潜入
お~久しぶりです!(定期)
今回は二話連続投稿です、まあ一話あたり約二千文字なのでだからどうしたんだと言う話なんですがね
部屋に入って相手が全員入って扉を閉めたのを確認した後、私はポンとメダルを個室にあったテーブルの上に置いた。金貨に白金に骸骨とナイフの装飾がされた者で魔道具になっていてこんなものをわざわざ作る奴なんて暇人かなんかに違いないと思う。
このメダルを見せた時の彼女たちの反応が面白かった。
「……ふぐっ……っぐ…………」
「…えぇ」
何というか今の今まで我慢し続けたモノが決壊したかのような勢いで泣きだしてしまった。これには流石の私も困惑の声は隠せなかった。
「…えっと……」
「いえ、すみません……遂に私たちが恩返しするべきお方が現れてくださったのが嬉しかっただけですので」
「…???」
「…貴女はきっと覚えていないでしょうけれども、私達はこの国の現国王が人間至上主義の帝国に攻め込んで行った時、つまり貴女が王族の暗殺を行った日に私達はたまたまそこにいたという理由で助け出されました」
???……あぁ!あったなぁそんなの、あの時はビックリしたよ。だっていきなりエルフェイムが確かバナリテレ帝国だったっけ?その王族ぶっ殺してくれって依頼されたもんだから普段はゲームのロールプレイの一環として動機などの事情は調べてないー対象についての噂とかの情報はちゃんと集めているーがその時ばかりはついどうしてと聞いてしまったね、まぁ話を聞いて損したと思うくらいエルフェイムにとってはいつも通りのエルフ愛が溢れて止まらない時にエルフの迫害の情報を手に入れたからと言うものだった。
「…あぁ、あったねそんなの」
「それで私達は貴女に恩返しをしたいのです!何かやらせてください!」
「…それならまず件の貴族の情報を頂戴」
「はっ、ここに」
まるでニンジャみたいだなと微笑ましく思っていたが、私自身の十八番である短距離転移による暗殺をやらなかったらそれこそNINJAだなと思った……イヤーッ!
簡潔にまとめられていて読みやすく会社員とかならこんな感じの物も作るのかなと意味のない事を考えて見たりして情報を読み取っていった。
ついでに、エルフェイム近衛騎士団の強化のやつで気になった謎の偵察職集団の練度上昇に彼女たちを当ててみよう。話の限り暗殺業を最低でも数十年やってて死んでないんだから練度は充分なはずだし、エルフだからエルフェイムも邪険にはしないからね。勿論周り人達が監視と品定めをしてくれるはずだし大丈夫でしょ(無責任)
「…あなた達三人はこの後王城に向かって近衛騎士団の指導をしてもらう、エルフェイムも邪険にはしないし近衛の偵察職は弱すぎるしダメダメだから強化をして貰う」
「「わかりました!」」
「…たまに、いや時々私も来るから楽しみにしてて」
あからさまに喜ぶ様がまるで犬みたいで可愛らしくつい飴を出してみたけれど……これは、学園系でよくある“お姉さま”ってやつみたいじゃない??私にそんな慕われる要素ってあるぅ?
***
ひとまず、彼女らと別れてエルフェイムに話を通しておいて情報の通りに目的の屋敷に侵入していく。屋根裏の梁をつたって色んな場所を天井裏から盗み見て盗み聞いていく、牢屋だったり明らかに賄賂用のアイテムの保管庫だったりがあって真っ黒も真っ黒、なんでこの国に居るんだってくらいエルフ差別が激しい当主と息子を確認した……が情報では妹がいるとされているのだが天井裏からでは確認ができない。
屋根裏での情報収集だけで情報が集まりきらないと思っていたが特定の一人だけがどこにもいないのはおかしい、部屋に閉じこもっているとしてもやはり確認が出来るはずなのだがその痕跡すらない。家具の趣味も男性的なものがほとんどで女性的なものも全て夫人の趣味のようだ、この状態を見て嫌な予感を感じながらも私は誰もいない部屋の天井裏から降りて探索を再開した。
「…当たって欲しくなかったなぁ」
時空神の能力の訓練のために権能を使って光を捻じ曲げて姿を消して行動していたので気付かれる事なく探索出来た、天井裏からでは判らなかったことも多々あった。
賄賂部屋にはキッチリと帳簿がつけられていて取引先も書いてあったのでありがたく証拠として回収しました、後テンプレだが書斎の本棚の一部が仕掛けになっていて隠し部屋があった。
その隠し部屋に入ってみると鎖でつながれた短く尖った耳を持つ私と同じ身長の少女が一人、どう見ても情報の妹ですどうもありがとうございましたこん畜生!正直言ってまるで前世の私の妹のifみたいでいやなんだよね。この子を回収していけばニセ死神騒動も終わるしこちらの気分も何となく晴れるしイイ感じだね、そうと決まれば行動開始しようとしたら。
「どうしてここが開いてるんだ!まさかあいつか!劣等種に生まれた忌々しい愚図が!」
けたたましい叫び声をあげながら当主の息子がこちらに駆け込んできた。普通に考えて鎖でつながれた娘が隠し扉を開けることなんてできないしもっと言えば本棚の隠し扉だから絶対書斎からでしか開けられない……んだけどなぁ(呆れ)。
娘の方は誰かがいるのは分かってるぽいんだろうけれどまだ姿を隠してるから息子の方には見つかってないからちゃちゃっと昏倒させましょうかね~。
「はぁ!」
「な、なんだ!!」
「…おぉ……すごいね」
暗殺プレイをして気配を絶って気取らせないようにする事には自信があったのに動き出した瞬間どうやったのかは判らないけれど鎖から抜け出して私に殴りかかってきた。
コイツ実はプレイヤーなんじゃね?と思ってしまうくらいに綺麗に不意を突かれてしまった、不意を突かれた驚きもあって普通に声を出してしまった。
「誰だ!おい愚図!僕を守れ、僕は次期当主だぞ!何かあってはならないんだ!」
たまたま出てきた悪事の証拠も回収をして目的自体は終わっていてあのテンプレ悪役クソ坊ちゃんの事なんてどうでもいいんだけれど……彼女は面白そうだし連れて帰らないのは自分的にありえないんだけれど…面倒なことになったなぁ。
……面倒な事は脳筋で解決するに限ると思うんだ(唐突)
と言う事で姿を見せてから右手に取り出したるはポーション瓶、これを息子の方にオーバースローで投げつける。すると彼女が身を挺して庇う、ぶつかった瓶の中身が彼女にかかり中身の麻痺毒で彼女が倒れる。守る存在を失った息子はまるで昔の動く花のおもちゃの様にわたわたしていたので顔の隠せない位置にピッとナイフで傷を付ける、この国では分からないけれど貴族は顔に傷が付くことを滅茶苦茶嫌ってて付いたことがばれた日には令嬢たちの噂の種となり瞬く間に貴族間で情報共有され大変な恥になるらしい……貴族って怖いねっ。
隠せない傷に思考停止している坊ちゃんを置いて麻痺して動けない彼女を連れて王城の方に帰った
***
「…と言う経緯があったんだよ」
「なるほどそんな経緯があるなら仕方がないなってなるか!そんな理由で一人をさらってくる奴がどこにいる!」
「ここにいるね?エルフェイム?」
「やかましい!ルーチェの方もふざけてないでナハトに何か言ってくれ…」
「……お姉ちゃん飼うならちゃんとご飯あげてね?」
「何を言ってるんだ!?」
屋敷での出来事や持って帰ったものたちについて説明したら想像以上の出来事だったのかエルフェイムは荒れていた、妹の一言はネタなのかマジなのかは分からないけれど少なくともジト目であったのはわかった…………ジト目の妹も可愛い!(脳死)
時間が経って落ち着いてきた所でエルフェイムが気付いて無さそうなので彼にとっての爆弾を投下することにする。
「…彼女、多分ハーフエルフだと思うんだけれどそのせいで奴隷同然の扱いをされてたんだよね」
「………そうか……ナハト、エーヌ卿…辺境伯だったかな?その貴族は…」
「うわー……クラマスマジ切れだよ…どうすんの?お姉ちゃん?」
「…そりゃこうなったエルフェイムは止められないよ?止まらないとわかって教えたんだし」
エルフ狂いが過ぎて国を落として国王になるくらいなので私が教えなくても絶対気付く、でもって「何故教えなかったんだ!」って教えなかったら絶対言うそう絶対に。
もしそうなったら滅茶苦茶めんどくさくなるのでちゃんと教えることにしている、どう面倒くさいのかと言うとただひたすら近くでブツブツ文句を言うというものでこのタイプのめんどくささは異常である。
まあこんな風に独り言ちていたら、静かに荒ぶっていたエルフェイムが兵士を募ってエーヌ卿達を引っ張り出しに行かせてしまっていた。とりあえずさらっ……保護した少女がいると面倒になりそうなので奥の部屋に連れていくようにルーチェに頼み私は待つことにした。




