第八部 第一章 プロローグ
神聖帝国の神聖帝国の派閥との戦争があるかもしれない。
そんな緊急事態にハートネット公爵家が再度壊滅の報はケルト王国内で大騒ぎになった。
<国境の惨劇>でハートネット公爵家の騎士団の悲劇に引き続き、ケルト最強の戦力であるハートネット公爵のギルドまで壊滅状態になったのだ。
この事を重く見たケルト国王は近衛をハートネット公爵領に派遣することになった。
と言う事で続々とハートネット公爵家のギルドのあるエイドリアン様のお膝元にもケルト王国の近衛の騎士団が現れた。
さすがに、小娘一人にやられましたとエイドリアン様も言えなくて皆が口を紡ぐので、さらにケルト王国の近衛の騎士団の緊張感も否が応にも上がって街がピリピリしている。
俺とイエスはまだ病院に入院してて、それを窓から見ていた。
「どえらい、大事になって来たな」
イエスが窓の外を見ながらつぶやいた。
「非常に困ったものだな」
俺も困った。
『これ全てが悪い方に行くパターンだ』
「ああ、それは何とか回避できそうだ」
エイドリアン様が包帯を巻いたまんま病室に入って来た。
「何かしたんですか? 」
俺がエイドリアン様に聞いた。
「ああ、このままにしとけないから正直に国王と親父のハートネット公爵に話したよ。そうしないとケルト王国側から正式にグルナディエ帝国にいる神聖帝国の派閥に抗議して状況によっては戦争になるかもと言われたら真実を話さざるを得ない」
エイドリアン様がプライドを捨てて話したのだろう。
ガチでしょげていなさる。
「国王にも親父のハートネット公爵にも無茶苦茶笑われたよ……お前、最強の冒険者じゃなかったの? とかさ」
エイドリアン様の目に涙が浮かぶ。
『辛いだろうな。国王もハートネット公爵も何度もお会いしたことあるけど、無茶苦茶いろいろと煽って笑う方だからなぁ』
「そうだよ。親父なんか笑い過ぎて顎を外しやがって……」
エイドリアン様が俯いた。
「まあ、でも、一度見たらしょうがないって思うんでしょうけどね」
イエスが実感がこもった感じで話した。
「そうだよね。見る限り可愛い女の子なのになぁ」
エイドリアン様が昔、そう思っていた話を呟いて悲しい顔をしておられる。
「じゃあ、近衛の騎士団は撤退するんですか? 」
「いや、今回冒険者達も随分やられたからな。だから、しばらく駐留するみたいだ」
「ええええ? さらに馬鹿な話にならないといいけど」
「それは思うけど、もう後は祈るしかないな。グルナディエ帝国にいる神聖帝国の派閥もラウルは帰ってこないし、かと言ってこちらは何度も惨劇が起こるし何が起こってるんだってんで随分密偵も飛ばしてるようだとは親父に言われた」
「まあ、戦うつもりだった敵国の最強の軍団が勝手に自滅していると言うのは考えないでしょうね」
俺もため息ついた。
まあ、こうやって話せるのも、セシリアちゃんが家族の元にエイドリアン様に送られて、今は外に出てこないからだったりする。
うろうろとして近衛までやられたら困ると言うので、エイドリアン様が必死に説得したようだ。




