第六部 第十二章 決着
「おおおおおおお! 」
「馬鹿なっ! 」
「嘘だろっ? 」
俺達が叫ぶ。
そこにはハリーとキメラ化したセシリアちゃんが居た。
しかも、美少女フォルムと思いきや、筋肉隆々の針が生えたオーガみたいなのが居る。
セシリアちゃんの革の鎧は裂けて伸びて腰巻のようになっていた。
身長も五メートル近い巨人だ。
「何で? 美少女にならないのであるか? 」
「馬鹿なっ! あれがあの子の本質だと言うのかっ! 」
エドワードとイエスの叫びが続く。
「いやいや、女の子じゃ無いじゃん。何でぇぇぇぇ? 」
ダリアがセシリアちゃんキメラの股間を見て叫ぶ。
そこには元は革の鎧の腰巻の下に巨大なナニが見え隠れしていた。
「いやいやいや、おかしいよね。ハリーは雄だけど。ええええええええ? 」
俺も動揺して目が泳いでいた。
「な、何だ? 人間とキメラ化したんじゃ無いのか? 」
ラウルさんが一番動揺していた。
エイドリアン様ですら固まっていた。
そのセシリアちゃんキメラがその巨体なのに異様な俊敏性で、さっと踏み込むと一瞬にしてそのロックワームの巨体を土の中から引きずり出した。
そして、その百メートル以上ある巨体の尾を持つと、ロックワームを振り回して何度も何度も頭側を地面に叩きつけた。
その叩きつけるスピードが速すぎて何度叩きつけられたか分からないレベルだ。
ロックワームの身体を構成している頭の岩のような部分が次々と粉砕されていく。
ゾンビの弱点の頭を完全に潰す事だ。
それを無意識にやっているとしか思えない。
しかも、今度はそれを頭を土中から出している別のゾンビロックワームの頭に鞭のように叩きつけた。
ゾンビじゃない部分が破壊されて、さらにゾンビの部分も粉砕されて無敵のように思われたゾンビロックワームが次々と粉砕されていく。
「ああああああああ! 馬鹿なっ! トロルですら葬り去ったゾンビロックワームがあんな風にっ! 」
ラウルさんが半狂乱になって叫ぶ中、異常な俊敏さでゾンビロックワームに馬乗りになると、パンチでセシリアちゃんキメラが次々とゾンビロックワームの頭を粉砕していく。
それを防ごうとした細いゾンビロックファームは一瞬にして次々と頭をくしゅんと握りつぶされていくし、それをしながら馬乗りパンチを連打すると言う凄い光景がそこに拡がった。
「あおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! 」
セシリアちゃんキメラが絶叫をあげた。
まるで勝利の雄たけびだ。
「嘘だ……嘘だ……私のゾンビロックワームがっ! 」
ラウルさんが呆然とする中で、全てのゾンビロックワームは頭を破壊されて倒された。
「ふはっ! 」
セシリアちゃんキメラが毒々しい笑顔でラウルさんを見た。
「ひぃぃいいいぃぃいいぃいいいぃぃぃぃぃい! 」
ラウルさんが絶叫をあげて逃げ出した。
だが、目の前に壁のようなものが現れてラウルさんがぶつかって前に行けなくなる。
それは一瞬にして先回りしたセシリアちゃんキメラの巨体だった。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ! 」
ラウルさんが泣き叫びながらぷちっとセシリアちゃんキメラの両手で潰された。
その惨劇を俺達は無言で……ただ無言で見ていた。
固まって動けなかったのだ。
そして、あのエイドリアン様ですら唖然としたまま固まっていた。
「うぉぉぉおおおおぉぉぉおおぉぉぉおおおお! 」
セシリアちゃんキメラは右手を突き上げて再度の勝利の雄たけびを上げた。




