高橋さんオークション【その後】
私は八代光輝。
3−1の担任教師。
2週間ぶりの木崎りこ君は最高だ。
小さくて担ぎやすく、嫌がる猫を転がすように弄ぶ。見た目は少女だが服を捨てればやはり女だ。
今の私は恵まれている。
ある日、木崎君は私を脅してきた。
要求は金だ。しかも今すぐ出せと。
今すぐ?
なぜそんなに焦る。
まさか。
ひょっとして?
私はカマをかけてみた。
「今は無いが数日後なら用意できる。それなら多めに出せる」
木崎君はその条件を飲んだ。
やはりか。
時の魔女が現れたのだ!
落札金は一月間は支払猶予がある。当日以外の支払いは割り増しだが。
きっと木崎君は誰かを買ったのだ。
木崎君は絶対に口を割らないが間違いない。
私は当日の支払いではなく、後日の支払いにして、時間を稼いだ。
10代の子供は簡単に私の策に落ちた。
支払いという迫る敵と私の板挟みになり、彼女は私との愛人契約を結んだ。
そして木崎りこ君は戻って来た。
半年前のことだ。
そして、ダイナマイトボディでスーパーモデル級の肉体を持つ高橋咲君も手に入れた。ここ暫くは木崎君ではなく高橋君にのめり込んだ。
このスーパーボディが欲しかったのは確かだ。彼女が売られ続けたのは訳がある。超がつく良い女だからだ。
それと、悔しがる津山の顔を見るのが楽しかった。まあ、前回よりは安かったのは良かった。
オークションの時、教室の男どもはこの女を売女だと見下していたが、若造はこの女の価値を分かって居ない。
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私は木崎りこ。
あんなに嫌だった八代先生の愛人をしている。お金のためだ。
西脇君は高かった。
七尾先生のせいだ。
いい大人が高校生の間に割って来るなんて最低。
足りないお金は八代先生を写真で脅して手に入れるつもりだったが、まんまと私は八代先生の愛人に落ちた。
今になって八代先生が私に何をしたか分かって来た。
なんで私は逆らわず八代先生にヤられっぱなしだったのか。
なんで突然目が覚めたのか。
そして『津山から助けたんだから』という言葉の意味。
もし、オークションが私に行われて居たとするならば全て辻褄が合う。
逆らえなかったのは先生が落札者だから。
突然正気になったのは対価が使い果たされたからで、頭に過ぎった【0円】という文字もわかる。
そして津山君。
先生に抱かれるのは嫌だったが、もしも津山君に落札されてたらと思うとゾッとする。先生が勝って良かったとも思う。
西脇君は入札しなかった?
先生が出した名前は津山君だけ。
私は私なりに推理した。
このお金の関係は終わりがある。
使い果たしたら相手は正気に戻る。
私は西脇君をとても大事にして居る。なくなってしまわないように。終わらないように。
西脇君とは寝て居ない。
一度途中まで進んだが、最後まではしなかった。とても綺麗な西脇君を汚してしまうような気がして。そして知らない方がいいような予感がしたのだ。
私にだって性欲はある。
それは先生ではらしている。
先生相手なら今更隠す事はない。
なんどもやって慣れてる筈なのに毎回侵食侵略されるような猛烈なゾクゾク感。
狂いそうな感覚を何度も貰って果てる。
西脇君。
途中までしかしてないが、何もクル物がなかった。
最後までいけば違うかもしれないが、やはりないかもしれない。
それを確かめるのが怖い。西脇君への感情が冷めるのが怖い。
私は西脇君を綺麗なまま大事に持っている。
お金の関係が終わらないように。
手放す気は無い。
西脇君は私の物だ。
ピロン!
スマホが光る。
先生からオッケーの返事が来た。
来週火曜日先生から誘われたけれど、その日は観たい生配信がある。
代わりに予定外だけど今日明日会ってもいいと伝えた。断るなら代わりに回数増やさないとね。今日は私もヤりたい気分だし。
最近、先生のお気に入りの高橋さん。
彼女のせいなのかは分からないけれど、私は2週間ほおっておかれた。
彼女、先生と近すぎよ。
私と先生の歴史を知らない癖に。
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私は八代光輝。
秘密の多い教師。
最近、家庭教師も始めた。
家庭教師と言っても家には行かない。
私は私なりに推理した。
この関係は落札金額の上に成り立っている。
高橋君との関係ををどうしたら長持ちさせられるだろう?
しないことが一番だ。
だがそう我慢できるものじゃない。なにせ高橋君も絶品だ。
そしてそれを独占したい。
彼女が最終的に私に惚れてくれれば簡単だ。しかし、彼女が私に惚れるだろうか?分からない。
そういえばと、思い出したことがある。
この関係が続いている間は、他の男が何故か寄ってこない。
これが時の魔女が作った強制力ならば、この期間は高橋君は俺だけのものになる。
つまり彼女はこの期間売春から解放される。
考えに考えた。
彼女から身体を貰うだけでは消費するだけだ。
ならば、知識を学力を与えよう。それに生きる統べも与えよう。
私は高橋君の個人教師を始めた。
いくら根が真面目でも荒んだ生活の高橋君の学力は高く無い。
進学するにしろ就職するにしろ、もっと上げなければならない。
父親のことはゆっくり対処しよう。毒親対策は焦ると失敗する。慎重にだ。
今の所関係は予想より大幅に長続きしている。
目論見は当たったようだ。
高橋君が売春しなくてもよくなった。なんとかこの関係を彼女が自立出来る年齢まで維持するつもりだ。
教え子の売春からの解放。それだけでも落札した価値はあった。彼女が嫌がらなければずっと一緒に居たいと考えてもみる。彼女は身体が最高なだけではなく、気立てがいい。男にとって都合のいい性格といえばそれまでだが、あの荒んだ生活の中でよく自分を見失わなかったものだ。
もう、高橋君を売り物に落とすつもりはない。
自分の事を棚に上げてそう思う私はクズだろうか?
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私は高橋咲。
最近私に先生が客としてついた。
そして何故か父親が他の客を連れてこない。お金はどうなってるの?
何かの取引が有ったのだろうか?
かといって父は働いてはいない。どうするのだろう、不思議。
なにはともあれ勉強する時間ができた。
そして客であるはずの先生が個人指導をよくしてくれる。
心から優しい客は珍しい。
いつか恩を返したい。
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僕は津山利絃。
何故だか僕は3年になってから担任になった八代が嫌いだ。担任になる前から嫌いだったような気がする。
見ているだけで殴りたくなって来るし、包丁があったなら刺してしまいたい。でもそんな勇気はない。
死ね死ね死ね死ね!
死ね死ね死ね死ね!
死ね死ね死ね死ね!
死ね死ね死ね死ね!
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