猫?精霊?話せる?
母のことを思い出す。
本の部屋で眠ってしまった 優樹菜は夢をみる。
母と過ごした時間は喧嘩ばかりだった思い出しか出てこない。
母は自分が小さい頃から本ばかり読んでいてあまり遊んでもらった記憶もない。
犬、猫の話はしていたが自分が興味が無かったからかうる覚えでしかない。
家でペットを飼ったことは無かったが、「子猫が迷い込んだ」との事で自分を置いて母が留守をしたのは何となく覚えている。テーブルにご飯と手紙が置かれていた。「ごめんね。お仕事に行ってくる。」が大体の内容だった。授業参観にもほとんど顔を出さなかった母が6年生の英語の授業の時に初めて来た時はビックリしてなども振り返った。親子で 週末は何をしていたかを英語で話し合う時間だが
優樹菜 「何でいるの?」
母「たまにはいいでしょ」
と、たまにしか会わない人達みたいな違う話をしていたら英 英会話のふれあい時間は終わり 体でリズムを取りながら短文を話す時間で 恥ずかしかったがいつも以上に力が入ったダンスリズムになったのを覚えている。
母が亡くなったのは信じられない。高校卒業と共に関東圏県へ就職した自分は帰省もせず久しぶりの実家が母の葬式だなんて 糖尿病だと話していたが母から詳しい話もなくたまの電話は「何か食べたいものは?」と、用件だけで母の健康を気遣った事などなかった。いるのが当たり前と思っていた。
母一人子一人のいわゆる母子家庭で母は仕事でほとんど家にいなかった。
冷めた料理をチンして食べるのが日課だったが朝ごはんだけは一緒に食べた記憶がある。
自分の事を根掘り葉掘り聞かれるのがうざかったし母の体調云々は聞いたことがない。
親子なんてそんなもんだと思ってた。
そんな事を夢なのか考えていたのか、机で寝てしまったらしく何かの物音で目が覚めた。
周囲には誰もいないはずなのに
声がする?
何かが喋っている。動く気配がする。気づかれないように机に突っ伏したまま様子を伺うと15センチくらいだろうか本を片付けている猫がいる。いやいや猫が2本足で歩くはずもない。本を持てるはずもない。でも確かに猫だ。猫にしては尻尾が短い気がするが あれ?服を着ているぞ?小人?いや猫だな。頭が混乱してきた。
得体のしれなあい者「本を片付けたらキレイになるにゃ」
優樹菜「にゃ?」思わず声に出してしまった。
得体の知れない者「起きたにゃ?」
振り返ると猫がいた。いやいや猫は喋らないだろう。T シャツも着ないだろう。
得体の知れない者「お初にお目にかかります我輩は シロと申しますにゃ。お見知り置きをにゃ。」
シロ「優樹菜様ですね。和音様から伺っておりますにゃ。」」
橋本和音は母の名だ。どうやら母の知り合いらしい。
シロ「和音様と我輩が初めてお会いした時も優樹菜様と同じ反応でしたよ。固まってらっしゃいましたにゃ。」
そらそーだろ。服着て〔上半身Tシャツ)話す猫なんて誰が信じるか。丁寧な言葉の語尾ににゃーとか笑えるし
シロ「そんな怖い顔しなくても優樹菜様のことは食べませんにゃ」
優樹菜「じゃ何に食べんの」
シロ「水ですかね。我輩はこの姿になってから食べ物を食べなくても生きていけるようになりましたにゃ。もちろん食べれないわけでは無いのでキャットフードなり手作りの猫飯は食べれないこともないのですが食べなくても生きていけると言う事ですにゃ」
優樹菜「そもそも生きてるの?猫みたいな容姿だけど2本足で歩いてるし話せる猫なんて聞いた事ない。」
シロ「優樹菜様 ストレートにお聞きになることは素晴らしいですにゃ。私にも詳細はわかりかねますが 橋本家に代々お仕えしているシロ家の猫であり当主様にしか見えないと聞いておりますにゃ」
優樹菜「当主様 じゃあ母がいなくなったから私に来たって事?ここ私の実家で日本だし異世界とかじゃ無いよね。霊とか自分、見えないし。ってシロ何歳?」
シロ「300歳くらいでしょうか、和音様の前は 琴美様、詩様ん9お仕えしてまえりましたにゃ」
優樹菜「ばあちゃんはわかるけど、ひいばあちゃんの名前かな、聞いた事ないが女ばっかやん。じいちゃんとかいないの?。」
シロ「いない事も無いですが、女性の方が長生きする家系と伺っておりますにゃ。」
優樹菜「ふーん。シロん家は皆、2本足で歩いて話せてみんな敬語?」
シロ「おっしゃる通りですにゃ。」
優樹菜「シロ家って事は、シロって名前じゃ無いの?」
シロ「おっしゃるとおりですにゃ」
優樹菜「じゃ、名前つけていいの?」
シロ「ええ勿論、ありがたいお話ですにゃ。」
優樹菜「そか、えーっと ホワイトブラック オセロ 若干白多めだし おもち
真っ白じゃ無いけど おもちで良い?
てゆーか男の子?子じゃ無いね。失礼、もちた、もちすけ ん~やっぱりおもち!
シロ「性別は特にございませんにゃ」
優樹菜「じゃ、おもちさん改めましてよろしくお願いします。」
改おもち 「こちらこそ優樹菜様、お名前を頂戴するのは、初めてでございます。ありがとうございます。よろしくお願いしますにゃ」
と、握手をすると 肉球ぷにぷに~ いや言わないでおこう。でも気持ちい~い。手を離せないよぉ〜。
おもち「えー優樹菜様?どうかなさいましたかにゃ?」
優樹菜「手、スリスリして良い?」
おもち「少しでしたらどうぞにゃ そんなことを言われたのは初めてですにゃ。
優樹菜「うっそぉ みんな触りたくなるよ」スリスリ顔ををつけてみる。
優樹菜「すんげー気持ちいいよ。パンチされたい。」
おもち「さようですか。さすがにパンチは困りますにゃ。そろそろ離していただけますかにゃ」5分も経っただろうか。優樹菜には一瞬の幸福感。
優樹菜は名残惜しそうに手を離すと キラっと光るものが二人を包み込んだ。
2人を包み込む光は何だったのだろう。
おもち「優樹菜様大丈夫でしたか?」
優樹菜「さんね、さん」
おもち「優樹菜さん」
優樹菜「そうそう」
いままでお店でもシロだったんでしょ。名前は二人の時だけ?改名って方向にする?
おもち「私も嬉しいので改名でいきましょう。明日はお店に行って雰囲気を見てください。」
優樹菜「わかった」
猫が話すとか誰も信じてくれなそう、変な人認定されちゃうからだまっておこう。
私にしか聞こえないみたいだし、家系?みたいな?ばあちゃんもじいちゃんも何も言わなかったし母さんだよ。全く知らなかったし車にひかれるとかありえないし 動物愛護とかで一生動物を守るとか言ってたのに嘘つき。
おもち「ええ子猫を抱いていたそうですよ。」おもち近くにいたんでしょ。猫とも母さんとも会話できるし何とかならなかったの?
おもち「おっしゃる通りです」
私はお店に居てお母様は近くだからとひとりでお店を出て近所に昼休みだと出られました。
建物をたくさん挟んでしまうと私の声は聞こえないのでしょう。
発見が遅れたのは私のせいです。執事として不甲斐ない。
万能じゃないって事だよね。皆、そうだ。助け合って生きていかなきゃ。
で、子猫は?副店長が自宅に連れて帰ったときいています。
そか、私、「飼ったことないし助かるよ。状況を教えてくれて有難う。」飯いらんから一人にして」
本の部屋に向かう。母の書斎だ。
2人を包み込む光は何だったのだろう。
おもち「優樹菜様大丈夫でしたか?」
本の部屋に向かう。母の書斎だ。
シロ→改名 おもち猫
猫紹介 : おもち ・先代からいる精霊でシロ猫の姿をしている。短毛の白猫オッドアイ 左耳がやや聞こえにくいがテレパシーで話すので問題ない。種類 ジャパニーズボブテイル(尻尾が短くまるみをおびている。)
雪菜の家では2本足でいることが多い。
猫カフェの看板猫