おばあちゃんとの再会
離れた家族との再会 シン(猫)の気持ちを叶える事で優樹菜にも心の変化が?
副店長の計らいで 老人ホームの施設玄関口で猫と面会をする事になり
優樹菜はシンをキャリーに入れて老人ホームに向かう。
シン「本当に会えるのか。オレを騙してるんじゃ無いのか。そもそも人間と話したことなんてなかった。オレに良くしてくれるのはありがたいがお前にいい事は何も無いだろう?」
優樹菜「そうなんだけど、私も猫と話すのは二匹目 おもちは看板猫だからお留守番だって。シンの強い気持ちが私に伝わって何かしなくちゃという気持ちになった。猫とか人間とか関係ないよね。出来ることをしなきゃって気持ちになった。シンがおばあちゃんと会えて悲しい気持ちになるかもだし会って見ない事にはどうなるかわからない。」
シン「そうだな。ただ勝手に引き離されたからちゃんとお別れするよ。」
優樹菜「うん。立ち会うよ。着いたよ。」
シン「・・・。」
優樹菜「こんにちは、約束した橋本です。」
老人ホームの人「いらっしゃい。お待ちしてました。施設長の田中です。どうぞ中へ 部屋を用意しています。」
優樹菜「ありがとうございます。」
田中「今呼んできますね。こちらでお待ちください。」
シン「ドキドキする。」
ドアが開いて車椅子のおばあちゃんを連れて田中さんが来てドアを閉める。
おばあちゃん「シン、よく来たね。」おばあちゃんが涙目になる。ニャーオ。
田中さん「抱っこしてもらえるなら猫ちゃん、お部屋で出していいですよ。」
シンをキャリーから出して抱っこする。おばあちゃんの再会である。
ニャー、
おばあちゃん「シン、ごめんね、寂しい思いをさせて、会えて嬉しい。」シン「ニャー」
おばあちゃん「施設長さんがいい人でね。」シン「ニャー」
優樹菜「シンも同じ気持ちです。おばあちゃんと会えて嬉しいって。」
おばあちゃん「うん、うん。」
10分くらいだろうか。シンはおばあちゃんの膝でまったりておばあちゃんはシンを撫でている。
施設長、田中さんはシンが優樹菜から離れても何も言わずに見守っている。よく見ると部屋にケージがある。猫用の3段ケージで立派なものだ。
優樹菜「これは?まさか?今日のために?」
施設長 田中「ウチで飼っていた猫用です。シンくん使ってくれるかと、、。」
優樹菜は、落ち着いた猫一匹とおばあちゃんの横で田中さんから こっそり話をされる。
優樹菜「シン君、そろそろ帰るけど1個だけ聞いていい?もしまたここに来れたらずーっといい猫でいれる?」シン「ニャーオ(あたりまえだ)」優樹菜「わかった。」
優樹菜は、キャリーケースのシンの匂いのついたバスタオルを置く意味深な行動をしてシンを入れてお別れをした。」
一匹と一人は、ホームの2人に挨拶をして別れた。帰り道にシンは何度も優樹菜にお礼を言って疲れたのか寝てしまった。」
猫カフェに帰ると シンを部屋に戻して 副店長さんに挨拶しに行くと、副店長さんから話があった。「施設から電話があってお礼とシン君を引き取りたいと連絡があったわよ。すごいじゃない。里親決めてくるなんて。優樹菜さん、この仕事向いてるんじゃない?」
施設長田中さんがこっそり話していたのはこの事だ。以前からアニマルセラピー的な要素で施設内で検討していたらしいが今回、シン君に白羽に矢が当たったらしい。
優樹菜「副店長さんは知っていたんですか?」
副店長「面会予約の時に会ったみてよければって話だったし、期待させちゃいけないと思って黙ってたんだけど大丈夫だった?」
優樹菜「言ってくださいよー。シン君とおばあちゃん最後のお別れと思ってだんだん悲しくなってきたんですよ。たまに会うはありかもですが、とか自分に言い聞かせて。」
副店長「ごめんなさいね。不確かな事は言わない主義なの、期待する方がショックが大きいでしょう。今回は、シン君と家族を会わせたいは優樹菜さんから出た話だったし、施設で里親なんてなかなかある事じゃないわ、個人でも中々里親って難しいのよ。シン君、これから、トライアル期間だってあるしまだこれからよ。私達、保護猫カフェってそういう出会いを提供するから猫達の卒業も視野に入れなきゃいけない。ましてや、まだスタッフでもない優樹菜さんには重荷だったわよね。今度、施設長さんに手続きに行くから一緒にどう?」
優樹菜「はい。ぜひ行かせてください。そして、もっと保護猫カフェの事を知りたいと思います。ボランティアでもいいのでここに居させてもらえませんか?」
副店長「はい。今は、スタッフ募集はしていないけど猫の手も借りたいわ。細かい事は今後ゆっくり話をするとして、これからもよろしくお願いしますね。優樹菜さん。」
優樹菜「こちらこそ、よろしくお願いします。」
優樹菜は、半泣きで再会の余韻に浸りながらも決意表明をした。
それからというもの 優樹菜は元の会社に退職の意思表示をして 郵送で退職願いとお菓子を送り関東には戻らなかった。1週間、おもちと保護猫カフェに行きつつ、アルバイトで週5日の契約をして、近所のファミレスのバイトと掛け持ちする事にした。
優樹菜「さあ、やるぞ!」
序章
優樹菜、保護猫カフェとの出会い