第八部 第六章 監査部
「で、これからどうするんだ? 」
イエスが真顔で俺に聞いてきた。
「とりあえず、近衛の騎士団にそういうのがいると言う推定は正しいと思ってる。警戒されてるけど仕方ない。連中のいるところに、いつものスキルで揺さぶってみるか」
「ストーカーか? 」
「それを言われると俺的には非常に複雑だが、それしかない。何しろ、手がかりが全く無い上に、エイドリアン様に頼まれてしまった。ある程度の結果は出さないとまずいだろ」
「まあ、そうだよな」
イエスもため息をついた。
かくして、俺達は近衛騎士団に対する潜入調査を開始した。
まあ、勝手に入って調べまくるだけだが。
「と言う事で調査に参りました」
俺がそう言って、こないだ俺達に絡んで来てた近衛の騎士団を監査部が尋問してるところに現れた。
「な、なんだ? お前は? 」
近衛の騎士団の監査部の一際目つきの悪いおっさんが俺に聞いた。
「ああ、エイドリアン・ハートネット様から我が領に入った密偵や工作員を探し出すように言われてるエドウィンです」
俺が丁寧に監査部の目つきの悪いおっさんに頭を下げた。
「こ、これが<ストーカーのエドウィン>」
「マジかよ。初めて見た」
監査部の連中がたじろぐ。
「あんたが来たと言う事は、こいつらは何かあるのか? 」
近衛の騎士団の監査部のおっさんの目が鋭くなった。
「いや、調査中です」
俺がにっこり笑った。
「何かネタでもあるのか? 」
「調査中ですから」
俺がさらににっこりと笑った。
すでに、この間嫌がらせをして来た調べられてる近衛の騎士団員は顔が真っ青になっていた。
「いやいや、俺達は何もしていない! 」
「単に街を巡回してただけだから! 」
「勘弁してくれ。真面目に働いてただけだよ! 」
真っ青になって調査されている近衛の騎士団達がおろおろしだす。
『まあ、疑われているから焦っているのだろうな。だが、調査している方からすれば、おろおろすると怪しく見えるのは確かだな。街の連中に聞いたら食堂とかでは飯をまけるように脅したり、いろいろし放題だったという噂も聞いたしな』
「ほう。我がケルト王国の宰相でもあるハートネット公爵家のギルドがある街でタカリだと? 」
俺が喋っていたせいか、近衛の騎士団の監査部のおっさんの顔が激怒していた。
「お前ら、近衛騎士団のメンツに泥を塗ったわけか! 」
「ふざけるな! 恥さらしもいい加減にしろっ! 」
近衛の騎士団の監査部の連中が激怒し始めた。
「ま、待ってくれっ! 」
「そんなあからさまに言ったんじゃなくて、わざわざ王都から来てるんだから美味しいものを食わせてくれって言ったら、いろいろおまけしてくれたんだよっ! 」
調査されている近衛の騎士団の連中が動揺して叫んだ。
「貴様らっ! 王都に召還して罰を与えるからなっ! 」
俺がいるせいで、エイドリアン様への話もあって近衛の騎士団の監査部のおっさんが怒鳴り散らしている。
『自分達、監査部の責任問題にもなるから大変だな』
俺が喋っていたようで、近衛の騎士団の監査部の連中の顔が鬼に変わった。
かわいそうに。




