第八部 第九章 責任の押し付け合い。
で、結局、<チームチェイン>がもうすぐ帰ってくるから、そちらに密偵と工作員の調査は任せる事になったらしい。
あの煽り屋の国王様が、使命感に轟轟と燃えている親戚の煩型の近衛の騎士団の監査部のおっさんの改革にうんざりしているらしい。
「一応、凄く頑張ってくれたのは分かるから、この金貨の袋をお前らに褒賞として渡すよ」
そうエイドリアン様は、俺の金貨の袋が大きくて、次にイエスの金貨の袋は大きくて、後は休んでたので半分という<チームジャスティス>の仕切り通りに報酬を分けて置いていくとふらふらと眩暈を起こしながらギルドの方へ戻っていった。
「一生懸命やったのに……」
俺が愚痴る。
「いやいや、お陰で飲み屋もそういう姉ちゃんのお店も商売あがったりで、よそで俺も愚痴を言われたぞ」
アルバートがそう愚痴る。
『いやいや、のんきに治療で休んでたアルバートが包帯も取れてないのに必死に頑張った俺に言うのか……。大体、そういうお姉ちゃんってなんだよ。貴族様の癖にそういうとこに言ってんのかよ! 」
俺が喋っていたようでアルバートがおろおろしていた。
それを、ダリアが冷やかに見ていた。
ダリアはセシリアちゃんと一緒でなかなかの潔癖症だったりする。
「まあ、援軍の近衛の騎士団も減りまくりだからな。さすがに次の襲撃があったらってエイドリアン様も気が気じゃないんだろ」
イエスが苦笑した。
「いやいや、お前だって賛成したじゃん」
「いや、あそこまで徹底してやると思わなかったぞ」
「いや、止めろよっ! 」
俺とイエスが言い合いをしていた。
「あーあー、まあ、いつもの展開だよね」
ダリアが呆れてため息をついた。
「でも、結局、近衛の騎士団に密偵も工作員も居なかったんですよね。別で入ってきてたんですかね? 」
ハリーが不思議そうに呟いた。
「まあ、援軍の中にそういうのが入ってくるってのは定石だしな。逆にやんないかも知んなよな」
イエスがいまさらながらにそういう事を言う。
「お、お前、俺が言った話に納得してたやん」
「いや、ああそういう可能性もあるよねってスルーしただけだから」
「汚っ! 」
俺がグチグチ言った。
「まあまあ、分け前もあった事だし、頑張ったのは確かだからさ」
「そうそう、真面目にやり過ぎただけだよ」
ダリアとアルバートが白々しく話す。
「いやいや、報酬貰ったから満足してるだけだろ? 」
「そりゃ、そうよ。入院費用だってかかってたし」
「くくくくっ。もういいや。話してても辛いだけだ。帰って寝るわ」
俺がふてくされて酒場を出て行った。
「主、待ってください」
ハリーが俺を追いかけてきた。
『他に誰も止めようと来ないのか』
俺ががっくりとうなだれた。




