第五部 第十章 隠蔽破り
再度、上空でオニヤンマとタガメのキメラが旋回を始めた。
「しつこいな」
俺が舌打ちした。
「おお、あれは何事でごさるか? 」
「いやいや、知らないで参加したの? 」
「バックミュージックを奏でるのが我らの生き様ゆえ」
「え? 全員騎士じゃ無いの? 」
「その前にバックミュージック音楽隊でござる」
「この無能がぁぁぁ! 」
エドワードがセシリアちゃんの非情な一撃で宙を舞った。
そしたら、それをキャッチしようとしたのかオニヤンマが一瞬、降下しそうになって反応した。
「おお? まさか、生態はまんまトンボなのか? 」
トンボは小石を投げると虫かとおもって飛んでくる。
虫の死体とかだと、勘違いしてキャッチして食べる。
「むう、行けるな。セシリアさん。音楽隊の人を上に投げてみれば……」
イエスも同意見だったのかセシリアにそれを言って一瞬で空を舞っていた。
何故かイエスにはオニヤンマは捕まえる動きをしない。
「奴等に関係無かったのか」
俺がイエスに抱いてた疑念が少し晴れた。
「いや、お前、酷いな」
俺が喋ってたらしくてイエスが非難した。
「いやいや、こういう時っていろいろ分かるし」
「いや、あんたも、もう少し動揺しようよ」
セシリアちゃんが俺に呆れていた。
「どっちにしろ、武器が無いな。あんなキメラに勝てるわけ無い」
「そう言えば、渡すものもあるのでござるよ」
エドワードがそう馬に積んだ荷物をごそごそしだした。
お?
原油とか爆薬とか持って来たのか?
「いや、アーランデル伯が壊れた別宅の修理代を出してくださることになったので、修理代として貰った金貨を返すように言われたである」
「いや、この非常時にそっち? 」
セシリアちゃんがまたキレている。
「「ありがとう」」
だが、大切な大切な大切なお金だ。
有難くイエスと一緒に受け取った。
「あーあーあーあー危機感無いなぁ? 」
アルバートが呆れた。
「「どうもいけませんね。どうやら、貴方は福音枢機卿の身分を分かっておられぬようだ」」
またしても上空で理解不能な話をしだしているオニヤンマとタガメのキメラだ。
知らねぇよ、そんなの。
「上空に居る奴ってファイヤーボールとか当たりにくいんだよね」
ダリアが愚痴る。
空飛んでるのは通常の銃では無理で、専門の高射砲とかじゃ無いとエネルギーが足りなくて当たんないからな。
「「見つけました」」
「え? 」
俺が驚いたら、今までに無い降下速度で俺に向けて一直線に向かってきた。
「ちっ! 」
俺が再度隠蔽で逃げようとしたら、どうも見えてるらしい。
それに合わせて移動してきた。
「ヤバイ! 」
イエスもそれに気が付いたのか叫んだ。
「スペルシール! 」
そのオニヤンマとタガメのキメラの降下地点に合わせて、セシリアちゃんが呪文の防御盾を出したが、それをあっさりと破壊して俺に向かって降下して来る。
「何で、見えるんだ? 」
俺が隠蔽を解いて腰の剣を抜いた。
毒が効くかどうかわからんがやるしかない。
そう思った時に、連弩のように針が大量に次々とオニヤンマとタガメのキメラに当たる。
「「おおおおおおおおおおおおお! 」」
オニヤンマとタガメのキメラが絶叫した。
すぐ近くの森から何者かが攻撃したようだ。




