金曜日の夜に①
通話に入ると、既に対戦で盛り上がっているのかコントローラーの触る音と友人達の声が聞こえてきた。
「んな強悪な格闘喰らうわけないっしょ?もうちょい落ち着こうぜ?」
「だったら安全距離からチマチマと実弾とミサイルばっか撃ってんじゃねえよ!タイマンだからこのキャラ
じゃ逆転するにはロマン技狙わないとむりなんだって!」
状況的に分の悪い状態だと察し、起動済みのゲームの準備を進め冷蔵庫から出したハイボールを開けて一口。
・・・うめぇなあ。濃い味付けのエビチリと肉汁たっぷりの餃子によく合う。
1分程すると決着がついたのか、落ち着いてきたため声をかける
「おいーっす、すまんね、少し遅れたわ。だいぶ対戦やってる感じかい?」
「ツナ?お仕事お疲れさん。俺もさっき来たとこ。ガミと太鳳は30分前からタイマン縛りしてるってさ。
今、招待メッセ送ったからはいってきなー。」
友人の一人である「水瀬 福朗」が招待メッセージを送ってくれたのでルームに飛ぶと3人が待っていた。
「ガミさん?太鳳?遅れてすまんな、だいぶタイマンやってたみたいやけど調子はどうだい?」
「ツナか、、、戦績見たらわかるけど10戦中おれが8敗2勝で太鳳にぼろ負け中。」
「オールランダムでキャラ選んでいるからだな。全員揃う前のお遊びだし気にすんなって♪」
少しだけ声のトーンが落ちている「沢木 太鳳」と気分が上がっている「江上 一歩」の声が聞こえた。
「ボコボコにやられまくってるよ・・・せめて銃が使えるキャラがいいよ。さっきから飛び道具一つもないキャラしかランダムで出ないし・・・」
「本格的な試合はあくまで全員が揃ってからだろ?とりあえずツナも来たことだし、4人で対戦しよや。」
対戦していた2人は次の試合をすぐに始めたいのか既にキャラクターを選択済みにしていた。福朗も同じ用にキャラクターを選び、イヤホンからは鼻歌が聞こえている。
「俺もキャラを・・・選びましたよっと!!それでは対戦始める前に、ガミさんいつものかけ声を頼んますよ。」
全員がキャラを選択した画面となり、対戦が始まる前の画面となった。それぞれがスマホの画面で近くにおいてある酒を手に持ち、ガミさんのかけ声がかかるのを待つ。
「では、みなさん。今週もお疲れ様でしたー。乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」楽しい金曜日の夜が始まった。