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第八部 第八章 注意

 悲しい現実を目の前にしたりしたが、やめるわけにはいかない。


 何しろ、あのエイドリアン様からの依頼なのだ。


 そういうわけで、俺は引き続き、近衛の騎士団の宿舎や本部、果ては監査部まで入って調査を続けた。


 何でも、あの近衛の騎士団の監査部のおっさんは監査部でも相当強面の上に無茶苦茶厳しくてお偉いさんだったらしく、監査部の人員が足りないと言う事で首都からさらに監査部の人員を増やしたようだ。


 ぶっちゃけ、普通のお偉いさんと違い王家に連なる血筋という事でどえらい権力も持っていたのだ。


 まあ、その辺はありがたかったので、遠慮なくいろんなものを発掘しては近衛の騎士団の監査部のおっさんに直接見せて説明することにした。


 いかがわしいところの出入りから、賭けで負けて、王家から拝領している王家の紋章の入った金の襟章を質に入れてる奴とか、支給品を横流ししてる奴とか、帳簿を誤魔化してる奴まで片っ端から教えた。


「我が誇りあるケルト王国の近衛の騎士団は一体どうなっているんだ! 」


 近衛の騎士団の監査部のおっさんが荒ぶっておられた。


 まあ、こういうのはどこの騎士団でもやってるし、恐らく強面で厳しく王家に連なる近衛の騎士団の監査部のおっさんには知られないように皆でしていたのだろう。


 そんな訳で援軍出来た近衛の騎士団の実に三割強が不正と風紀を乱したという事で、首都の監査部送りになった。


 おかげで警備の近衛の騎士団が激減した為に、追加の派兵があった。


 それも、片っ端から隅の隅まで粗を探して俺が近衛の騎士団の監査部のおっさんに報告した。


 やはりハートネット公爵家に出す人員として優秀な近衛の騎士団を選んで最初に派兵してたようで、次に来た連中は素行がそれと比べると一段くらい悪かった。


 結果として新しく来た半数以上が不正と風紀を乱したと首都に再度更迭された。


 そして、俺がここまでやってるのに全然、密偵も工作員の影も見えない。


 さすがに疲れてきて、俺が気の置けない酒場の奥の<チームジャスティス>と<チームチェイン>だけがいれるソファにいるイエスとハリーに会いに来た。


 そこには退院したアルバートとウェーズリーとダリアもいた。


「ねえ、何かエイドリアン様に言われてやってるの? 」


 ダリアがいきなり聞いてきた。


 包帯は皆、綺麗に取れたようだ。


「ああ、密偵と工作員が混じってるから調べてくれと言われた」


 俺がそう答える。


「いやいや、それならやり過ぎじゃないか? おかげて俺達まで近衛の騎士団に会ったら、悲鳴を上げて逃げられるんだが」


 アルバートが愚痴る。


 ウェーズリーも何かあったのか頷いていた。


「いやいや、エイドリアン様からの依頼だ。とにかく揺さぶって尾っぽが出るのを待つしかないんだ」


 俺がそう話す。


「いやいや、揺さぶり過ぎだろ」


 いきなり背後からエイドリアン様が声をかけてきた。


「え? 」


「首都の近衛の騎士団に噂が流れて援軍が来なくなっちゃったよ」


 エイドリアン様が疲労のたまった顔で答えた。


「ええ? 」


「お前、それに王家の親戚の末席にいる近衛の騎士団の監査部のおっさんを煽ったろ。すっかり近衛の改革問題になっちゃって首都で大騒ぎだぞ」


「いや、煽ったんでなくて、不正や風紀違反の情報をあげただけなんですが」


「追加の援兵が半分も更迭されたら、誰もがやり過ぎと思うだろ」


 エイドリアン様がため息をついた。


「ええええ? 真面目にやっただけなのに……」


 俺があまりの展開に愕然としていた。  


 

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