第九部 第六章 スタンピード
「あーあーあーあー、リーダーは相変わらずタイミングが悪いな」
酒場の扉を開けて、長身の男と男みたいな恰好をした女性が入ってくる。
長身の男の方はコリー・デール・マコーマック。
身長は百九十五センチで体重が六十キロだったか、ひょろひょろであるけど盾役である。
長身から来る俊敏性で小型の盾を使い大体の攻撃を防ぎ、独特の長剣から繰り出す技を持っている。
黒髪で黒い目をしていてのっそりとした顔付きをしている。
もう一人の男みたいな恰好をした女性はケイシー・メイヴィス・シャーウッド。
男のような恰好をしているが黒い目と黒い髪をした美少女である。
<チームチェイン>の魔術師をしている。
「は? 」
ジェシーが困った顔で二人を見た。
二人の後ろにエイドリアン様がいた。
エドリアン様が苦々しい顔をしていた。
「アイシクルケイブでスタンピードだって」
ケイシーが苦笑した。
「冒険者の皆が酔っ払ってるからうちと<チームジャスティス>で処理しないといけないね」
コリーが淡々と話す。
こういう喋り方の男だ。
「こんな日に飲み会やってると思わなかった」
エイドリアン様ががっくりした顔をしていた。
『ジェシーは性格が良くてリーダーシップあるし素晴らしいんだけど、いつもタイミングが悪いんだよな。アーランデル伯の依頼でもタイミング悪く、別のと戦ってるときに不滅の襲撃を背後から受けたらしいし』
「すいません。それを言われると辛いんですけど」
俺が喋ってたみたいで、ジェシーが悲しい顔で突っ込んできた。
「すまんが、やってくれるか」
エイドリアン様がそう俺達に話す。
「でも、ジェシーさん達は飲んでないみたいだけど、こっちの<チームジャスティス>は酒飲んでたんじゃ」
イエスがそうアルバートとダリアを見た。
「凍らすようなことを言うから,酔いなんか冷めたよ」
「本当よ」
アルバートとダリアが愚痴る。
ウェーズリーは無言で頷いていた。
「私も手伝いますし、大丈夫でしょう」
テーブルの下で目立たなかったハリーがちょこんとテーブルの上に乗ってそう言った。
「な、なに? これ、可愛いっ! 」
ジェシーが叫んだ。
「本当だ! 」
ケイシーも叫ぶ。
「駄目駄目、毒針を持ってるから」
ジェシーが抱き着こうとしたらノーマが止めた。
『随分とこちらの事を把握している様だ。なるほど、こっちの事情も知ってると言う事か』
「いやいや、セシリアちゃんに聞いただけだから」
俺が喋っていたのかノーマが苦笑した。
ジェシーはハリーに抱き着きたくてしょうがないようで、ハリーのまわりをグルグルしてた。
「とにかく、時間がない。依頼料は多めに出すからやってくれ」
エイドリアン様に頼まれた。
あーあーあー、また仕事だ。




