居場所を発見されてしまった以上グズグズしてはいられない。一刻も早く深淵地獄を抜けなくてはならない。いつ鬼の大軍が押し寄せてきてもおかしくはないのだ。



「でも正直これ、オイラ達がこの地獄脱出するまで鬼達が何もしてこないなんてことがあるでしょうか?」



「まず無いだろうな。何かしらの作戦を立てて絶対に襲ってくる。これはオイラの予想だが、無限地獄の時のように大軍を率いてやって来ると思う。そしてこれで来られるのが一番厄介だ。分かっていても対策できない。全て正面から迎え打つ以外に方法がないんだ。」



「大軍……あの地獄絵図がまた来るのか……いや地獄絵図って言うか地獄なんだけど。」



「とにかく、鬼の軍勢が来たら皆覚悟を決めろ。何としても蹴散らし、先へ進む。それしか無いんだ。」

脱出メンバーは不安を抱えつつも歩みを進める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ