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第四部 第六章 戦闘開始

 俺が再度気配に応じて、音のなる某手裏剣を打ち込んだ。


 だが、やはり、音が聞こえているのか、刃先が光るせいか、それも弾き返された。


 どうも、屋敷の外壁を伝っているらしい。


「そこかっ! 」


 俺が再度音の鳴る某手裏剣を相手に打ち込んだ。


「ドドドーン! 」


「ジャジャジャーン! 」


「いや、糞五月蝿いよ! 」


 イエスとエドワードが楽器と打楽器を鳴らすせいで相手の状況が分からない。


「ギィィィーッ! 」


 何かのモンスターが悲鳴を上げた。


「やっと鏑矢が当たったのか? 某手裏剣だが」


 イエスがそう呟く。


「違う! 最初のはワザと音が鳴るように棒状のとこに穴を開けて刃先は光らせたまんまで打ち込んだんだ。で、相手に三回投げて三度目に黒刃の毒手裏剣の穴無しを穴開きの後にずらして二本投げたんだ! 」


「つまり、最初のは囮と言う事であるか? 」


 エドワードが驚いたように聞いた。


「強いって噂だから、三段回で仕掛けただけだ」


「恐ろしい奴だな」


 イエスが呟いた。


「だが、やばいな。相当な神経毒が塗ってあるのに動いてやがる。毒に対する耐性があると見た」


 俺が苦笑いを浮かべた。


 あの毒で効かないってのは何なんだ?


「ドン! ドン! ドン! ドン! 」


「パシャララァァ! ジャジャジャ! ジャジャジャジャン! 」


 イエスとエドワードが緊迫感を上げる音楽を打楽器とバイオリンみたいな楽器で奏でる。


「いやいや、戦えよ! 」


 俺が叫んだ。


「何だあれは! 」


「弓だっ! 弓を使ええええ! 」


 隣の宿舎の警備兵達が大騒ぎしている。


「もし、音楽が始まったら救援に来るように頼んであったのである」


 エドワードが胸を張った。


「いやいや、本人は戦わないの? 」


「これが生き様である」


「その通り」


 俺の疑問にエドワードとイエスが胸を張った。


 駄目だ。


 使えねー。


 ザカザカと庭で音がする。


 警備兵達が松明を持って集まって来た。


「蜘蛛だ! 蜘蛛とサソリのキメラか? 」


 蜘蛛の身体にサソリの猛毒らしい尻尾がついた真っ黒な怪物がそこにいた。


 蜘蛛の巣を庭に撒き散らし、それで罠を固めて使えないようにしたようだ。


「同じように神経毒を使うのか? 」


 それなら、神経毒への耐性を持っていておかしくない。


「アーランデル伯の配下の将軍はあの神経毒でやられたのであるよ」


「いや、今頃、種明かしみたいに大事な情報を話すなや! 」


 俺がエドワードにキレた。


『今頃言われたって、毒の種類を変えれないがな! 何、考えてんだぁぁ! 』


「これは極秘情報ゆえ」


「言わなきゃ分かんねーじゃんよ! 」


 俺達が言い合いしている間に次々とサソリの針の餌食で警備兵が跳ね飛ばされて痙攣している。


「あーあーあーあー」


 俺が呆れて声を出した。


 今度は物悲しい旋律をエドワードが奏で出す。


『犠牲を悲しんでるつもりだろうけど、お前のせいじゃん! 毒が使えないなら最初に言えやぁぁぁぁ! 』


「すまんのである」


「悪いけど、屋敷が燃えるかもしれんが、許せよ! 」


 俺がそう話すと某手裏剣の穴に油をつけた布を通して火をつけると、蜘蛛とサソリのキメラのいるあたりに投げた。


 だが、火は燃えなかった。


「不燃性の蜘蛛の糸か? 」


 俺より先にイエスが驚いた。


「それはアーランデル伯の配下の将軍も蜘蛛の巣に火計を仕掛けたのに無理だったそうである」


「「だから、今頃、大事な話を言うなやっ! 」」


 俺とイエスがエドワードにブチ切れた。





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