第11話 運命の日‐Ⅲ
俺は走る、騎士の元へ。アイツラの目的を止めるために、ミーシャのために。
「これは、キツイ、なッ!もう少し、身体を動かして、おくべき、だったか!?」
今更後悔しても遅いが本気でそう思った。俺は後方火力型だからあんまり動かないんだよ…。
そんなことを愚痴っていると
「やっと着いたか…」
「何者だ!?」
騎士たちの元に着いた。合流した場所が移動していることを考えると俺たちを追っていたかこの森から出ようとしていたと言うことだろう。
「俺は…まぁさっきのヤツの仲間ってところだ」
「そうか。…さっきの少女を此方に渡せ。彼女は『殺害』・『教会への反逆』の罪がある」
「渡す前にいくつか質問して良いか」
渡すことはもちろんウソだ。それに質問と言うより確認の意味合いの方が強い。
「…手短にしろ」
「んじゃ最初に、この森に来た理由は?」
「…管理している森を見に来るのがおかしいか?」
はい、さっそくダウト。初っ端からウソで始めるか普通…。
「くだらないウソ言うな。お前らの目的はこの森を一部を更地にすることだろ」
「なっ!?」
「そしてその土地に町を築くこと。そうだろ」
「……………」
「沈黙は肯定を捉えるけど?」
それでも騎士たちは黙っている。これで裏が取れたな。となると…。
俺は質問と言う確認を続ける。
「最後に、何でレアンを殺した?」
「……………」
「黙ってても無駄だぞ~。『人間の敵だから』だろ?反論あるなら聞くけど?」
「……………」
騎士たちはまたも沈黙した。しかも若干顔色が悪くなってる。
………まぁ当然かもな。知らないはずの人間にズバズバ言い当てられたらな。
そんなことを考えていると
「…何が目的だ」
と聞かれた。答える義理はないけど、いつの間にか口が開いていた。
「二つほど、一つはお前らの目的の確認。そしてもう一つは」
ここでもう一呼吸おいて答える。
「『ミーシャの戦いの引き継ぎ』ってところだな」
「……その言葉は『此方への敵対』と見るが?」
「そう言ってんだよ。ついでにミーシャを渡す気は無い」
「そうか。なら『罪人への加担』として処分する!」
騎士たちは剣を抜く。それに合わせて俺は詠唱を開始する。
「『我が求めしは侵食する青の力』」
「ッ!?魔法だと!?」
騎士の一人は俺に向かって駆ける。…が俺の元にたどり着く前に
「『青は地に染み込み腐らせる』」
「ぐおふっ!」
脚をぬかるみにはめ、前のめりに転んだ。もちろん俺が仕組んだことだ。…だが
「セイッ!」
「ぐああ!!」
もう一人の騎士に斬られた。瞬間的に後ろに下がったおかげで傷は浅いと思う。だけど
「痛ってぇ!!」
痛いものは痛い。いくらある程度経験を積んでも「白黒ワールド」では痛みを軽減するように設定してあるからだ。痛みで足を止めかけそうになるが無理矢理下がる。そしてたった一言。
「『リピート』!」
と言った。その結果
「ぬっ!?」
俺を斬った騎士は膝下ぐらいまで沈んでいた。イテテテ…。
「何をした!?」
「教えると思うか?『我が求めしは停滞する青の力』」
傷口から血が流れる。服ごと斬られたから何とかして直さないとな…。
戦っている最中なのにそんなことを考える。これが余裕なのか、違うのかは俺自身分からない。
「『霧よ、我が敵の元に集まり力の礎となれ』」
「霧が濃くなっていく!?」
「身体が、動かない!?」
俺は霧の外に出る。そして
「サヨナラだ。『冷たき力は礎を使い、久遠の眠りを与える』」
詠唱を終えた瞬間、霧は氷塊と化し、中にいた騎士たちの命を奪った。




