↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

ここはなにかが欠けている

攻めの前傾姿勢

作者: 浮月重月
掲載日:2026/09/16

9/17追記

ここ最近、ロドくんは何人もの女の子と会っていたらしい。

あたしの知らない間に。あたしの知らない人と。あちこちで。


いやいいけど。ロドくんはあくまでししょーの知り合いであって、

あたしは、そのししょーの教え子というだけだし。


ししょーの口利きで、少し一緒に冒険者活動をしているだけだし。

同い年の知り合いってだけだし。…なんかちょっと悔しい。


色々考えながら、定期的な薬草納品で冒険者組合の建物へ入る。


あ。

あの子達は確かロドくんと同じ孤児院の妹分だっけ?

ハーフエルフの女の子達がいる。冒険者もやってるんだったっけ。

向こうもこっちに気づいて寄ってきた。


「こんにちはです、ラーモさん」


「こんにちは、えーと…マヘンタちゃんとアズールちゃん?」


「あはは、残念。アマリリオとヴェルデでした」


やっぱり全然区別がつかない。ロドくんはなんで区別が付くの?


彼女達、ロドくんの妹分のハーフエルフはなんと十二人もいる。

年齢は全員、あたしやロドくんより半年下の十一歳のはず。

みんな王立中央学院の学生で、一代騎士になっているらしい。

体内魔素の多いハーフエルフらしく、戦闘は魔術中心みたい。


あたしには、いや他の人達にもらしいけど全く区別がつかない。

背丈も顔つきも表情も同じに見えるし、声も同じに聞こえる。

せめて髪型が違えばまだ助かるんだけど、みんな揃えている。

でも十二つ子?というのかな、でもないのだそうな。


彼女達いわく合わせているのは「わざと」やっているらしい。

ロドくん以外に誰が誰なのかを見分けられても嫌だし、と。

この子達も絶対ロドくん大好きなんだろうなあ。


そう言えば知ってるのかな?女の子達と会っていたのは。


「折角なので、ちょっとお話しませんか?」


あ、話を聞きたいと思っていたら先に言われてしまった。



薬草を納品したあと、冒険者組合の食堂へ彼女達と一緒に入る。

早速女の子達と会っていた事を知っているか確認してみたら、


「ああ、王国から頼まれたっていうアレですよね…」


との答えが返ってきた。二人とも諦めたような顔をしている。

会っていたのは知ってたみたいだけど、不満ではあるんだなあ。


「まあ依頼元考えたら仕方ないのは分かるんですけどね。

 何せ王国内務局と財務局の合同特別調査依頼らしいので。


 ただ、なんでよりによって若い女の子ばっかりなのかなあと。

 そこはこちらでも問い詰めたんですけど、偶然だとか」


すごく不満だったみたいだ。そうだよ、なんで女の子だけなの。


「ロドにいは学院でも妙に女の子達と縁があるんです。

 なのでどうも気が気じゃなくてですね。


 あたし達みんな、卒業したらロド兄と結婚するじゃないですか?

 これだけ未来の奥さんいて、まだ足りないのかよーって」


うんうん。うん?みんな結婚?あたし達?十二人と?


「え、結婚?」


思わず声に出てしまった。


「ああ、ロド兄はまだこれ知らないんですけどね。

 あたし達十二人と、同期の先輩方二人と、卒業生二人と、

 今のところその十六人で奥さん未来会議してるんです。


 王国って貴族の一夫多妻が普通な国じゃないですか。

 で、ロド兄も男爵だから奥さん大勢いてもおかしくないし。

 だったら割り切ってみんなで結婚しちゃおうよ、って話で。

 それで新居どこにしようかとか、子供何人作ろうかとか、

 将来について語り合っているんですよ。


 で、ラーモさんも仲良いし多分加入するのかなーと思って。

 それを確認したかったんですよ」


なんだかすごい話が持ち上がっているんだけど。

ロドくん本当に学院内で女の子達となにやってるの?


確かに上位貴族の人は一夫多妻とかその逆とかも多いと聞いた。

ロドくんは男爵だけど上位貴族と同じぐらいのお金持ちらしいし。

だから奥さんが多くても暮らしは別に大丈夫なんだろうけど、

でも政略結婚でなくて恋愛寄りみたいなんだけど。


というか、もうそれでいいの?いいのかな?いいかも?



この時あたしは雰囲気に呑まれて考えが麻痺していたんだと思う。

話はどんどん進んでなし崩しに奥さん未来会議に加入していた。


集まった中には上級貴族のお嬢様達もいて、御自身達も爵位持ち。

表向きは将来有望なので政略結婚、という形で縁を結ぶそうだ。

全員凄い美人だけど「何言ってるの、貴女は綺麗よ」と言われる。


敵視されるかと思ったら皆さんに自然に受け入れられてしまった。

奪い合いをするよりも中に取り込んで収めるのが上級貴族、とか。

ただし王国で愛人はダメ、全員婚姻まで結ばないとと力説され、

「閨教育」という夜の生活の作法とかもあれこれ教えてもらう。


奥さん目指すなら、今後ロドくんにもっと接近しておくようにと、

彼女達からたくさん助言を受けて、籠絡作戦も色々授けられた。

折角の強力な武器があるんだから徹底的に活用しなさい、とも。


よし、ここからは攻めの姿勢だ!卒業までにロドくん陥落させる!

「むきむきの不向き」と「もっとかまえの構え」の行間。

打って出始めたのはこのせい。本人不在で全方位作戦が進行中。

言い出しっぺは大公令嬢。推進したのは公爵家令嬢。

色恋で争い合う位なら一夫多妻容認、が上級貴族の考え方。


ラーモは都市国家同盟出身なので、学院編入は出来ません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。