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また、あの青い空の下で―。
Ⅰステル·ラツェットの歴史
皆が、世界中の人々が美しいと賛える国
「ステル·ラツェット」
その国はこの十年で、変わり果てた。
次々に起こる天災の数々。日に日に上がる税金。
そして、来ない春。
その全ての元凶は王族である。
ステル·ラツェットはもともと、とても寒い国なのだ。
それを、代々王がその膨大な魔力で暖かくしていた。
……のだが、今代の王はそれができなかった。
魔力が極端に少なかったのだ。その上、遊び人だった。
これだけでも相当やばいのだが、これだけではない。
王族、貴族ともに遊び人だったのだ。
春が来ないので作物も作れない。貴族や王族の遊びのために税金上がる。そうなれば民は飢えるしかない。
そうして、平民の多くがスラムに堕ちた。
だが、この闇は思わぬ形で終わりを告げるのである。
七人の人々によって。