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第四部 第二章 作戦

「で、羊たちはどうした? 」


 俺がイエスに聞いた。


「いや、エドワードに教えられて、この街の冒険者の宿泊している場所に泊まらせてもらっているんだが、そこの責任者さんに羊の草刈りを話したら興味を持たれたので、特別価格で今働かせている」


「むう、堅実だな」


「こうやって地道に稼ぐことこそ、生活の質をあげる事になるからな」


「確かに」


「ところでだな」


 イエスがちょっと困ったような顔で聞いて来た。


 俺はイエスの懸念がピンと来た。


「大丈夫だ。ここはエイドリアン様の関与する場所では無い。その羊の草刈りのお金は計上しないでおこう」


「だよな」


 イエスが俺の言葉でほっとしていた。


「シビアであるな」


「当たり前だ」


 エドワードの言葉に俺が突っ込み返した。


「それにしても、ここの施設とか素晴らしいな。冒険者用の宿舎。冒険者が乗る馬や土龍を泊めて置ける厩。まさに冒険者の為の街だな」


「いやいや、エイドリアン様はその分、ギルドの会費を安くしているはずだぞ」


 イエスがあまりに褒めるので、エイドリアン様の素晴らしさを教えなおす。


「まあ、ここの冒険者ギルドの会費はケルト王国で一番安いハートネット公爵家のギルドの会費の倍近いからな」


「良い施設には良い施設なりの金がかかるのだ」


「むう、なるほどな」


 俺の言葉にイエスが頷いた。


 よしよし、エイドリアン様は最高なのだ。


「でだ、ラッセルの奴めもアーランデル伯に呼び出されて、こってりと絞られたようだな」


「ああ、不正帳簿をアーランデル伯の執務室の机の上に置いて置いたからな」


 俺が笑った。


「何と? その話は初めて聞いたぞ? 」


「徴税を任せた家令の不正はアーランデル伯自体の恥になるからな。それで皆に言ってないのだろう。一部の徴税を軽く見積もって、さらにいろいろと援助しているようだが、それのキックバックを貰っているんでは無かろうかと思う」


「むむむ、そうであったか」


「すでに、奴がアーランデル伯とは別で、自分の妹の名義で家を借りているのも分かった。さらに言うとすでに忍び込んで、とても買えなさそうな高いものを金庫から出して目立つところに置いて置いた」


「むう、そうやって、相手を激発させるんだな」


 イエスが俺の真意に気が付いたようだ。


「流石だ。俺の命を取りに来てくれれば完璧だ」


「となると、私の別邸に君達を招待した方が良いのであるかな? 」


 ちょっと心配そうにエドワードが答える。


「「なぜ? 」」


「いやいや、冒険者が泊まる宿舎と住まいで戦うと被害が出るのでは無いか? 」


「なるべく肉壁は多くあった方が良いのだが」


「……何だか、お前、想像以上にやばい奴だな」


 イエスが俺の言葉に突っ込んだ。


「どう言う事であるか? 」


 エドワードが不思議そうに聞いた。


「いや、冒険者連中をそのモンスターと戦う盾替わりにする気だろう」


 イエスが俺の気持ちをドンピシャで当てた。


「当たり前だ。こう言うのは何でも利用せねば。しかも、冒険者なら抵抗はするだろうから、相手に対する弾幕にもなる」


「うぇぇぇえぇぇ? なんとなく<チームジャスティス>の他の連中が嫌う理由もわからんでも無いなぁ」


 イエスが愚痴った。


「いやいや、それはいささか困るのである。冒険者もなかなかいないのであるからして」


 エドワードが慌てて止めて来た。


「いや、でも、冒険者たるもの死と隣り合わせは当たり前だろうに」


 俺がそう答えると、エドワードが絶句した。

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