第五部 第七章 本音
俺がアルバートと交代して、寝る前にトイレと言う形で森の中に入って行ったのだが、イエスとセシリアちゃんも同じ事をしたんで、急遽、残っていたアルバートがダリアとウェーズリーを起こして焚火を増やして馬車のまわりは警戒状態に変わってた。
「何だ、慌てなくても良いのに」
俺が苦笑してアルバートに話す。
「いやいや、三人も居なくなったら、何かあったと思うだろうが」
アルバートがちょっと怒ってる。
「ちょっと、最初にあった消された二つの気配の様子を見に行っただけだよ」
セシリアちゃんがそう話す。
「一応、確認しとか無いと、何が追って来てるのか分かんないしな」
俺もそれに続いて話した。
「ど、どうだったんだ? 」
アルバートが゛心配そうに聞いた。
「三十センチくらいの毒針数本に貫かれて、甲虫が二匹死んでた」
イエスがそう話した。
「甲虫? 」
ダリアが不安そうに聞いた。
「多分、あの滅の関係してるキメラじゃ無いかな? 」
俺が想像でそう話す。
「じゃあ、追って来てるのか? 」
「街を出た時からずっと気配があったからな。その可能性が高いだろ」
イエスもそう話す。
「一体、何が起こってんだ? 」
「俺が話してた原油って何か分かったか? 」
不安そうなアルバートに俺が聞いてみた。
「いや、単に燃える水なんだろ。良く分からんが」
「アルコールとは違うのよね」
アルバートとダリアがそう答える。
「だよな。あれが何かなんてこの世界の奴には分からん」
「それをラッセルが用意してたって事ね」
「まあ、と言う事は神聖帝国ってのは俺達と同じ前世持ちって事だな」
イエスが直球で結論づけた。
「一気に結論に行くんだな」
「グズグズしてても結論は同じだろ」
「お前の本音はさっき一部聞いたが、結局、どうしたいんだ? 」
「いや、神聖帝国が本当でリスクが合うなら、俺にも少し参加させて貰っておこぼれをいただきたい」
イエスがきっぱりと話す。
「ううむ。それなら、非常に深く同意だな」
「生まれ変わって羊飼いとか罰ゲームだろ」
「まあな、貧乏人の俺も同意だ」
こういう所は非常に俺とイエスの意見は合うな。
「いやいや、心配せんでもあんたはなんか関わってるから」
セシリアちゃんが俺にそう話す。
「もし、もしだぞ……」
イエスの表情がセシリアちゃんの話で豹変した。
「何だ? 」
「もし、お前……いや貴方様があのの神聖帝国の偉いさんだったのなら、私をポチと呼んでください」
イエスがきりりとした顔で話す。
「おい! 」
セシリアちゃんが突っ込んだ。
「いやいや、俺はあの滅がお前に敬語で話したの聞いちゃったからな。俺だけ爆風に巻き込まれずに伏せていたし」
イエスがにやにや笑った。
「「ええええ? 」」
アルバートとダリアが驚いた。
確かにあの爆風でしれっと伏せてたのこいつだけだったし、後は戦ってたセシリアちゃんくらいしか聞いて無いだろうしな。
「ああ、やっぱり、ちゃっかり聞いてたか」
セシリアちゃんが苦笑いした。
「そ、それで妙に俺にべたべただったんだ」
「当たり前じゃん。だから、乗るべきか逃げるか悩んでいる訳だ」
イエスが爽やかに笑った。
『仲間の状況で助けるか見捨てるか利益と損を計算して悩んでいると言うえぐい話を爽やかに話すとは……。やはり、只者では無い』
「いや、単なるロクデナシなだけだと思うけど」
横でセシリアちゃんが苦々しい顔をしてた。




