表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/670

第六部 第十一章 新たなキメラ

 ハリーが再度連弩のように針を飛ばした。


 確かにゾンビ化して無い細いロックワームはそれで死ぬが、ゾンビ化しているロックワームは死なない。


 そして、ハリーの針も有限だ。


「どうするの? ハリーが針を全部無くしてしまうわ? 」


 セシリアちゃんがそう話す。


「一か八か、別のモンスターと私がキメラ化しますか? 」


 ハリーがそう話す。


「え? そんな事出来んの? 」


「当たり前です。キメラですし」


 ハリーが笑った。


「えええええ? もうハリネズミの愛らしい姿は見れなくなるの? 」


「嘘っ! せっかく可愛いのに! 」


 セシリアちゃんとダリアが無茶苦茶悲しい顔をした。


「いやいや、そう言う場合じゃ無いし」


「そうである」


 イエスとエドワードがそう話した途端、セシリアちゃんとダリアの二人に睨まれて黙った。


「いやいや、他に方法が無……」


 アルバートも途中で言葉を飲み込んだ。


「それは安心してください。福音枢機卿(ゴスペルカーディナル)のキメラは合体を解除すれば元に戻れます。だから、特別製なのです」


 ハリーが笑ってそう答えた。


「なるほどな」


 俺が頷いて納得した。


 それで、セシリアちゃんと不滅(インモートリティ)のキメラ化を防いだのか。


「他人のキメラを解除できるなら、あのゾンビロックワームのキメラの解除をすれば良いのでは無いのか? 」


「いや、あれを解除してもゾンビの細いロックファームをばら撒くだけになってしまうのである」


 イエスの提案をすぐさまエドワードが否定した。


 それは確かに正しい。


「とりあえず、羊と合わせるか」


 俺がそう話すとイエスが首を左右に振った。


「は? 」


「すでに安全圏に逃げたからいないぞ」


「何で逃がしたの? 」


「いや、あんなモンスターに勝てるわけ無いじゃ無いか。うちは基本ヒットアンドウェイの奇襲戦だし、堅い岩で出来てるゾンビロックワームなんか羊達に攻撃できるわけ無い」


 イエスがそう冷静に答えた。


「いや、しかし、合体出来るモンスターが居ないじゃん。どうやってキメラ化しろってのよ」


「確かに、まわりにそんな都合がいいモンスターはいないである」


 俺達が議論している間に、エイドリアン様側が押されて戦線は相当厳しくなって来た。


 やはり、この手のワームに面で攻撃されると厳しいのだろう。


 さらにゾンビ化された仲間の始末も、ハートネット公爵家の兵士達が疲弊する原因でもあった。


「このままだと全滅だ」


「エドウィン何とかしてくれ! 」


 エイドリアン様が弱気の発言をした後、アルバートが俺に叫ぶ。


「し、しかし、モンスターはいないし、そもそもあのロックファームを破壊する力と俊敏性を兼ね添えたモンスターなんて……」


 と言いながら俺がふとセシリアちゃんを見た。


 イエスとエドワードもセシリアちゃんをじっと見ていた。


 ダリアとアルバートとウェーズリーもだ。


「「「「「居たっ! 」」」」」」


 <チームジャスティス>の皆が一斉に叫んだ。


「ちょっ! 何で皆は私を見てるの? 」


 セシリアちゃんが動揺して叫んだ。


 だが、俺の気持ちがはっきりと現れてしまったのだろう。


 俺の胸の紋章が光り出した。


 紋章魔術が始まったのだ。


「ちょっと! ちょっと待てぇぇぇい! 」


 セシリアちゃんが動揺しながら、ハリーと身体が溶けあっていく。


「あーあーあーあーあー」


 もう唖然と喚くしか俺には出来なかった。


 不可抗力だよね。


 うん。


 やってもーた。

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ