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第8話 転生特典

 さて時間変わりましてここは「知識の宝庫」の入り口。そこに俺は一人で来てます。

 レアンはどうした?…実に申し上げにくいのですが…


 俺の教師役をボイコットしました。


 今はミーシャの方に行ってる。あの時のレアンの背中は忘れられないな。ものすごく哀愁漂ってたから。

 さてさてここに来た理由はレアンの指示だ。ここにある本を読めば魔法は問題無いらしい………と言うより基礎の基礎ぐらいしか教えられないらしいから、自分で頑張れって言われた。


 ………カナシクナイヨ、ホントダヨ。


 だいたい俺は言うならば「予想外の来客」みたいなもんだし、自分で出来ることは自分でするさ。

 今はこのもあるしな。


 そんなことを思いながら俺は洞窟を抜けた。そして目当ての本を探す。


「え~っと…。確か入って右に5つ目の本棚だったか…?」


 レアンに言われた本棚に着き、本を探す。

 ……………。おっ!


「あった、あった!これだ!」


 シグナール・マクリウェル 著 『魔法の手ほどき』


 何でも暇つぶしに流し読みした結果これが一番分かりやすいらしい。

 近くにあったイスの埃を払い、座って読むことにした。




~~~~~約30分後~~~~~




「~~~~~~~~ッ!プハァ!あ~肩こった!」


 何も問題なく読み終えた。感想は確かに分かりやすかったことだな。基本的な知識は身についたと思う。

 詠唱についても分かったんだけど…。無詠唱とか出来ないのかなぁ…。

 そんなことを思っていたが出された課題はまだあるので記憶のはしっこに置く―――忘れるとも言う―――ことにした。

 出された課題は「様々な属性を使い適性を知ること」だ。念のため詠唱のルールを確認しよう。


 確か………


・最初に何の属性かを述べ、次にどのような用途かを明確にする

・属性はそれぞれ色で指定する。火は赤、水は青、風は黄色(金色でも可)、土は緑、聖は白、呪は黒

・派生に関してはそれぞれ基本属性の色を述べる

 《例》

  氷属性は水属性の派生なので使うときは『停滞する青き力』と述べるなど


 だったな。よし確認完了!早速始めるか!


「『我が求めしは……』」






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「ただいま」

「「……………」」


 何だよ。何か変なことしたか?


「ユウト、こっちの言葉を喋れる様になったのか!?」

「ん、とりあえずは。ミーシャ、ただいま」

「お、おかえり」


 やっとまともに話せた~。うん、これからは今まで話せなかったぶん色々話そう。

 そんなことを思っているとレアンに


「それで課題はどうじゃった?我の予想だと基本は『水・風』の派生『氷・音』じゃが」


 と聞かれた。それに対し俺のリアクションは


「ハァ…」


 ため息だった。


「何じゃ、間違ったか?」

「半分、いや4分の1・・・・正解。………答える前に一つ聞いても良いか?」

「何じゃ?」


 俺は一呼吸置いて課題を終えたあと感じた疑問をぶつけた。


「今まで3つ以上の適性者はいるのか?」

「…知り合いにはいないが風の噂じゃといるらしいぞ。……そう言う事か」

「………どういうこと?母さん」


 ミーシャが口を挟んできた。………どうでもいいけど「母上」とは言わないんだね。

 レアンがそれに答える。


「わざわざそんな前例を聞くとなると他の適性があったと言う事じゃ」

「ピンポーン!正解でーす!」

「おぉー!」


 そう言うことだ。たぶんだけどこれが「転生特典」だと思う。………やり過ぎ感があるけどね。


「で、いくつじゃ?派生4つか?」

「ブー!ヒントはため息をついたあとの俺の発言」

「………なんて、言ったっけ?」

「ちなみに『派生』って意味ね」


 さって、わっかっるっかな~?


「『半分、いや4分の1正解』って言ったんじゃろ。ん?4分の1・・・・………?」

「ぜんぜん、分かんない」


 ミーシャギブアップ!レアンはどうだ?


「4分の1………派生………ッ!?ま、さか…」


 気付いたようなので答えを発表する。


「系統化してる魔法は全て使えました」

「これは、予想外じゃった…」

「………すごーい?」

「何で疑問形!?」


 ………あれ?レアンは?

 見渡してみるともう寝ていた。ただし耳を澄ますと


「シクシクシク…」


 泣いていた。………うん、今日は関わるのやめておこう。そう決めて俺とミーシャは水場に行くことにした。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「マジでか…」


 着いた瞬間、口に出した言葉がこれだった。確かに昼間間違って凍らしたけどさ…。


「全然融けてないってどうなの…」

「水が、のめない…」


 ミーシャさんマジサーセン。

 このままにすると朝まで融けることがなさそうなので魔法を使うことにした。

 さて…。


「こんな感じか?『我が求めしは赤の力、赤き球体を落とし停滞したモノを動かせ』」


 詠唱が終わると凍りついた水場の真上に火球が出来て水場に落ちた。そして落ちた火球の熱により氷は水に変わった。………ここまでは良かった、言った通り出来たから。問題は


「………あったかい」

「やり過ぎた…」


 威力出し過ぎってことだな。これは慣れていくしかない、か。


「ユート」

「ん?~~~~~ッ!?何で生まれたままの姿になってんの!?」

「……?」


 首を傾げられても困るっての!俺が!!

 そう思い注意する。


「何でシッポがあるときは恥ずかしがって、今の格好を恥ずかしがらない!」

「あれは、ちゃんと人化ができてなかった、から。あとオオカミなら、いつもこの、かっこう」


 レアン…。人間の常識ぐらい教えろよ…。

 俺は今までの中で切実にそう思った。その間にミーシャはお湯と化した水場に入って行った。……言い忘れたがこの水場、そこそこ深く広い。学校のプールぐらいはあると思う。


「ユート」

「………なんさ?」

「気持ちいい、よ。ありがとう」


 この時俺は今までの愚痴みたいな思いは消えてしまった。なぜなら



 初めて見たミーシャの笑顔に見惚れてしまったから。

フラグが立った!フラグが立った!



次回はある程度時間が飛びます。

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