第七部 第九章 エピローグ
偽のセシリアちゃんはぼろ屑になった姿でやっとデンプシーロールが止まった。
彼の最後の言葉は白いパン……だった。
多分、セシリアちゃんのパンティーが見えたのだろう。
俺も見えたから。
セシリアちゃんのパンティーは白だった
自分が黒じゃないと言われたばかりに狼狽えてしまったのを恥じたのか、それとも別の意味なのか。
「きゃあああああ、怖かった」
デンプシーロールが終わった瞬間にセシリアちゃんがぶりっこして呟いた。
逆にそれがエイドリアン様をはじめ皆の恐怖を呼んだ。
「いまさら、猫は遅いのでは」
そうイエスが呟くと、また空を舞っていた。
せっかく、顎が壊れずに済んだのに。
愚かな話だ。
「<チームジャスティス>がまた半壊か」
エイドリアン様が別の意味で衝撃を受けていた。
まあ、これから神聖帝国と戦うというのに、<チームチェイン>が入院していて、やっと再起したと思った<チームジャスティス>がまた半壊という現実。
まさに、とんでもない落ちだ。
「しかも、仲間のセシリアちゃんがやっているというこの事実」
イエスが顎が大丈夫だったせいか血まみれになってエイドリアン様に突っ込んだ。
「馬鹿馬鹿馬鹿っ! 」
さすがに俺がそれを止めたが再再度空を飛んでいた。
『馬鹿野郎。突っ込みより自分の身体を守れよっ。俺が泣きそうになった』
そしたら、何事かと集まってきていた冒険者たちが一斉に空を飛ぶイエスに敬礼をした。
全員の目から涙が流れている。
「勇者に敬礼っ! 」
俺はもう我慢ができなかった。
イエスの突っ込みに対する姿勢に感動したのだ。
叫んだ後に俺もイエスに敬礼を捧げた。
勿論、その後で俺も宙に舞った。
俺達の吹き飛んだ血のお陰で血の虹ができた。
飛ばされながら、あああああああああああああああって顔で俺を見ているエイドリアン様を見た。
気が付いたら、俺は病院のベッドでイエスとともに包帯グルグル巻きでうんうん言ってた。
看護婦さんのパニック状態から察すると、あそこにいた全員がその後全員で空を飛んだらしい。
まさに、アイキャンフライだ。
ビルから飛び降りなくても空が飛べた。
かくして、このハートネット公爵領最大の危機に仲間は壊滅状態になった。
何しろ、隣の部屋で包帯グルグル巻きで寝ているのがハートネット公爵だったし。
正直、セシリアちゃんがいれば別にキメラなんかいらなくないか?
そんな悲しい現実が俺の心を覆っていった。




