兄の回想
遅れてすいませんでした!
この話には胸糞、鬱、流血表現が少々及びに強姦未遂が一欠片ほど含まれています。
これらが苦手な方はご注意下さい。
妹に抱きつかれてから僕の意識は沈んでった。そして、そのまま深い場所で目覚めた。
目の前では男性が少年をボコボコにしている光景が写し出されいる。
その光景を見てここは僕の記憶を写し出す場所であり今の私は寝ているような状態なんだろうと推測した。
***
僕が産まれて物心がついた時から僕が見た景色には色がない。それは、両親に愛を与えられなかったからだと今でこそ思う。
父は僕を見るたびに舌打ちをしイライラし始める。そしておもむろに僕を掴んで連れていかれるのは風呂場、そこで彼は僕の頭をつかみ水の入った浴槽に突っ込み死なない程度に溺れさせる、その後母が気づいて叫び声をあげる。それを聞いた彼は忌々しげに母を睨み付け自室に籠る。これを物心が着いた頃にはされていて母はそんな僕を抱き締めて「ごめんね…ごめんね……」と繰り返し呟くだけ、そこには愛はなく悲哀と後悔の念だけがあった。
歳が上がるにつれて殴る蹴るは日常になり足首にタバコの吸殻を押し付けられたりもした。
僕が10になる頃に母は妹を産んだ。妹を産んだ結果母は衰弱死した。
僕のたった一人の母から聞いた声は僕に対して発される謝罪の言葉と醜い罵倒の中に混じる圧し殺された嬌声だけだった。
母が死んだあと奴は当たり前の様に僕に家事の一切合切を押し付け見かけだけが良い安い式場で葬式を行った時の香典や遺産を全てデリバリーヘルスなどに使っていった。
そんな状態が5年ほどたった時僕にとって衝撃的な事が起こった。妹が僕に対して「お兄ちゃん大好き」と言ってくれたのだ。
そのその言葉と表情に僕は救われた。今まで見聞きした物の何よりも心を揺さぶられる物だった。これまで僕が見た顔は忌々しげに歪んだ顔や悲哀と後悔に染まった顔、それと傷だらけの僕を気味悪そうに見てた同級生達の顔で、僕が聞いた言葉は聞くに耐えない罵倒と壊れた機械のように繰り返される謝罪、それに陰湿な陰口と強い拒絶が含まれた言葉だけで“愛”と言うモノは一片たりとも含まれていなかった。
初めて与えられた純粋な感謝と愛の言葉となにも知らないような無垢な表情。僕にはもはや毒となんら変わりがなかった、僕の脳を溶かすカナビスの様な甘い毒。
そこから僕の内部で変化が起きた、僕が見る景色に色が着いたことと色を失う恐怖つまり妹を亡くす恐怖が出来た事だ。
それから妹を守るために出来ることは全てやり通した、妹が中学生になり漸く奴から離れられると思っていた時にそれは起こった。
バイトが早くに終わり家に帰ると妹の悲鳴が聞こえてきた、ただならぬ事態に威嚇のためにバットを持ち妹の部屋に駆け出していった。
部屋に入ると衣服をビリビリに引き裂かれ奴に押し倒されている妹の姿とそんな妹に怒張したモノを押し付け様とする奴の姿が見に入った。そこからの記憶はひどく曖昧で気がつけば辺りは血の池が出来上がり僕の手はどす黒く染まっていた。
例え奴だとしても人間を殺した筈なのに何も感じないのは奴の子であるせいなのかなんなのか…。
このままだと警察に捕まってしまい妹を守れなくなるので、死体を細切れにした後フードプロセッサーでミンチにして強アルカリ洗剤を使って茶色い液体に変えて排水溝に流した。ひどい臭いだった。
暫くして証拠隠滅をした後お金になるものをひとまず探したら母の部屋の中のドレッサーが二重底になっているのに気づいた、そこの中には手紙が二通とアドレスとID、パスワードと思われるのが書かれたメモ用紙が一枚が入ってた。
手紙には妹についての謝罪と愛の言葉が書かれたのが一通、僕についての謝罪と愛の言葉さらにはメモ用紙についてが書かれていた。
……手紙じゃなくて直接“愛してる”って言って欲しかったな。
それにはメモの内容はデジタルバンクのURLとID、パスワードでありそれを二人の生活の為に使って欲しいと書かれていた。
葬式に来ていた親族などには申し訳ないが……いや、全く気にならないわ。だってあいつら遺産目当てだったし微塵もこっちを気にかけなかったし、と言うか父に関わりたくないってのが駄々漏れだったし……。
それから数年が経った頃に独居恐怖症や対人恐怖症などの恐怖症により引きこもってしまった妹が当時『新たな生活を異世界で』をコンセプトにしていたゲームに興味を持った。そう、それがNLFOだった。
僕は恐怖症が治るかもしれないと思い二人分の機器を買って始めた。ゲームの初期開始地点はある程度選べたので人気の少ない農村から始め段々と妹が人と接することに慣れる事から始めた。
三ヶ月程してやっと何回か会ったことのある相手なら普通に喋れるようになった。三ヶ月の間いろんな事があった、状態異常をばら蒔く虫型モンスターが大量発生したのにほとんどのプレイヤーも気付かず二人で間引きをしていたらいつの間にか状態異常耐性がカンストして耐性から無効になったり、何処かしら壊れた人達が集まるクラン《狂人の夜会》
このクランに所属してからは嵐のようにいろんな事が過ぎていった。クランリーダーが人間至上主義の国に戦争を仕掛けて相手国の王及び王弟を暗殺しに行く羽目になったり。それが原因で僕たちそれぞれに二つ名が与えられたり僕は一部の地域で高額の指名手配犯にされてプレイヤーに追いかけ回される羽目になったり。
……まあ、結果として暗殺者のスキルや立ち回りが軒並みよくなったから誰にも見つからなくなったんだけれど。
ある日、妹が夕飯の時間になっても降りてこなかった。VRゴーグルを着けていたのでまだNLFOをやっているのだと思いそっとしていたのだが……。僕は妹を起こすために体を揺らす、だが妹は起きない。
不安になった僕はVRゴーグルを取ろうと妹の肌に触れた時に感じたのは硬質で鋭さすら持っているかもしれ無いほど人の体温にかけ離れた冷たさであった。
その事に気づいた僕はすぐさま救急車を呼んだ、そして祈った。祈って祈って祈り続けた。妹が助かることを祈った。
しかし、祈りは届かず妹は致死性不整脈による心臓疾患で亡くなった。医者には検査した時には既に死後硬直が始まっておりもし二時間はやければ妹は助かったかもしれないと言っていた。
皮肉にもその頃は丁度ログアウトをして妹を起こそうとしてやめた時だった……。
僕は悔やんだあの時僕が妹を起こそうとして変化に気付けれたらと。僕は憎んだこの世の不条理をこの身に降り注ぐ不幸に、そして僕自身に。
それから僕は様々な死に方を探した、その時の僕はマトモな思考は不可能だったに違いない。何故なら僕のせいで死んでしまった妹と似たように死にたいと思いさらには妹は直前までNLFOをやっていたことからNLFOの世界で魂を解放したんだなどと世迷いごとを口走ってた気がする…たぶん。
そして、僕はあの場所で死んだ。※第一部死亡を参照
***
……とまあなんか前世の私の一生を見せつけられた訳だが、なにこれイジメ?転生して早々夢の中でイジメられてるの私?
そんな事を考えていると僕が此方を向いて手を振りながら浮かび上がって行くではないか。
そんな僕に私は笑いかけようとした。何故なら『もう前の事なんか気にする必要はないんだよ』と僕に言われた気がしたからだ。
いやぁ最近忙しかったりゲームが面白かったりして遅れましたごめんなさい。
この回でナハトは前世がらみでのシスコンは無くなります。
前世がらみのものを無くさないとちょっと世界の男が死滅しそうでしてね。
うーん、ほのぼのを書くつもりで始めたんですけれどドウシテコウナッタ、ほのぼのとはいったい……うごごごごご。




