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第九部 第七章 アイシクルケイブ

 アイシクルケイブ……氷柱洞窟って名前の通りなのだが、氷柱は石灰岩のつららが氷柱に見えるってだけで、別に氷の迷宮ではない。


 モンスターも洞窟系のドラックコウモリとかワームとかケイブフロッグとか、そういうのが多い。


 エイドリアン様が急いでほしいと言うので、<チームジャスティス>と<チームチェイン>の馬車で向かう。


 ハートネット公爵領は戦時に一番戦う精兵ぞろいの領土のせいで、道も馬車が並んで走れるほどの広さで整備している。


 そのせいで<チームジャスティス>と<チームチェイン>の馬車は並走して向かっていた。


<チームジャスティス>はアルバートとダリアが、<チームチェイン>はジェシーとノーマが馬車の前側に乗って馬を御していた。


「しかし、アイシクルケイブってあんまり大したダンジョンじゃないよね」


 ダリアがそう話す。


「確かになぁ、C級向けとか案内出てるダンジョンだし」


 アルバートも馬車を御しながら、そう答えた。


「いやいや、山の中の少し不便なとこにあるのと、出てくるモンスターがキモイってんで、最近誰も行かないんでモンスターが増えてるって話は聞いてたけど」


 ノーマがそれに答えた。


「「ええええ? そんな理由? 」」


 アルバートとダリアが叫ぶ。


「まあ、あそこは少し離れてて山の中で不便だし、気持ち悪いモンスター倒しても、あまりお金にならないしね」


 ジェシーが苦笑した。


「ところで、本当に羊使いなんだね」


 ノーマが<チームジャスティス>の背後からトコトコとついてくる羊の一団を見てため息をついた。


「いやいや、便利なんだぞ。あれで背後からくるトカゲとか逆襲して、その日の食料を捕えてくれるんだし」


 悔しかったのか、イエスが馬車の幌の中から顔を出して言い返す。


「そうなの? 」


 ジェシーが驚いた。


「ああ、川に入ると硬くなった羊の毛でカニやエビや魚を巻き付けて捕まえてくるし、万能だぞ。アーランデル伯領からの帰りの食い物は全部羊が捕まえてきた」


 俺も幌の中から、そう答える。


「それは凄いな」


 マシューが幌の中から顔を出して感動している。


 正直、傍から見たら何やってんだかって感じではあるが。


「のんきだよね。本当に」


 マシューが呆れた顔をした。


「いやいや、お前が先に言ってきたんだし」


「緊張感が無さすぎって言いたかったのよ」


 俺の言葉にノーマが言い返す。


「いやいや、戦闘羊だぞ」


 イエスがそうきっぱりと話す。


「牧歌的にしか見えないんだけど」


「いや、チームの中身はドロドロなんだぞ」


「「おいいいっ! 」」


 ノーマへの俺の突っ込みにアルバートとダリアが突っ込んできた。


 まあ、サイレンスマーダー使って殺そうとした話を言ってるわけだから、当たらずも遠からずだが。


  



 


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