第四部 第十一章 滅(フォール)
「ちっ、滅多矢鱈に爆弾など仕掛けおって」
滅が叫んだ。
「いや、仕掛けるだろ。こんなもん」
そう言って、俺が腰の剣で滅の腹を斬り裂いた。
だが、手ごたえがない。
「むっ、黒塗りで毒の刃の腰の剣だと? 貴様が<ストーカーのエドウィン>か? 」
滅が驚いた。
いや、驚かれても困るんだがな。
「噂のSSS並みか」
滅がにやりと笑った。
「いや、あんた悪い人じゃ無いな」
俺が満面の笑顔で話す。
「いやいや、おだてに弱すぎだろ」
そうイエスが苦笑した。
と同時に、いきなり現れた羊達が凄まじい格闘スキルで滅を襲った。
「ひ、羊だと? 何で、羊が二本足で立ってるんだぁぁぁ! 」
滅が絶叫した。
俺も正直、驚いた。
何故なら、あまりに優れた連係プレイだったからだ。
相手が避ける場所を先読みするかのように別の羊の蹴りとパンチが襲う。
「不滅っ! 助けろっ! 」
滅が絶叫した。
『ぷぷぷぷぷぷ、羊に負けてやんの! うははははははっ! だっせぇぇぇぇぇぇ! 』
「やかましいわぁぁぁ! 」
滅が俺に対してブチ切れた。
それで不滅は羊では無く俺の方に攻撃を仕掛けて来た。
その隙に凄まじい勢いでその場から撤退する羊達。
「すげぇぇ! 」
俺が感心して羊たちの攻撃をじっと見てて、不滅の攻撃は見てなかった。
「よそ見してる場合かっ! 」
アルバートが叫ぶ。
不滅の攻撃が俺を横なぎにした。
が、それは俺の隠ぺいの作った残像だった。
「さっきから見てたんだけど、お前、確かに外骨格は固いけど、ここはどうなのかな? 」
俺が一瞬に移動して腰の剣で不滅の8つの目の左側の二つの目を潰した。
「ギィィィィィッ! 」
不滅が叫んだ。
「あああっ! 不滅の目を! 」
「目が見えなくなるとヤバいよね」
俺が薄く笑った。
「ババババーン」
イエスがいつの間にか滅の後ろで思いっきり打楽器で衝撃を受けたと言う意味合いの効果音を出した。
「うわわわわっ! 」
いきなりだったので、滅が驚いた。
そしたら、まさかの再度の羊の軍団だ。
良く見たら、蹄に刃物を仕込んでいる。
怖い位ザクザクと滅から音がしてる。
こいつら、やっぱりヤバイ。
「貴様らっ! この私が血をっ! 」
滅が黒いローブの中に手を突っ込んで血まみれの手を出した。
憎悪にまみれた目で羊を探しているが、羊達は四本足で全速力で逃げたらしくて滅には羊が見つからない。
さっきから見ていると、何気に目潰しとボディの連携を羊達全体の連携プレーでやって攻撃している。
流石に滅も回避能力は相当なもので、目は潰れていないが額が血まみれになっていて、そこから垂れる血で視界が遮られている様だ。
うーむ。
結構羊の軍団は凄い戦力だな。
俺は怒り狂った不滅の攻撃を必死にしのいでいるが。
目を潰されたのが許せないらしくて、足とサソリの尾を使って激しく俺を攻撃してきた。
思っていたより遥かに頭がいいらしくて、俺が死角へ死角へと移動するのを先読みするようなサソリの尾の攻撃がある。
『ああ、これは厄介だ。だが、もっと厄介なものが来た』
「ふんがぁぁぁぁ! 」
まさかの不滅のサソリの尾を掴むと手で強引に毒針を抜き去った。
それと同時にサソリの尾を掴んで近くの屋敷に振り回して叩きつけた。
「ええええええ? 」
滅がちょうど額を拭った時にそれを見てしまったらしくて、今までに見た事も無いような顔をしている。
そう、可愛らしい顔で賢者なのに超怪力なセシリアちゃんであった。




