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『九本の白プレスマン』

作者: 成城速記部
掲載日:2026/07/29

 武蔵国の川越というところに、大きなお寺がありました。何百年も生きていると言われる白狐が住み着いていて、いろいろなものに化けるのですが、誰もこの白狐が化けていることを見破れないのでした。

 ところが、何とかいう和尚が、初めて、白狐の術を見破り、恥じ入った白狐は、寺を去ることになりました。白狐は、お別れに、お釈迦様の姿をお目にかけましょうと申し出、和尚は見せてもらうことにしました。白狐は、この術は、大変な術なので、私がよいと言うまで、一切声を出してはなりません、と念を押してから術を始め、絵でしか見たことがないお釈迦様が、目の前にあらわれた感動で、うっかり、南無釈迦牟尼仏、と唱えてしまいました。お釈迦様は悲しそうな表情になって崩れ落ちたかと思うと、大きな九尾の白狐の死骸が横たわっていました。

 和尚は、申しわけないことをしたと思い、九本の白プレスマンを御神体に、境内にお稲荷さんを祭ったということです。



教訓:お稲荷さんの狐は、確かに白狐である。

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