第五部 第八章 つながり
「……何だか、俺のお家復興がちんけな話に聞こえるんだが。どうなんだろう……」
アルバートが真顔で悲しい顔をしていた。
「いやいや、本当かどうか分かんないぞ。間違えてんのかもしれないし」
俺がアルバートに話す。
「ぶっちゃけ、貴方の廃嫡も神聖帝国が関わってる可能性があると私は勝手に見てるんだけど」
セシリアちゃんが真顔で話す。
「は? 」
アルバートが信じ難い位の驚いた顔をしていた。
「デヴォン伯が失脚したからっていきなり廃嫡と母親を離縁して追放とかっておかしいでしょ。そもそも祖国ケルトのもっともダークサイドにいると言われるハートネット公爵家の御曹司のギルドにアルバートが匿われている自体臭いのよね」
セシリアちゃんがアルバートの衝撃を無視して話す。
「まあ、神聖帝国が戦争をコントロールするなら、やるかもしれないね。グルナディア帝国と祖国ケルトと戦争をさせるなら一番に火種が仕掛けやすい場所だしね」
イエスもそれに同意した。
「その上であんたもエイドリアン様がおさえている。何かあると思わない方がおかしい」
セシリアちゃんが俺を見て断言した。
「いやいや、俺がそれに関係しているかどうか分かんないだろ。こないだだけの話でそこまで考えるか? 」
俺が苦笑した。
「紋章魔術の問題が出なければね」
セシリアちゃんがそう話す。
「そうそう、セシリアさんがキメラ化されるのを防いだ奴だよね。察するに」
イエスが答えた。
「いや、別に、今の時点で何も胸に無いんだが……」
「あれは、そう言う魔術なの。産まれた時に移植されるの、先代から」
「は? 」
俺がセシリアちゃんの話に凄く驚く。
「神聖帝国はその紋章魔術……神聖魔術を使うから、神聖帝国って言うらしいの」
「な、何で、そんな話を知ってんの? 」
俺が凄く驚いた。
マジな話、そんな話なんか今まで一度もして無いし。
「私の賢者としての師匠が実は神聖帝国と関わった事があるの。徹底的な秘密主義と、キメラによる特異的な戦闘、人格コントロール、経済政策としての戦争……」
「いやいや、そんな話一度も聞いた事無いぞ! 幼馴染じゃん! 」
俺が唖然とした顔をした。
「だって、師匠から口止めされてたもの。絶対に紋章魔術が出てきたら関わるなと」
「はああああ? 」
「ごめんなさいね。実はもう一つ言うと、昔に師匠と一緒に神聖帝国とトラブルになったのが、実は貴方の失踪したお父さん。いつか、お父さんが戻って来た時に、エドウィンを巻き込もうとするかもしれないから、そうなったら彼を止めるか関わるなと」
「いやいやいや、今頃、言うかぁぁぁ? 」
「だって、今回の事で紋章魔術が出てくると思わなかったんだもの」
「ちょっと、待て、俺の師匠は? 神聖帝国の殺し屋だったろ? 」
俺が慌てて聞いた。
「何か理由があって、貴方にいろいろ教えたのだと思う。私の師匠の考えだとあの貴方との出会いは何か意味があるって言ってたわ」
「いやいや、早く言ってくれよ! 」
「口止めされてたし。師匠は次々と仲間がやられるとこを見てるから、凄く彼らに恐怖を抱いて隠棲してたし」
「嘘だろ? 」
俺が頭を抱えた。
「おい! 」
イエスの顔が上空を見て豹変した。
夜が明けて来たと同時に何かが近づいて来ていた。
それをイエスが教えてくれた。




