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第三部 第一章 プロローグ

 アルバートとダリアが一緒にギルドの横の気の置けない酒場の方に歩いてきた。


「彼らは仲が良いな。付き合ってんのか? 」


 酒場の入り口の横で簡易のテーブルに座ってるイエスが俺に聞いて来た。


「いやいや、その辺は俺も知らんな。そもそも、仕事自体はビジネスライクだしな。元々、俺は索敵と渉外だから、チームの休みはエイドリアン様の為に尽くしてさらに好印象を掴んだり、少しでも贈り物とかの金を稼ぐために野山で薬草を詰んで売りに来たりしているからな」


 俺がイエスにそう話す。


「中々堅実な生活をしているのだな」


「うむ。俺は前世では両親が亡くなっていたが、今世でも母親が亡くなっているし、父親も行方不明だ。前世で派遣とかで身体の調子が悪くなるとやはり先立つものは金だからな。基本、チーム報酬は貯金をする事にしている」


「俺も、そんな感じで金をコツコツ貯めてるよ。それのお陰で農場も余裕で借りれたしな」


「現実はシビアだよな」


「ああ」


 俺とイエスが頷きあう。


「いやいや、シビアは分かるけど、何をやってんのよ」


 ダリアがなじるように俺に話す。


「いやいや、前世でな。庭とか草がぼうぼうの場所を羊に食べさせて、草刈りさせるビジネスがあってな。エイドリアン様とイエスにそれを話したら事業としてやる事になって。ここが一番この街で人通りが良いから、簡易の机を出してそれの予約を取っている」


「お前! この街で最強のAクラス冒険者チームの<チームジャスティス>のメンバーである誇りは無いのか? 」 


 アルバートが叫ぶ。


「いやいや、エイドリアン様も喜んでくださったからな」


 俺が微笑んだ。


「いやいや、A級冒険者チームなんて、この国には十くらいしかないし、その上のS級冒険者チームは二つだし、その上のSS級冒険者チームはいない。私達は冒険者からしたら憧れなのよ。分かる? あ・こ・が・れ……。そんなチームのメンバーが一番目立つところで何をやってんのよ」


 ダリアが俺達を睨みつけた。


「いやいや、憧れだけで飯が食えたら苦労しないし」


「こうやって、コツコツと貯めたお金で良い装備を買い、怪我した時に治療したり療養したりするお金を稼ぐ。そう言う地道な行動が将来に繋がるんだぞ」


 イエスの言葉に俺がさらに補足した。


「いや、そうだが、何もこんな所で……」


 アルバートがそう俺達に呆れた顔をした。


「いやいや、だから、一番人通りが多いんだよ。予約を取らないといけないしな」


「いや、だから、もっと<チームジャスティス>の誇りを持ってくれと言ってるのに」


「ちゃんと、クエストとかやるなら、そっち優先でやるから、心配しないでくれ」


「話が通じてないじゃない」


 俺の言葉にダリアが顔が真っ赤だ。


「まあ、この人達はこういう連中だって皆が知ってるから大丈夫じゃない? 」


 後ろから声をかけられたんで振り返ったらセシリアちゃんが居た。


『セシリアちゃんが最近御機嫌が悪い。可愛らしい賢者として人気だったのが、トロールに馬乗りパンチとか、オーガの群れをボコボコにとかいろいろとばれてしまったばかりに、まわりのちやほやしてた雰囲気が変わったからだろう』


「ドバキャッ! 」


「くほっ! 」


 俺が避けたものの鳩尾にセシリアちゃんの一撃を食らって呻いた。


「あなたも、効果音はいらないから」


 セシリアちゃんがイエスを睨む。


「いや、これはポリシーですから」


「は? 」


 イエスの言葉にセシリアちゃんにまさに殺気が漲ったせいで、効果音を出そうとしたイエスが黙った。


 恐ろしや。

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