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第九部 第三章 ノーマ

「相変わらず、せこいよね」


 <チームチェイン>の小柄だけど索敵と偵察がメインのノーマ・エマ・アクトンがエドウィンのソファの横に座り込むと呆れて苦笑した。


 チェインメイルと革を使った軽量の革の鎧を着ていて、俊敏さではA級冒険者の中でもトップクラスでS級は余裕であると言われている。


 髪はショートカットで可愛い系で言うとセシリアちゃんとタメを張るくらいだ。


 ただ、ズケズケ言う性格なんで、モテる方ではない。


『残念な美少女系としたら、セシリアちゃんとタメはるなぁ』


「は? 」


「え? 」


 いつの間にかノーマと同じように俺の前のソファにセシリアちゃんが座ってたんで、喋ってしまったせいでじっと異様な迫力の無言で俺を見られる。


 そのせいで、食堂がまたシーンとした。


「いやいや、空気読もうよ」


「勘弁してくれよ」


 囁くようにアルバートとかイエスが愚痴った。


「いやいや、あんなババ引くような戦いに参加して、相変わらずせこいよねって言われたら愚痴も出るし」


 俺が本気で愚痴る。


『特に今回は世界の闇みたいなもんに突っ込んでしまった。俺はお金を稼いで、アーリーリタイヤして悠々自適な生活するのが夢だったのに、この現実。本気でどえらい事になってしまった』


「何? 世界の闇って……」


「何かやばい話になってるとは聞いたんだけど」


「どゆ事? 」


 一斉に飲んでた冒険者達が聞いてきた。


「実はだな……」


 俺が皆に身を乗り出して話そうとし始める。


「あーあーーああーあーーあーーあーーあーーーあーあーーーあー! 」


「聞こえないぃぃぃぃ! 聞こえないぃぃぃ! 」


「きゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃっ! 」


 一斉に冒険者達が騒ぎ始める。


「まあ、聞きたくないわな。やば過ぎる話だし」


「そりゃそうだろ」


 俺の愚痴のような言葉にイエスが苦笑した。


「まあ、話さない方が良いと思うよ。知ったばかりに消されるかもしれないし」


 しれっとノーマが凄くやばい話をした。


「はああ? 」


「大体把握してるけど、それだけやばい話だよ」


 しれっとノーマが凄く嫌な話をした。


「言わないでっ! 」


「やめてくれぇぇぇぇ! 」


「そういうのは関わりたくないっ! 」


 流石にアットホームなエイドリアン様が仕切るハートネット公爵のギルドの冒険者達だけはある。


 全員が耳をふさいで騒ぎながら出て行った。


 しかも、しれっと飲み会で出てた酒とつまみは皿ごと持ったままだ。


「碌なのがいない」


「いやいや、お前に言われてもな」


 俺の呆れ果てた一言をイエスが苦笑した。


「もー、ノーマも飲み会が終わった後に言いなよ。全部冒険者が逃げちゃったよ」


 <チームチェイン>のリーダーのジェシーがため息ついた。


「ごめん」


 ノーマがペロッと舌を出した。


「これ、俺達が払うのか? 」


 イエスがずらりと並ぶ何もかも無くなったテーブルを見て不貞腐れたように呟いた。


 本当に碌なもんじゃない。




 


 

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