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第七部 第七章 パンティー

「ちょっとっ! 何をするわけ? 」


 セシリアちゃんが金切り声をあげた。


 毒針の幕はセシリアちゃんの革鎧の下側のスカートをひっかけてまくり上げるだけで終わった。


 そのせいでセシリアちゃんの白いパンティーが丸見えになった。


「むう、白だと? 」


 イエスが驚いた顔をした。

 

 そう、こちらも向こうの転生者がいるせいで、女性はちゃんと女性用のブラジャーとパンティーをはいている。


 やはり腰巻だけのような下がスースーするのはこちらの世界の人間にも耐えられなかったようで転生者達が提案したのだろうか?


 下着類はあちらの世界のものとほぼ同じものが出回っていた。


「ふふふふ、白いパンティーだと? 馬脚を現したな! 」


 俺があざ笑うようにセシリアちゃんを見た。


 いや、偽のセシリアちゃんをだ。


「なんですって? 」


「セシリアちゃんは常に黒いパンティーを履くんだ。白いパンティーなど履かない」


 俺がせせら笑って答えた。


「何ぃ? 」


 偽のセシリアちゃんの顔が歪む。


「そ、そうか。セシリアちゃんは賢者。パンティーにも深いこだわりがあると言う事か? 確かに冒険者ともなると白いパンティーでは汚れが目立ちやすい。だが、黒いパンティーならどうだ。シミや汚れは目立たない。うん筋ですら誤魔化せる」


 イエスが熱く語った。


「くくくっ! そ、そうだったのかっ! 清純そうだから白いパンティーかと思っていたのにぃぃぃぃぃぃ! 」


 偽のセシリアちゃんがとうとう男の声でそう叫ぶ。


「あ、ごめん。俺は汚れがどーのとかは言って無いから」


 俺がマジで真顔で答えた。


「馬鹿なっ! 黒いパンティーとか履くなら、それしか無かろう! 真実を捻じ曲げるんじゃないっ! 」


 イエスが俺を糾弾するように叫ぶ。


「いや、黒じゃ無いから。セシリアちゃんのパンティーの色なんか知らんし」


 俺が真顔で答えた。


「ま、まさかぁぁぁぁぁぁ! 」


 偽のセシリアちゃんが叫んだ。


「だ、騙したのか……嘘だろ? 俺を嵌めたのか? 」


 イエスがそう話しながら震えておれを見た。


「いや、お前がそう言う話をすると思わなかった」


 俺は正直に話した。


『マジで思惑と全然違う方向に行ってしまった。単に偽のセシリアちゃんの嘘を暴こうとしただけなのに』


 きゅんっ!

 

 イエスが宙を舞う。


 勿論、血しぶきとともにだ。


 一瞬の事でイエスのやりたい効果音どころで無い。


 それでも、腰からシンバルのようなものを両手につけて飛んでいるのは立派だ。


「誰のパンティーが汚れ隠しだぁぁぁ! 」


 本物のセシリアちゃんが来た。


 恐らく、ウェーズリーが病院で待っててとセシリアちゃんに言われて離れた後を見越して、偽のセシリアちゃんが入れ替わったのだろう。


 そもそも、あの百戦錬磨のエイドリアン様がセシリアちゃんの師匠や家族を避難させて守るのに、そんな誰もが思いつくような場所に、しかもまとめて守るなどするわけがない。


 敵の方が手練れが多いのは知ってる訳だし。


 だから、どうもおかしい話だと思ったのだ。


 セシリアちゃんと偽のセシリアちゃんが睨みあう。


「やれやれ、せっかく変身したのによぉ」


 そう言って、偽のセシリアちゃんは男の顔に変わった。


 馬鹿だな。


 そんな事言ってる間に逃げれば良いのに。


 そう俺が呟いてる間に、真っ赤な血を噴き上げて新しい人間ロケットが空を飛んで行った。


 

 


 

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