第24話 性別…?
明けましておめでとうございます!
俺とリアべルは扉の前に来ていた。
「さてと、どうやって出るかなぁ…」
「…悩んでいる『振り』、ですね?」
「まね~」
とりあえず外に出て、それから契約などの話をすることになった。ここじゃ魔法は使えないし、な。
あぁそれと、どうも話を聞く限りだと俺が切った鎖が封印の役割をしていたらしい。なので外に出ることが出来ますよっと。まぁダメでも切り札使って何とかしたけどね。理由?こんなとこに長時間いたら病気になるって!
そんなことを考えている間にリアべルはドアノブを回す。
「………微動だにしませんね」
「まぁぶっ壊せば良いだろ」
「その様な事が御出来に?」
「まぁ、ね」
俺はそう言って錠を壊した時に使ったナイフを取り出す。そしてそのナイフの刃を蝶番に当て、力を入れる。反対側も同じようにする。最後に扉を蹴飛ばすと…。
ギイイイィィィ………バタンッ!!
「うしっ!開いた!」
「『魔道具』ですか…。此処まで出来栄えが良いのは初めてお目にかかりました」
「いや~結構壊れやすいナイフだよ、コレ」
「鉄を切ることが御出来になるだけでも良い出来栄えですよ、『御主人様』」
最後の単語を聞いた瞬間、俺の動きが止まった。
イマ、ナントオッシャイマシタ?
「ギギギッ!」と擬音が聞こえそうな感じでリアべルの方を向く。
「何でしょうか『御主人様』?」
「俺、いつお前の主になったんだ?」
「私を救っていただいた時に」
思わず頭を抱えてしまった。喜ぶべきなのだろうか、この状況は…。
とりあえず…。
「『御主人様』はやめてくれ、リアべル」
「私の事は『リアべル』では無く、『ベル』と御呼びください」
「分かったから『御主人様』はやめてくれ、ベル」
「承知いたしました。では何と御呼びすれば?」
「普通に名前で」
「では『ユウト様』と」
「……………」
この辺が妥協点だろう。これ以上言っても聞かなそうだし…。
そう思い、これ以上何も言わなかった。「主従関係」については。
「じゃあさ、命令っつーか、頼みっつーか…」
「何でしょう?」
「仮面取ってくれ」
「…はい」
俺がそう言うとベルは少しためらったあと仮面を取る。その顔は………。
「男の娘!?」
「その言葉の意味は存じ上げませんが、ユウト様はどうお考えで?」
「…どういう意味?」
「率直な思いをお伺いたいのです」
俺はその問いに素直に答えた。
「かわいい、んじゃないの?顔の造形は整ってるし」
「そう、ですか。…有難う御座います」
………なんか地雷を踏んだ気がする。
即座にフォローに入る。
「でも俺からしたら羨ましいけどな。こんな顔だし」
「そうですか?私としては雄々しく羨ましい限りですが…」
「そうかぁ?」
「そうですよ」
そんなことを話しながら俺たちは階段を上って行った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「クシュンッ!さ、寒いですね…」
「その身なりじゃあなぁ…」
外に出て最初の会話はこれだった。俺はちゃんと着込んでいるからまだ良いが…。
「服、持ち込むの忘れてたな…」
「……………」
「そんな目で見なくても大丈夫だから。必要な物を買って町を出よう」
俺はそう言って歩き出す。それに合わせるようにベルも付いて来る。
「ところでさ」
「何でしょう?」
「失礼を承知で聞くが、お前性別は?」
………いや、だってさ!なんかたまに女性っぽいんだよ!最たる例としてさっきの目!なんかすんげぇ女ぽかったぞ!
言い訳っぽいことを考えている俺に対する答えは
「ユウト様はどうお考えですか?」
「おい、何だその笑みは!?」
「先を急ぎましょう」
「答えになってないぞ!」
………「不明」だった。
こりゃ、答えてくれそうにない、なぁ…。
俺は急ぎ足でベルを追いかけ始めた。
―――――買い物終了後―――――
「ユウト様、気付いてますか?」
「何に?」
俺はそう聞くと小声で教えてくれた。ちなみに購入した物は白のマント(防寒仕様)の他に、食料やベルの衣服などだ。
まぁしばらくは大丈夫だろう。………さて何がどうしたんだ?
(追手がいます)
(ウッソ!?)
(振り向かないで下さい)
(お、おう)
追手、か。気が付かなかったな…。さてどうしたもんか…。
考えにふけっている俺をベルは呼んだ。
(ユウト様、右に曲がりましょう。その後は私が何とかします)
(了解)
ベルはかなり自信ありげに言ったのを見て、任せることにした。そして右に曲がった瞬間!
「ッ!」
とんでもない力に引っ張られて、いつの間にか建物の上にいた。
えー…っと、俺何でここに?それに悲鳴も聞こえるし…。
「無礼をお許しください、ユウト様」
「か、構わないんだけど…。何したの?」
「罠を仕掛けました」
「あの短時間で!?」
「ええ」
と、とんでもねぇー…。
呆然としている俺にベルは話しかける。
「早く町を出ましょう!」
「そ、そうだな。ハ、ハハ…」
拝啓、ミーシャ様、刀華様
俺は恐ろしく有能な執事を得てしまったようです。
これからもよろしくです!




