第6話 自己紹介
「知識の宝庫」から帰って来ると俺が会いたかった人物がいた。
『むっ、「ミーシャ」帰ってたのか』
『……うん、おかえり』
『あぁ、ただいま』
「さてユウト、我の娘『ミーシャ』じゃ。よろしく頼むぞ」
レアンの娘「ミーシャ」だ。さすが娘と言うかレアンと良く似ていた。………二点を除いて。
「……………」
「……………」
「ん?どうした、二人とも………」
『ってミーシャ?』
ミーシャは顔を真っ赤にさせてどっかに行ってしまった。ちなみに俺が黙っていたのは彼女の容姿のせいだった。
だってさ耳と尻尾が生えてたんだぜ。さらに言えば耳は頭頂部にあって俗に言う「犬耳」だし…。
「ユウト、何時まで固まっておる」
「うん?……あ、あぁ悪い。あとそろそろ降ろして」
「ほれ」
「ん…。サンキュー」
俺は降ろしてもらい、いつも寝ている場所に腰を下ろした。
「本当に大丈夫か?ユウト」
「ああ…、問題無い。あとちょっと聞いてくれるか?」
「何じゃ?」
「瞳のことについて分かったかもしれない」
そう言って運ばれている間に考察していたことを話すことにした。
まずこの瞳に変わって気付いたことは俺が理解できる言語である「日本語」になっていること。これは未知の言語にも対応していた。
ここから瞳を通した情報は俺にとって理解できるように直されることが推測できる。
さらにこれはまだ言ってないことだが、あの禁書を見たときに頭の中に情報が入って来たのだ。アレは本の概要だったはず。………とは言ってもかなり表面的な情報だけだったが。深くまで知ろうとすると俺の脳が限界を知らせるために頭痛が発生するんだろう、きっと。
ここから分かることは集中して視たモノの情報を知ることが出来る。……ただ限界があるみたいだけど。
そしてこの二つを合わせて考えると…。
「その瞳は「解析・分析」能力を持っていると…」
「たぶんね…。その証拠にあの本がどんな物か分かったし」
「教えて貰って良いか?」
「良いよ、あれは「災厄招来」ってヤツらしい。…けど読むには資格があってその資格がこの瞳を持つことらしい。どうもこの瞳を通さないと理解できる読み物じゃないらしいから」
「…『触らぬ神に祟りなし』じゃったか?」
「…俺にとっちゃ『怪我の功名』だけどな」
その後これからのことについて日が傾くくらいまで話していた。………んだが。
「……遅いな」
「…娘さんのこと?」
「すまんがちっと探して来てくれんかのぅ」
「…俺が?この森についてあまり知らない俺が?」
「それは大丈夫じゃ。たぶん近くに、そして主も知っておる場所におる」
「……なら分かった。探してみる」
そう言って探しに行くことにした。決して逆らえないわけじゃないからな!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「……さてどうしたもんか」
俺が知ってる場所なんて「知識の宝庫」と水場ぐらいのもんだぞ。それも正反対の方向にあるし…。
楽して探すにはどうすれば良いかな…。今使えるのはこの瞳だけ………あ!
「そうだ、見分けることが出来れば見つかるんじゃ!」
そしたらさっ、そく……。………どうやって使うんだ?禁書の時はどうしたんだっけ?………確か「集中」して視てたような。…集中?もしかして…
俺は集中して周りを見渡す。頭の中に情報が入り込んでくるがうまくいかない。ただし間違ってはいないようだった。
探すものを明確にしてみよう。確か……頭頂部にあるピンと立った耳……毛並みの良さそうな白い尻尾……レアンと同じ銀の髪……。
それらをイメージし集中して探してみる。………あった!水場の方向だ!
「よし、行こう」
俺は水場に向かって歩いて行った。
「…お、いたいた」
しばらく歩いて問題無く見つけることが出来た。出来たのだが…。
…なんて話しかけよう?
初歩の初歩でつまづいていた。
初めまして?間違ってはないけど…。
レアンが心配してるよ?これも間違ってはないけど…。
何で俺を避けるの?………これは違う気がする。
………悩んでも仕方ないので話しかけることにした。
「こんばんは」
「!」
タタタタタタタタッ
なぜか距離を取られた。……少し凹んだがここで近づくとさらに距離を取るだろうから腰を下ろしてじっと待つ。すると少しずつだけど近づいてきて最終的に俺の前まで来た。
「俺は南海優人、ユウトが名前な」
「………わたしは、ミーシャ、です」
俺はしっかりと、ミーシャは口下手な感じで。
俺らは互いに自己紹介をした。




