表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/144

四話 奇妙丸様なんです

前話の続きからスタートです。

本日二話目の投稿なのでご注意を。



「おう、来たか奇妙丸。まぁ取り合えず座れや」


「はい、失礼いたします」



信長様はパンパンと自身の隣を叩く。

奇妙丸様は信長様の右側・・・俺は信長様と向かい合うように座っているので、俺から見ると左側に座った。


そう、俺が期待されてる、三つ目にして最大の理由がこのお方、奇妙丸様の存在だ。



奇妙丸・・・織田信忠様は信長様の長男として生まれた人物で、史実では信長様の跡継ぎとして各地を転戦し、織田家の更なる拡大を成した未来の英傑である。


本能寺の変で二条新御所にて奮戦虚しく自刃し、若くしてこの世を去ることになる信忠様だが、実は明智光秀の追手は信忠の元までは手が回ってなく、脱出しようと思えば出来たのではないかという説が、生前に読んだとあるマンガで紹介されていたな。

余り知られていないような歴史秘話まで描かれている作品であったのを今でも覚えている。アレは良かった・・・。

閑話休題。




◇◇◇




「お久しぶりでございます。奇妙丸様。私は滝川家を継ぎ、滝川一益を名乗ることとなりました。これからもよろしくお願いいたします」


「おお! 久助よ、もう元服したのか! 流石は俺の一番の家臣になる男であるな!」



俺は奇妙丸様と挨拶を交わす。

奇妙丸様は父譲りの活発さが印象に残るイケメン少年で、父を超えるのだと剣術や馬術の訓練に励む姿が微笑ましい。

学問に関しては「頭脳仕事はお前に任すぞ、久助!」とか昔言ってたが、大丈夫なんだろうか・・・。

期待されるのは嬉しいことだけどね。



「一益、お前は今12歳だったな。奇妙丸と同じ年齢なのだから、共に支え、高め合い、将来は織田の天下を二人で築いていって欲しいと願っている」


「はっ、勿論でございます」



信長様が再び俺に顔を向けて言い、俺はそれに答える。


俺は奇妙丸と同じ年の生まれということで、生まれた時から将来は奇妙丸様の家臣になる者として期待され育てられていたのだ。

ここしばらくは元服の準備のために会っていなかったが、幼い頃から共に育てられた、いわば従兄弟のような存在だった。

『信長様を継ぐ次代の英雄・奇妙丸と、稀代の天才・滝川久助が肩を並べ、天下に覇を敷く未来』に皆が期待している、これが俺に向けられる熱い期待の眼差しの一番の理由なんだ。


史実の一益はこんな立場の人物じゃないんだけどな・・・。

でも俺が描く天下取りチャートをなぞる為には寧ろ好都合な立場と言っていいだろう。


なんせ、この世界では起こるかどうかわからない本能寺の変が発生した時、信忠様に張り付いていられる可能性が高くなるんだよな。


信忠様が本能寺後に存命かどうかで、北条家の裏切りが起きる未来は大きく変わってくるんじゃないかと俺は予想している。

だからこそ、織田の為に、そして北条の為に、信忠様を何としてでも守り抜くことが俺のチャートの目標の一つになっているのだ。




〇〇〇




「そこでなんだがな? 一益よ。お前に奇妙丸が元服するまで、こやつを連れていって欲しいのだ」


「はっ・・? 奇妙丸様をですか? よろしのでしょうか」


「うむ、若き頃の俺のように、城の外で新しい世界を見せてやりたいのだ。それに、同世代のお主から刺激を受けていた方が、何かと成長に繋がるだろうよ」



ほほう・・・。

信長様は俺に対して意外な話を切り出してきた。

確かに利のある提案だ。ライバルではないが、実力や立場が近い存在が身近にいることは、なによりもの成長剤になる。

普通に考えたら、駆け出し直後の家臣に大切な跡継ぎを任せて戦地に送り出すなんて正気の沙汰ではない。

こういうことを実行に移せるのは、流石の破天荒な信長様といったもんだ。

ていうか、俺にこれだけの信頼が置かれているのが不思議だよ。うう・・・胃が痛い。



「まぁ、元服するまで戦に出るようなことはさせないから安心しろ。どうだ一益、頼めるか?」


「はっ、信長様。この一益、奇妙丸様と共に、城の外の世界を学んでいく友となりましょう」



俺は二つ返事で了承する。

つーか断れんよ。当主様の提案を無碍にして断る命知らずなんているかっての・・・。

まぁお互いに悪い話じゃないし、どちらにせよ受けますけどね。うむ。




「よし、奇妙丸。お前は今日よりしばらく、この一益に着いて共に学んで来い。俺と共に城に居るだけでは見られない世界を見てくるのだ」


「私が久助と・・・。わかりました父上! 必ず立派な跡継ぎと呼ばれる男になってきます!

一益よ、これからもよろしく頼むぞ!」



奇妙丸様は興奮した様子で俺に頭を下げた。

主君が家臣に頭を下げていいものかねぇ、と思い苦笑いしつつも、俺は「はい、よろしくお願い致します」と頷いた。

こういう律義さも奇妙丸様のいいところなんだよな。





△△△





こうして、12歳の若き武将・滝川一益は、後の織田信忠である奇妙丸と共に、居城・蟹江城へ帰って行った。




数年の後に、この二人にあと数人の同世代の若武者を加えた「新星世代」が天下に名を轟かせることになるのだが、

その物語は、ここから始まっていたのだった。





1567年、久助と奇妙丸。歴史は大きく動き出すのです。



物語の重要人物が仲間になった!


新星世代はだいたい久助や信忠と±2歳くらいの武将たちで構成していきます。

予想してみるのも面白いかもしれませんね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ