猫カフェでオーナーをしていた親が亡くなる。残された子は
母のお葬式
母親が亡くなったので実家に帰ってきた。
母1人、子1人で忙しいと走り回っていた母とは高校を卒業してから地元を離れたので近頃、あまり接点がなかった。親戚の叔母さんから呼ばれて実家に行ったものの葬式をしたことのない自分は叔母の言うまま家族葬で実家にいた。実家は古いが広い家で身内だけにもかかわらずちょこちょことお客さんが途切れなかった。母は、動物にたずさわる仕事をしていたのは知っていたが帰りが遅くなった日「私と仕事のどっちが大事なの」と喧嘩してから仕事の話はしたことが無かった。
葬式が終わるや否や自分にや話しかけてきた女性がいた。母の職場の人らしい。
名刺を渡された。「猫カフェ 絆 副店長 服部有沙」と、申します。お初にお目にかかります。生前店長の高木様には大変お世話になりました。今までご挨拶もせず、このような場でお話しすることをお許しください。
20代後半だろうか落ち着いた話し方で若いのに副店長?しかも母が店長?初耳だった。
店長の亡き今、今後のことを話し合いたいので、近日中に一度お店に来て欲しいとの事でした。とにかく初めて聞く事柄に、頭の中が吸収しきれず「分かりました。」と答えると服部さんは深々とお辞儀をして帰って行った。
母は、毛だらけで帰ってきていたが家では動物の話をした事もなく 難しい本ばかり読んでいる印象しかない。
親戚の叔母ちゃんは、母の仕事に好意的では無い様子で「あんたも大変ね。自分よりペットの人だもんね。残されたあんたはどーすんのかね。」
と、帰って行った。
母の本の部屋で色々考えているうちに寝てしまった。
母の葬式後の猫屋敷。