第二部 第一章 プロローグ
第二部投稿します。
結構早いペースで投稿するかもしれません。
俺の朝はエイドリアン様への感謝から始まる。
まあ、実際に良い人なのだが、最初に会った時は当然分からない。
前世の自分の性格からすると、俺は相手が良い人で無いと感謝出来ない性格だった。
そこで今世で守る三つの事だ。
ヨイショが出来なくては話にならない。
俺は役人や軍に入れない一般ピープルの家だ。
この世界は産まれが非常に大事な世界らしい。
かっての世界でA級国民がどうのと言っていた自分が恥ずかしい。
しかし、普通は転生したら貧乏でも貴族とか小領主とか、せめてそう言う家に産まれるものでは無いのか?
そのあたりは悔しい。
まあ、でも仕方ないか。
『そんな良い家系で無いと仕事につけない世界でそういう連中に勝つには、お偉いさんに可愛がられるしか無い。だからこそ、まずは、その関係しているお偉いさんであるエイドリアン様のそっくりの絵を描いてもらって家に飾った。そして、俺は毎朝、そのエイドリアン様の絵の前で、エイドリアン様最高と言い続けて自分を矯正する。エイドリアン様が俺に微笑んでくださったから、こんな事してくれたと一々思い出して感謝するイメージトレーニングを続けた。それを繰り返すとあら不思議。エイドリアン様が凄く良い人に見えて来る。いや、実際に良い人なのだが、さらに良い所ばかり見る。悪いところは見ない。これだけで随分変わる。何故、これが前世で出来なかったのか残念だ』
「それ、自己暗示の洗脳だよね」
いきなり、セシリアちゃんに声をかけられた。
あれ?
「いつまで経っても出て来ないから、入りましたけど」
少し怒り気味にセシリアちゃんが話す。
「珍しいな。今日は仕事の日では無いだろうに」
「やっぱり忘れてるし。今日は和解の為に<チームジャスティス>の皆で酒場で飲む約束だったでしょ。早めに来て良かった」
「いや、俺は飲みには参加しないし」
そう。
『前世は意味のない仲間と仲良く飲み会とかやってたが、その結果があの裏切りだ。仲良くして失敗だった。飲むなら上司だ。仲間なんか無駄な出費でしか無い』
「いやいや、貴方が前世とか良く分かんない事にこだわってるのは知ってるけど、現実を見ようよ。実際、これから一緒にやって行く仲間と仲直りはしないと駄目でしょ」
「なっ! 前世の事を知っているのか? 」
俺が驚いて聞いた。
「仲間も皆知ってるよ。それで気味悪がっているのもあるし。そう言うのは大人になったら忘れないと」
セシリアちゃんが酷く冷ややかだ。
「いや、マヨネーズを作って見せたよね」
「あれも、少し前に知ったけど首都にはあるらしいよ」
「え? そうなのか? なら、俺以外の転生者が……」
「いや、こちらのコックさんが作ったって言う話だけど」
「そいつが転生者なのでは? 」
「そこで五代続いてる名店らしいけど」
「なら、産まれた子が転生者なのだと思う」
「もう、いいよ。転生は分かったから、とにかく今日の仲直りの飲み会には参加してよ。私だって必死に説得したんだから」
セシリアちゃんががマジでキレる時の表情になった。
正直、セシリアちゃんがキレると怖い。
しかも、俺にとって数少ない話が出来る友人だし。
「分かった、行くよ」
そう、俺が呟いた。
早速、クスシヘビの酒漬けを用意する。
「何、それぇぇ? 」
セシリアちゃんがドン引きした。
「いや、精力がつくらしい。高級品なんだと。エイドリアン様があるなら欲しいとおっしゃってたんでね」
元の世界のヨーロッパにいる普通の蛇のクスシヘビと違って、こちらのクスシヘビは身体全てが薬と言われる。
「こんな時もヨイショを忘れないのね」
セシリアちゃんが呆れてる。
『だが、これは前世の教訓なのだ』
「また、前世かぁ」
セシリアちゃんがため息をついた。




