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31.ハステンボスにて

 

 『ホテル日航ハウステンボス』の宿泊から一夜明け、長崎旅行2日目の朝を迎える。

 今日は、日本一広いテーマパークと言われているハウステンボスの散策と撮影という日程だ。


 早速、ベッドから起き上がり、ホテルで用意された朝食を食べに食事会場へと向かう。


「おはようございます。ハルさん。」

 あすかさんが手を振っている。その隣で樹里さんがうんうんと頷く。

 その言葉に反応し皆の元へ。


「ふふふっ、おはよう。」

 皆と合流して、咲姉ちゃんがニコニコと笑いながら挨拶をした。


「おはようございます。」

 僕も皆にそう返す。


 挨拶の仕方も三者三様。お互いの性格を理解し合い、今日もみんな元気であることを確認して、朝食会場へと向かう。


 朝食はバイキング形式のビュッフェという場合が多い。

 早速、お盆を持って好きな料理を取りに行く僕たち。


 まず最初の選択は和食をメインにするか、洋食をメインにするかで別れるが。

 ここはご飯とみそ汁メインの和食を選択する僕。


 和食メインだと、大体、地元の料理が味わえる場合が多い。

 長崎は地元の何という意味の言葉を、“じげもん”というらしいが、そのじげもんの料理が並べられた大きな皿から、少しずつ自分の割り当ての皿に料理を取っていく僕。


 エソ天や炊き込みご飯、更にはあごだしを使った海苔と卵蒸し。どれも地元の恵みで美味しそうだ。


 そして、僕の後にはあすかさん、樹里さん、そして、咲姉ちゃんが並んで続く。


「ふふふっ、やっぱりマー君について行って、正解ね。」

 咲姉ちゃんがニコニコと笑う。

「そうですね。地元の食材、ここでしか食べられないものとか、分かっていらっしゃるので。」

 樹里さんが相槌を打って笑っている。

「さあ。お腹いっぱい食べて、今日も楽しみましょう!!」

 あすかさんもニコニコと笑っていた。


 そうして、長崎のじげもん食材を堪能した僕たち。

 どれも美味しく、これぞ九州というそんな味だ。エソ天の歯ごたえ、炊き込みご飯の香り。それらを一通り楽しみ、いよいよ、ハウステンボスの中へと向かう。


 ハウステンボス。日本一広いテーマパークが売りの場所。

 早速、入国のゲートをくぐり、ハウステンボスの中へ。


「すごい。」

「素敵な場所。」

 樹里さん、あすかさんが目を丸くしながら驚く。

「ふふふっ、異世界に来たって感じね。」

 咲姉ちゃんもうんうんと頷きながら笑っている。

「そうだね。異世界だね。」

 僕もニコニコと笑って応える。


「はい。いつもやってるネトゲもそんな感じの場所が多いです。」

「そうだね。」

 樹里さんとあすかさんがさらに頷く。


 確かにそうだ。僕たちが普段プレイしているネトゲもこんな感じの場所が多い。



 大きなレンガ造りのお洒落な建物が僕たちを出迎える。そして、その周りを色とりどりの花々たちが出迎える。

 ナイトプールに行くため、昨日もこの場所を通ったのだが、やはり朝の光が差し込んだ建造物はとても綺麗だ。昨日は夕方に近い時刻から入ったため、少し薄暗く、また、プールを使用していたため、ゆっくり見れる余裕はなかった僕たち。


「今日は、園内を楽しみましょう。ぐるっとゆっくり、一周してね。」

 咲姉ちゃんが笑っている。


 その言葉に頷きながら、園内をくまなく見る僕たち。

 ヨーロッパは勿論、どこか、ファンタジーの世界にでも入り込んだような、そんな場所の出迎えを受けながら、僕たちは園内の奥へ奥へと進んで行く。


 少し開けた場所を通り過ぎ、園内のアムステルダムシティという場所へ。

「さてと、とりあえず、向かわないといけない場所へ行きましょう。」

 僕はそう言いながら、園内マップを見る。

 皆も頷き、僕の後を付いて来る。


 そうして、たどり着いたお目当ての場所。

「ここだね。」

 僕の言葉に皆は頷き、その場所の中に入っていく。


「いらっしゃいませ、お待ちしておりました。」

 係りの人が優しく出迎えてくれる。


 ここでは、様々な衣装に着替えて、写真撮影と園内散策が出来るそんな場所だ。

 しかも予約不要で衣装がレンタルできる場合が多く、写真撮影をして園内を回るならば絶好の施設だ。


 今回はグラビアと旅行雑誌の撮影も兼ねているため、予め宮川さんと僕の方で電話をしていたのでスムーズに案内してくれた。


「お会いできてうれしいです。糸崎あすかさん。」

 係りの人はニコニコとあすかさんの方を見て頭を下げる。


「こちらこそ、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

 あすかさんは、それに連れて、深々と頭を下げて返事をする。


「「「よろしくお願いします。」」」

 僕、樹里さん、咲姉ちゃんも頭を下げて挨拶をした。


 そうして、係の人に案内され、先ずは施設内での撮影。

 最初に出されたのは、お姫様が着るような高級そうなドレス。


 着る前の段階でもわかる。本当にこの衣装はまさに高級そうで、更にお洒落だということを。中世ヨーロッパの一国の姫が着ているそんな衣装だった。


 早速、更衣室に案内され、お姫様の衣装に着替える、あすかさん、樹里さん、そして、咲姉ちゃんの三人。


 そして待つこと数分。


「お待たせしました。」

 あすかさんの声とともに、衣装を着た三人が僕たちの元へ。


「すごい‥‥。」

 その姿を見て思わず息をのむ僕。


 純白のお姫様の衣装を着たあすかさん。ピンク色の花柄スカートのドレスを着た咲姉ちゃん。そして、咲姉ちゃんと色違いで黄色の花柄スカートのドレスを着た樹里さんの姿。

 そして、それぞれ三人の頭の上には可愛らしい、お花の冠が乗せられている。


 三人のお姫様に囲まれながら早速、用意されたフォトスタジオへと向かう。


「ふふふっ、可愛く撮ってね。王子様。」

 咲姉ちゃんがニコニコと笑う。その言葉にドキッとして癒されつつも、真剣にカメラを向ける僕。


「よろしくお願いします。ハルさん。」

 あすかさんが真剣な顔で頷く。

 流石はグラビアアイドル。撮影となると、真剣な表情で撮影に臨み、パパっと素早く行動できるようだ。


「はい。でも、私も凄く楽しいです。」

 樹里さんの言葉に反応しながら、真剣な表情をするも、内心どこか楽しそうなのが樹里さんだ。この衣装を着てワクワクしたのだろう。


 皆のドレス姿をカメラに収める僕。


 そうして、スタジオ内の撮影を終え、外に出て撮影をする僕たち。


 傍にある、教会の大聖堂をモチーフにした建物と、そこにある花々たちを背景に写真を撮っていく。


 王宮の庭、王都の街を散歩するお姫様にそっくりだ。

 そんなお姫様たちを、一枚一枚、写真に収めて行く僕。


 先ずは立って、全身を写し、その後しゃがんでもらい、草花を愛でる様子だったり、そして、大きな大聖堂を背景に写真を撮る。


 そうして、今度は僕が反対方向へ移動し、撮影の背景の向きを変える。

 向きを変えると今度は。


「ふふふっ、すごいわね。大きな塔。」

「本当ですね。いちばんハウステンボスで高い建物かもしれません。」

 咲姉ちゃんと樹里さんが目を丸くして、高くそびえ立つ塔を見上げる。


 ドムトールンと呼ばれる建物。これも教会の鐘楼をモデルとした建物らしい。ヨーロッパの世界で、教会の鐘楼は町の象徴だ。本家オランダにもこういった建物がかなり多く残っており、中世の時代、長い歳月をかけて建設されたものだという。


 そのドムトールンを背景にして、お姫様たちの写真を撮っていく。

 こうして、一着目の写真撮影を終え、続いて二着目の衣装を着替えるために、一度、貸衣装の場所へ戻る。


 戻ると早速、係の人に案内され二着目の衣装が手渡され、着替えを行っていく、あすかさん、樹里さん、咲姉ちゃんの三人。


 待つこと数分。

「ふふふっ、お待たせ。」

 咲姉ちゃんの声とともに、着替えを終えた三人が出てくる。二着目の衣装はオランダの民族衣装。それぞれ、頭に白のスカーフを付けて、樹里さんは青、咲姉ちゃんは黄色、そして、あすかさんはピンクの服を着て、それぞれ縦じまのスカートを履き、その上から白いエプロン、前掛けのようなもので、スカートの前方を覆っているものだ。


 本当に、この衣装もヨーロッパの農家で働いている美少女をイメージする。

 名作、『フランダースの犬』に出てくる、アロアが着ているような衣装とよく似ている。あれもオランダの隣国、ベルギーが舞台のお話だ。


 物語の最高のクライマックス、アントワープはベルギーの北部であり、すぐ傍にはオランダとの国境がある。


「ふふふっ、畑で作業をしているみたい。」

 咲姉ちゃんがニコニコと笑っている。

「はい。素敵です。」

 樹里さんも笑っている。


「皆さん可愛いです。」

 僕が素直に感想を言う。


「ありがとう。アロアちゃんみたいだね。フランダースの犬の。」

 僕と同じような感想を言う、あすかさん。


「ああ。僕もそう思いました。オランダの隣国、ベルギーのお話でから。」

 僕がそう言うと。係の人も感心したように、僕が思ったことと同じことを言う。


「そうですね。よくご存じで。物語の舞台、ベルギーのアントワープ郊外は、オランダとの国境近くにあります。ほぼ、オランダと言ってもいいくらいですね。だから、こうして、アロアと同じような衣装を着ている人が多いのだと思います。」

 係りの人はニコニコと笑う。


「そういう事なので、是非、風車のある場所へ行って、撮影を楽しんできてくださいね。」

 係りの人に見送られながら、僕たちは再び、元来た道をたどり、テーマパークの入り口の方へ。


 フラワーロードと呼ばれる、草花と風車に囲まれた場所へ向かう。

 広々とした西洋のテーマパーク、西洋風の民族衣装で出かけると、やはり新鮮であり、その場所に溶け込むような感じがする。


「うわぁ~。」

「素敵!!」

「綺麗!!」

 広いテーマパークを歩くこと十分ほどで、フラワーロードに到着する僕たち。

 早速、民族衣装に身を包んだ、あすかさん、樹里さん、そして、咲姉ちゃんがその場所を見た途端、目の色をキラキラさせていた。


 夏の花であるヒマワリが丁寧に植えられ、更にそのヒマワリの周りを風車が雄大に佇んでいる。


 風車。迫力があって素晴らしいが実際は風の力を利用して水を汲むのが目的だ。

 ハウステンボスのモデル、オランダという国は干拓地がほとんどだ。低い土地に流れ込む水を風車で汲み、高い場所へと水を放出する。これが第一の目的。さらには、その風車の力を使いつつ、粉を挽いたりすることもできるのだ。


 日本では水車を回して石臼で粉を挽いたり、餅をついたりすることが出来る、それとほぼ同じ仕組みである。


 故にこのハウステンボスの風車も、水辺に建てられていた。


「干拓地の洪水対策ですね。オランダという国は土地が低いから。」

 僕の言葉にうんうんと頷く樹里さん。

「そうですね。この風車のお陰で、農業が飛躍的に向上したりしました。」

 樹里さんは、あすかさんと咲姉ちゃんにそう説明する。


「二人とも流石ね。」

 あすかさんがうんうんと頷いている。

「うんうん。よくできました。」

 咲姉ちゃんもニコニコと笑っている。


 そうして、早速、ヒマワリと風車をバックに、民族衣装に身を包んだヒロインたちの写真撮影を行う。

 本当に絵になる光景。旅行雑誌も、そしてグラビアの雑誌とDVDもかなり評判の良いものが出来上がりそうだ。


 撮った写真を確認しながら、次のポーズ、その次のポーズを指示する僕。

 僕に指示に応じながら、次々とポーズを決めていくあすかさん。そのあすかさんに同行する機会が増えたためか、樹里さんと咲姉ちゃんも、どんどん撮影のポーズがスムーズに行えるようになっていた。しかしながら、樹里さんの方は一人で写真に写るということは、未だに慣れていない、そんな感じがしていた。


 そうして、一通りの写真撮影を終え、フラワーロードに咲くヒマワリ、そして、風車をゆっくり見て満喫する僕たち。


「本当に綺麗。来てよかった。」

 うっとりする咲姉ちゃん。

 そんな姿も、逃さずに写真に収めて行く僕。それに気づき、少し恥ずかしそうな顔をする咲姉ちゃん。


「あっ、見て。見て。」

 あすかさんが楽しそうに指さす。その指さした方向に目をやると、水辺の運河を横切る船。

 おしゃれなクルージングを楽しむ船のようだ。


「凄い。船もお洒落。」

 僕がそう言うと、皆もうんうんと頷いている。


「この撮影が終わったら乗れるかな?」

 あすかさんがニコニコと笑っている。

「そうですね。乗れるといいですね。」

 僕がそう言うと、皆もうんうんと頷いていた。


 そうして、レンタル衣装の返却時間が近づいたため、フラワーロードを堪能しながら再び写真撮影の貸衣装の施設へ。

 係りの人にお礼を言って、ここからはハウステンボスの中を楽しむことに。


 先ほどの船の話を聞くと、すぐ傍の場所から乗れるということなので、早速乗り場に移動する僕たち。

 なんとその乗り場が、ハウステンボスのいちばん高い塔の傍にあるという。

 改めて、その塔を近くで見上げる僕たち。


「すごい。」

 思わずため息をつく樹里さん。やはり本物を見ると、目を丸くしさらに興味津々な顔になる。

「本当、近くで見ると迫力があるね。」

 あすかさんもうんうんと頷きながら、上を見上げる。

「凄いわね。来てよかった。」

 咲姉ちゃんも同じような表情をして、上を見上げる。僕もタワーのてっぺんのその先までずっと見ていたかった。


 それを見上げながら、船が着くと思われる桟橋へとたどり着く。

 船。カナルクルーザと呼ばれる乗り物で、運河に沿って園内を一周するものだそう。


 待つこと数分。船がやって来て、並んでいた人の順で案内される。

 夏休み期間といっても、今日は平日。スムーズに乗ることができ、早速、船で運河に沿って園内を一周する。


 先ずは自然に囲まれた運河の景色を見る。

 ヨーロッパの田園地帯の再現だ。そうして、船は、先ほどのフラワーロードに到達する。


「ヨーロッパの自然、農家の良い風景ね。」

 咲姉ちゃんがうんうんと頷き、船の窓からそれを見ている。


 運河から見る風車は、どこか異国情緒をにおわせるものだった。


 そうして、船の旅も後半。

 後半はアムステルダムの街並みを再現した建物群を縫うように走っていく。


 うん。これがヨーロッパだ。

「すごい。街並みも奇麗に再現されてますね。」

 樹里さんがうんうんと頷き辺りを見回す。

 運河から見たヨーロッパの街並み。アムステルダムは勿論、イタリアのヴェネツィア、そんな場所を思い起こさせる。


 そんなヨーロッパの町を抜け、再び乗った桟橋で降りる。


「楽しかった。凄く満足かも。」 

 あすかさんはうんうんと頷きながら笑っていた。



 そうして、僕たちは再び園内を一周していく。

 ヨーロッパの港町を目に焼き付け、森の中を進み、見えてきたのはこのハウステンボスの中の最奥部。パレスハウステンボスと呼ばれる場所だ。


「凄い。宮殿みたい。」

 あすかさんが目を丸くして頷く。

「本当、綺麗ね。」

 咲姉ちゃんもその佇まいに息をのむ。

「はい。凄いです。」

 樹里さんも同じ感じのようで、うんうんと頷きながら、僕たちは林の中の宮殿に足を踏み入れた。


 宮殿。ものすごく荘厳な建物。

 だが、林、いや、森の中にあるためか、宮殿ではなく森の中にある離宮に僕は見えた。


 その宮殿の中に入り、建物を一度抜け、庭園を見学していく。


 ヨーロッパの王宮の庭園が完璧に再現される。

「凄い。綺麗。」

 思わず息をのむあすかさん。

「はい。初めて見ました。こんなに綺麗だなんて。そして、広々として大きい。」

 樹里さんは、やはり写真で見たことはあるが、こうして見るのは初めてなのだろう。目を丸くしながら庭の奥まで見つめていた。

「凄いわね。ずっとここに居たい。」

 咲姉ちゃんもニコニコと笑っていた。


 そうして、庭の奥まで、隅から隅まで見学する僕たち。

 庭園に設置されている色々な彫刻に圧倒されながら、庭園の写真を撮っていく。


「さあ。ここからは私もカメラを持つわよ!!」

 咲姉ちゃんも僕に負けじと張り切って自前のカメラでシャッターを押す。



 王宮の宮殿を一通り見学した後、元来た道を戻って行く。

 それ以降は、アドベンチャーのゾーン、そして、アトラクションのゾーンで、それぞれ、遊びを楽しむ。

 特にアドベンチャーのゾーンで体験した、天空のレールコースターは圧巻だった。

 風を切って森の中を駆け抜ける。森の中の木漏れ日に癒されながらそして、涼しい風に癒されながらスリル満点で森の中を駆け抜けていった。


 こういった絶叫系が苦手な樹里さんも、楽しんでくれていたようで。


「はあ。はあ。ごめんなさい。ちょっと、苦手だったので緊張しっぱなしで。」

 樹里さんがそう言うと。僕たち皆は樹里さんの肩をポンポンと叩く。


「ごめん。でも、ナイスファイト。」

 僕は心配そうにしながらも、樹里さんのチャレンジを高く評価し笑顔で答える。


「そうね。苦手なことでも、私たちと一緒に楽しむことができたなら、本当に嬉しいわ。」

 咲姉ちゃんもニコニコと笑っている。

「うん、うん、皆で楽しめてよかった。」

 あすかさんもニコニコと笑っていた。


 そんなことをしていると、あっという間に日が暮れる。

 ライトアップしたハウステンボスのイルミネーション。


「凄い。」

「綺麗。」

「うわぁ~。」

 そのイルミネーション。昨日もナイトプールで見たのだが、今日も再び感動する僕たち。


 そうして、そのイルミネーションが点灯するのを待っていたかのように、僕たちが楽しんだ最後のアトラクション。



 それは、光り輝いた三階建てのメリーゴーランドだった。


「凄い。三階建てで綺麗。」

 目を丸くしている樹里さん。そして、その瞳の奥からはニコニコと笑った笑顔が見れる。

 これなら樹里さんも楽しめそうだった。


 早速、係の人の指示で、いちばん上、三階部分に行き、メリーゴーランドを楽しむ僕たち。

 外では、ライトアップされたハウステンボスが一段と輝いていた。



「すごく楽しかった。」

 樹里さんの飛び切りの笑顔に癒される。


「ふふふっ、私も。本当に良かった。」

 咲姉ちゃんもニコニコと笑う。

「凄い。小学校以来かな。感動したわ。」

 あすかさんもうんうんと頷いている。


 そうして、メリーゴーランドをあとにする僕たち。


 ハウステンボスの締めくくり。最後に向かった場所は夜のショーの会場。

 輝くイルミネーションに癒されながらショーを楽しむ僕たち。


「ふふふっ。楽しかったわね。」

 咲姉ちゃんの言葉に僕は頷く。

 確かに、一人で来たのならば、こういったテーマパークに先ず入らないだろう。

 三人のお陰で心から楽しめた僕が居る。


 イルミネーション、そして、夜空に浮かんだランタンと花火に向かって願いを込める僕。

 これからも、こうして皆で色々な場所に出かけることができるようにと‥‥。


 夜空の遠くを見ながら、光に癒されている僕たちの姿があった。





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