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第13話 怨力 その3

「勿論君達を陥れたいとかそんな理由で告発したわけじゃない。ちゃんと説明するよ。」

嘘の告発をしたのは何やら深い訳がありそうだったが例えどんな理由があろうとも納得できるものではなかった。



一歩間違えればドリルの刑に処されていたと思うと肉浩は感情的になって怒鳴りつけた。



「ふざけんな!どうゆうつもりだ?オイラ達は危うくドリルの刑に処される所だったんだぞ!?」

肉浩は興奮して藤彦を問い詰める。しかし藤彦は冷静に返す。



「分かってる。君達の怒りは最もだ。今からちゃんと説明するから落ち着いてくれ。」



「これが落ち着いていられるか!お前はオイラとマイコーを無実の罪で売ったんだ!どんな理由があれオイラは許せねぇ。この落とし前、どうつけるつもりだ?」

肉浩の怒りはどんどん膨れ上がる。説明しようにも話を聞ける状態ではない。


するとマイコーが肉浩を宥めた。


「大丈夫、落ち着いて。」

さっきまで怒り狂っていた肉浩が嘘みたいに大人しくなっていく。


「マイコー、お前はいいのか?あいつのせいでドリルの拷問に処される所だったんだぞ?これはガチでキレてよいやつだから。」



「先ずは話を聞くんだ。藤彦さんも事情を説明するとゆってるんだし、怒るのは理由を聞いてからでも遅くないんじゃないか?」

マイコーは肉浩と同じくドリルの刑に処されかけたとゆうのに冷静だった。

そんなマイコーを見てると一人感情的になってるのが馬鹿らしくなり怒りが鎮まった。



「………そうだな、すまねぇ。」

落ち着きを取り戻し冷静になる肉浩を見て藤彦が話を再開する。



「結論から言うと君達二人を嘘の情報で密告したのは君達に怨力を発現させるためなんだ。」



「怨力を発現させるのと嘘の密告。関係あるように思えないが?」



「大いに関係あるんだ。怨力を手っ取り早く発現させるためには精神を極限状態にまで追い詰めるのが一番なんだ。勿論、発現するかどうかは掛けだったけどな。」

またしても衝撃の発言だった。これで発現しなかったらどう落とし前つけるつもりだったのか。



「でも君達二人なら必ず怨力を発現してくれると信じていたよ。」

腑に落ちなかったが藤彦の発言に一々キレていてはキリが無いので怒りをぐっとこらえる。



「という訳で君達の怨力を今ここで使って見せてくれ。どういった力なのか把握しておきたいんだ。」



「オイラ達が怨力を使えるのは分かったけど、どうやって使うんだ?使い方なんか分かんねぇぞ?」

あのとき怨力が使えたのは無意識である。使おうと思ってもまだ使えないのが現状だった。



「分かった。なら特訓しよう。これから毎日ここへ来てくれ。君達二人が怨力を完璧にモノにした時、脱出作戦を始めるとしよう。」



「さて、今日は解散。鬼達が起きる前にみんな自分の部屋に戻るんだ。」

みんながぞろぞろと自分の部屋に戻っていく。肉浩とマイコーも自分の部屋に戻る。



それから拷問の時間が終わると毎日隠し通路から広場へ向かい、怨力の訓練をする。地獄では時間の概念は無いものの、現実の時間で1ヶ月もの間訓練をしていた。最初のうちは発動すらできなかったが、今では完璧に怨力を使いこなすまでに成長した。



「素晴らしい。二人共完璧に怨力を使いこなせるようになったな。」



「藤彦さんが訓練つけてくれたおかげです。ただ、この怨力、脱出するのに役に立つでしょうか?かなり地味だし。」



「大丈夫、自分を信じなさい。某は君達を信じてるからね。」



「さて、いよいよ明日作戦実行する。今日は皆解散してくれ。」



みんながぞろぞろと帰ってゆく。肉浩とマイコーも自分の部屋に帰り布団に入る。

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